いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

命と命の間。  study a bonds of life

2010-05-16 19:25:00 | 日記
 (1)①自ら生命を絶つ人が12年連続で3万人を超えた(09年統計32,845人)。②教員
(公立学校)の休職者数が右肩上がりで増加して08年統計で8600人、内、精神的疾患
で休職した教員が5400人で、共に過去最多。

 (2)自ら生命を絶つ人が国民全体の0.03%を少ないとか多いとかではなくて、自ら生
命を絶つ人が一人でもいることは、あってはならない社会現象とすれば途方もない数字だ。
 自ら生命を絶つ人の告白、相談から、動機は失業、苛酷な労働条件が主なもので、前年
比較70%も増加した(データ)。世界同時の経済不況が拍車をかけている。

 近年は20代、30代の「自ら生命を絶つ比率(10万人比較)」の増加が特徴だ。本来は、
人生やり直しの効く年代での「自ら生命を絶つ比率」の増加には、現代社会の構造的問題
がある。

 (3)誰もが20代、30代では一度や二度の挫折は経験する。むしろ思い通りいかないのが、
独り立ちするプライマリー(primary)人生のオリエンテーション(orientation)という共通認識
の社会行動の中で、そういう未熟さが普通(ordinary)という自己評価に立って、多様な経験
則から解決策(solution)を引き出して成長を実感する。

 20代、30代で将来のことなど、身近なものとして考える者など、昔も今もほとんどいないは
ずだ。将来への不安なんて本来ない年代での、人生への絶望感というのは、現代社会の抱
える構造的背景があらわれている。
 ①視野の限られた自己中心の論理構成、②受動的(人まかせ)な自己評価、③共有意識、
共通観の欠落、④孤立感と、「社会性(sociality)の欠如」に起因する。

 社会(適応)性とは、広い「関心」と、異質なものを受け入れる「度量」、「思考」し行動する力
を相互に「機能(比較、分析、選択)」する能力。

 (4)20代、30代というと、たとえば車にぶつかってもくたばるものではないという体力、気力
のバイタリティがあった年代だ。
 まして、人間「ひとり」生きていくのに、なんとでもなると思って生きることに意欲のある、
ある意味無責任で楽観論が支配する年代だった。

 (5)支援策としては、①短期的なものと②長期的な視野に立ったものとの混成(composite)。
 ①失業、苛酷な労働環境が起因しているデータに基づけば、ハローワークの就職支援の窓
口に生活相談支援コーナーを新設して、広く周知し、雇用のあてのない失業者に継続して相
談、対応にあたる。
 ②長期的視野に立ったものとしては、教育改革がある。

 そういう自ら生命を絶つ人が20代、30代中心に増加(前年比較1.8%増)している傾向、
社会性の欠如とは、家庭を含めた教育環境に起因する現代社会の構造的問題だ。
 
 (6)基礎教育(primary education)の学校(小、中学校)は、かっては「勉強に行く」ところだ
った。主体が生徒で、目的意識に共有性があり、学校に行けば仲間がいる能動態の場所だ
った。家庭以上に、学校で仲間といることに安心感があった。

 基礎教育にも課外教育(塾)が浸透して、学校は「教育を受ける」ところに、受動態に変化
する。基礎教育は、正課教育と課外教育とに二極化して、人的財産も含めて学校教育の質
そのものが変化した。

 能動態(active)から受動態(passive)に変わった基礎教育(primary education)を受けた
年代が教員になって、精神疾患過去最高の5400人の休職者数。
 基礎教育は、「教育を受ける」ところから「勉強に行く」ところへ、受動態から能動態へと
人的財産も含めての教育改革が求められる。
 家庭教育もシンクロ化して、目的意識を共有化し実践するのは、将来にわたって20代、
30代がふさわしい体力と気力を持ち合わせるためには当然のことだ。

 人間は、どうしたって「命」と「命」の間を生きていく。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする