いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

日韓のへだたり。 the gulf between japan and korea

2013-12-09 19:49:59 | 日記
 (1)過去の歴史認識を当事国同士が共有することは極めてむずかしい。お互いに「過去」の自国の不利益を「現在」が認めようとしないし、現実に歴史当事者でない国民が多くなっている中で実感、実証としてとらえることなどできない歴史事実について、容易に認めることなど無責任だからだ。

 韓国政府が旧日本軍によるアジア植民地支配における従軍慰安婦問題で、日本に謝罪と責任を強く求めて首脳同士の交流、会談を拒否している。

 (2)日本は第2次世界大戦前の軍事政権時代に現在の朝鮮半島、中国大陸に進攻し、第2政府を樹立して植民地支配をしたことは歴史的事実であり、当時のアジア地域住民に多大の犠牲、迷惑を与えたことは容易に想像、理解はできる。

 戦後の敗戦国日本は、戦争責任を問われる中で被害国への加害責任を包括的に政治的解決されてきたこともある。

 (3)現在の韓国政府の求める日本の歴史認識問題の謝罪と責任に対しては、①日本政府はこの包括的な政治的解決を受けてすでに解決済みとの立場を主張しているし、②当時のアジア進攻植民地支配に対しても日本の一部からは世界の経済制裁に対する生き残りのためのやむを得ない戦略だったとの認識も聞かれることもあり、③最近でも慰安婦問題での橋下発言に見られるように戦争がもたらす非人道性の日常化、正当化必要論の配慮を欠いた主張もある。
④米国ではいまだに日本への原爆投下を戦争終結を早めたとの正当化、是認する声は過半数を占めている。⑤その後日本は唯一の被爆国として非核三原則をテーゼとしている。

 (4)それぞれが本質論、大局観に立たずに自己利益都合(ないしは自己擁護)の側面思考から見た主張を展開して、問題の本質を遠ざけているばかりだ。当然のようにアジア被害国からは日本の植民地支配責任を問う声は大きい。

 時代の経過時間が大きくなればなるほど、歴史のあいまいさ、自己利益都合の解釈も大きくなることは避けられない。
 韓国の立場をおもんばかれば、そういうことを危惧しての韓国政府、とりわけ朴クネ大統領の歴史認識問題の日本への謝罪と責任を求める強硬姿勢でもあるのだろう。

 (5)しかし、両国政府の立場、主張には対極の隔(へだ)たり(the gulf between japan and korea)がある。
 ドイツはかってのヒットラー政権のヨーロッパ軍事侵攻が及ぼした犠牲、被害について、後年になって同大統領がその責任を認めたことがある。ドイツは第2次世界大戦後の米ソ冷戦時代に両大国のはざまで東西ドイツに分離されて、同胞同士の多くの住民が犠牲になって過酷な時代も経験している。
 そういう経験が言わしめた勇気ある決断ではないのか。

 (6)日本も第2次世界大戦では唯一の被爆国となった。自己擁護が錯綜する複雑な戦争責任論とは別にして、国民の犠牲に対しては真摯でなければならない。
 そういう観点から歴史認識問題の「現在」の話し合い、解決に取り組むべきだ。

 

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