(1)政府は国家安全保障戦略、防衛計画大綱、中期防衛力整備計画を決定した。中国の軍事力強化、とりわけ尖閣諸島周辺EEZ侵犯、日本と重複する防空識別圏設定を見据えての「中国の対外姿勢、軍事動向は国際社会の懸念事項」(安保戦略より)と中国、北朝鮮の軍拡路線を十分に意識した、念頭においた日本の国防力、安全保障体制の強化を進める宣言だ。
(2)このニュースを伝えるテレビ映像では、安倍首相のクローズアップ姿の背景にモザイクのようにモスグリーンの自衛隊制服の隊員が並び(合成映像)異様を放っていたが、さらに次のニュースで北朝鮮の金第一書記の党内粛清を伝える画面の金第一書記の背景にやはりモスグリーンの軍服姿の北朝鮮軍幹部の映像が映し出されて、両画面を比較してもまったく違和感もなくどちらがどちらなのかわからない、よく似たともに異様なムードが感じられた。
(3)中国、北朝鮮を意識しての同じ軍拡ステージに乗るかのような挑発的な安倍政権の国防、防衛力強化路線(course of political power to strengthen armament)だ。
まず国家安全保障会議(NSC)を立ち上げて、次に特定秘密保護法を強行成立させて情報統制、独占化を整備しての闇の中で、第3段階で安保戦略と防衛大綱、中期防衛整備計画を具体化策定する手順は、まるで戦前の軍事独裁国家を思わせるような危険な匂いが感じられる。
(4)安保戦略では「国内基盤強化」として「我が国と郷土を愛する心を養う」ことがあえて規定されて、安倍第一次政権時の「美しい国日本」の理念というより観念がここで復活されている。国、郷土を愛する心は普通だが、国内基盤強化のために(政権に都合よく)養うことが安倍政権の目論みだ。
中国を念頭においた安保戦略に「国、郷土愛精神(心を養う)」をことさら強調する姿勢は、戦前の軍事政権によるアジア植民地支配の苦い歴史、経験が思い起こされるものだ。
(5)政治は為政者の政治理念、信条、哲学の実践を目指すものだが、それも国民の理解と協力、支持があってこそのもので、独善、独断では目的を遂行することなど出来ないし、極めて危険な政治判断ということになる。
安倍政権のNSC設立、特定秘密保護法成立から今回の一連の流れは、周到に用意、準備されて為政者の意思、意図を国民の過半数が反対しても何が何でも実現するという、民主主義国家のテーゼ(these)、理念からは異質(heterogeneity)な動きだ。
(6)安倍政権が目指す国防軍化、集団的自衛権の行使容認には国民の過半数が反対(世論調査)を示している。
確かに中国の軍事力、干渉強化、尖閣諸島領有権問題、北朝鮮国内政局不安と日本周辺に国際緊張は高まっているから、ひとり民主主義理念を守ればいいとばかりは言ってもいられないだろうが、いまだに過去のアジア植民地支配、歴史認識問題で中国、韓国首脳との話し合いの方向性も見出せない中で、同じように日本独力の防衛力強化路線を進める(しかもそれが中国、北朝鮮を念頭の)政治姿勢は緊張緩和のプラス思考にはとらえられない。
(7)政治姿勢としてはあまりにインバランス(imbalance)で、国内的に見ても行きすぎているのではないのか。民間外交・交流、国際協調主義、外交、経済協調姿勢のなかで改善を探るべきだ。
(2)このニュースを伝えるテレビ映像では、安倍首相のクローズアップ姿の背景にモザイクのようにモスグリーンの自衛隊制服の隊員が並び(合成映像)異様を放っていたが、さらに次のニュースで北朝鮮の金第一書記の党内粛清を伝える画面の金第一書記の背景にやはりモスグリーンの軍服姿の北朝鮮軍幹部の映像が映し出されて、両画面を比較してもまったく違和感もなくどちらがどちらなのかわからない、よく似たともに異様なムードが感じられた。
(3)中国、北朝鮮を意識しての同じ軍拡ステージに乗るかのような挑発的な安倍政権の国防、防衛力強化路線(course of political power to strengthen armament)だ。
まず国家安全保障会議(NSC)を立ち上げて、次に特定秘密保護法を強行成立させて情報統制、独占化を整備しての闇の中で、第3段階で安保戦略と防衛大綱、中期防衛整備計画を具体化策定する手順は、まるで戦前の軍事独裁国家を思わせるような危険な匂いが感じられる。
(4)安保戦略では「国内基盤強化」として「我が国と郷土を愛する心を養う」ことがあえて規定されて、安倍第一次政権時の「美しい国日本」の理念というより観念がここで復活されている。国、郷土を愛する心は普通だが、国内基盤強化のために(政権に都合よく)養うことが安倍政権の目論みだ。
中国を念頭においた安保戦略に「国、郷土愛精神(心を養う)」をことさら強調する姿勢は、戦前の軍事政権によるアジア植民地支配の苦い歴史、経験が思い起こされるものだ。
(5)政治は為政者の政治理念、信条、哲学の実践を目指すものだが、それも国民の理解と協力、支持があってこそのもので、独善、独断では目的を遂行することなど出来ないし、極めて危険な政治判断ということになる。
安倍政権のNSC設立、特定秘密保護法成立から今回の一連の流れは、周到に用意、準備されて為政者の意思、意図を国民の過半数が反対しても何が何でも実現するという、民主主義国家のテーゼ(these)、理念からは異質(heterogeneity)な動きだ。
(6)安倍政権が目指す国防軍化、集団的自衛権の行使容認には国民の過半数が反対(世論調査)を示している。
確かに中国の軍事力、干渉強化、尖閣諸島領有権問題、北朝鮮国内政局不安と日本周辺に国際緊張は高まっているから、ひとり民主主義理念を守ればいいとばかりは言ってもいられないだろうが、いまだに過去のアジア植民地支配、歴史認識問題で中国、韓国首脳との話し合いの方向性も見出せない中で、同じように日本独力の防衛力強化路線を進める(しかもそれが中国、北朝鮮を念頭の)政治姿勢は緊張緩和のプラス思考にはとらえられない。
(7)政治姿勢としてはあまりにインバランス(imbalance)で、国内的に見ても行きすぎているのではないのか。民間外交・交流、国際協調主義、外交、経済協調姿勢のなかで改善を探るべきだ。