いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

民意と真意の間。  among the public opinion and motive

2010-05-17 19:49:01 | 日記
 (1)内閣支持率が前回調査から10%下降して23%。不支持率がその10%上昇して62%
となった。と、今更騒ぐまでもなく、重要政治課題(普天間基地移設先問題・政治とカネ)
での政治決断、政策調整能力、責任論の発信力不足で、すでに内閣、政府として機能してい
ないことが、国民周知のものだからだ。

 (2)普天間基地移設先問題で、首相がくり返し表明していた5月末決着は不可能になり、
その政治責任も明確にできない。政府内からは今になって、そもそも5月末決着にこだわら
ず抜本的な解決に向けて時間をかけるべきだという、「目くらまし・ごまかし論」まで出る有り様。

 確かに前政権時から日本の首相が短期内に次々と交代する異常事態は、内外政治情勢に不
安定を発信して好ましくはない。しかし、それ以上に首相、内閣、政府が機能していない不利益
(disadvantage)の方が大きくて、早期に原点回帰(recur to the foundation)して出直すべきだ。

 5月末の政治情勢を「目くらまし・ごまかし論」で通り過ごしても、このまま行けば夏の参院選
での大敗で、与党の代表者(首相)への責任論は必然だからだ。そこまでいっての進退問題
の方がはるかに政治的ダメージが大きく、及ぼす影響力も多岐になる。
 重要政治課題の5月末決着が不可能なら、首相はすみやかに「ふさわしい」責任をとるべきだ。

 (3)内閣支持率低下にあわせて、政党支持マップが混沌としてきた。民主党が前回調査から
5%減少の19%、自民党が1%増加の15%、みんなの党は1%増加の9%で、また夏の
参院選に向けた投票行動では、民主党が22%(前回調査比較△7%)、自民党18%(同
△3%)、みんなの党15%(同+3%)で、7%の間のボーダーライン(borderline)の中に3党
が拮抗して接近。

 (4)みんなの党には失礼だが、それ程の政党理念、政策課題、政策・政治手法が明確に発信
されているとは考えられず、行く先のない国民の意思の安全パイとなっているのだろう。
 参院選後は、政権政党のあたらしい代表者と自民党を除く第3党間での連立政権となる可
能性が大きい。
 英国政治情勢も、先の選挙で少数支持政党が乱立で、政治理念、政策の共有性では連立も
かなわず、数合わせがプライオウリティ(priority)の政治状況になってきた。
 日本の政治情勢も同様の政治マップ。政治が、数合わせのゲームになって、国民の不利益
は促進される。

 (5)普天間基地移設先問題で、5月7日に移設先のひとつとみられる徳之島3町長が東京で
首相、政府関係者と会い、移転反対の「民意(public opinion)」を伝えた。その後、政府は徳之
島3町長との話し合い継続を求めて、ひとりを除く2町長は移転反対の民意を盾にこれ以上は
会う必要もないと拒否の構え。

 (6)「民意(public opinion)」にも、その中身は多岐にわたる。その中で移設反対が多勢を占め
て「民意」の収れんをはかる(1票でも過半数を上回ればそれも民意)。少数ではあっても、それ
以外の民意を政治運営の中でどう活かして理解を求めるのかは、首長の役割。

 そういう多岐の意見が政府と首長間の話し合いの中で開示されているのか不明だが、伝わ
ってくるのは「民意は絶対反対で、これ以上会う必要もない。」というものだ。52%の得票率で
当選の名護市長も同様。

 「民意」は政治の原点。だが、「民意」がこのようにあまりに絶対視され、強調されるとまして
そのためもう会う必要もないという拒絶反応を見ると、民意にも色々あるだろうにと、首長の
民意の重しにも、考えさせられる。

 (7)まして、首長が民意を代表して移設反対の意思表示をしているものを、政府ともあろうもの
が民意の少数意見者と別途話し合うなどとは、意図も不明で、あってはならないことだ。
 首長も首長、政府も政府の無分別な泥仕合いの様相。米国の手管(てくだ)にはまっている。

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