いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

再び、政治ごっこ。 political kids games , again

2013-12-27 19:33:25 | 日記
 (1)日本は憲法前文で「国際的に名誉ある地位を占めたい」と戦後日本再生をスタートさせた。団塊世代の圧倒的人口比率に労働力、国民性を背景に経済成長をとげて、経済では一流と呼ばれる経済大国に成長した。

 第2次世界大戦の敗戦から自主独立を果たしたが、いまだに米国からの強い影響力を受けたままの政治、安全は従属国並みのレベルのままだ。沖縄は72年に返還されたが核持ち込み、基地経費の負担増の密約付きでいまだに実質米国(米軍)の治外法権下にある。

 (2)安倍首相は平和憲法を米国による押しつけとして、自らの手による自主憲法の制定で彼の言う本当の自主独立を実現することを政治理念としている。日本の歴代首相は就任早々には米国訪問して米国大統領と会談して注文、制約を付けられて、米国忠誠を約束させられてきた。

 アジア共同体構想で米国離れを目指した09年の民主党政権の鳩山首相は理念倒れの戦略不備の中で、米国の反発を買って右往左往の末に行き場を失って失速解体してしまった。

 (3)安倍首相は昨日の靖国参拝で右傾化のこの1年の日米協力防衛構想思想の締めくくりを果たしたが、当然のように中国、韓国の強烈な抗議を受け、さらに日本、中国、韓国の東アジアの安定を望む米国の意図、要請にも反して「米国政府は失望している」と異例の強い反発をも受けた。

 駐日中国大使は即座に「中国をはじめ戦争被害国の国民感情をひどく傷つけた。国際社会に対する挑戦だ。」(報道)と抗議した。安倍首相とすれば、戦後も60年以上も経過していつまでもこういう国際世論に対する見直し、思想的清算への挑戦として、自主独立国としての理念にもとづいた自律性、独自性をあえて発揮したつもりなのだろう。

 (4)日本は平和憲法のもとに戦後は経済成長主義中心に「国際紛争を解決するための戦力を保持しない」憲法条文のもとに個別的自衛権遵守、日米安保体制により他国への軍事的脅威(military menace)は示してこなかった。

 今回の駐日中国大使の抗議も、いつまで戦争被害を概念上の問題(決して忘れ去ることのできない悲惨な悲劇)ではなく国際外交上の問題として束縛されるのかの思いはある。そうだからこその安倍首相の憲法改正、国防軍化、集団的自衛権の行使容認姿勢にはアジア諸国を再び疑心に向かわせる格好の不安材料を提供することになるのだ。

 (5)安倍首相は今回の靖国参拝にあたって、吉田元首相も中曽根元首相も小泉元首相も歴代首相は参拝していると政治的背景もその後の外交関係の悪影響も無視して、参拝のよりどころの正当性をただ強調している。

 極めて他力本願に転嫁しての甘い認識観だ。表現は適切かどうか、坊っちゃん的人柄が思考につきまとう。やや早口で立て板に水のごとくリズミカルに話すが、出てくる言葉の重みほどに感性が伝わってこないのが特徴だ。
 表情からも本当に本意として言っているのか、そのとおりやる気があるのか、建前論にしか見えないことが多いのだ。今回の靖国参拝問題にしても、中国、韓国との会談のチャンネルもないのに、平然と粘り強く説明して理解を得たいと言いのけている。

 (6)自己陶酔型で自己満足型なところが見受けられる。官邸主導の政治スタイル、強引で独断的な人事、手法は比較考察力に欠けて、闇雲に突っ走る危険性がつきまとう。
 自衛隊の国連PKO活動海外派遣も当時の国民の過半数が反対したが、現在は広く貢献しているとして国民の過半数の意思など眼中になく、今回の靖国参拝も逆風を見て見ぬふりのわが道を行くで、そのうちなんとかなるだろう、時間が解決するとの甘い思いがあったのではないのか。

 政治ごっこ(political kids games)には付き合いかねる。こういう日に報道各社の政治部長らが安倍首相と会食(首相スケジュール報道)しているのは理解できない。

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