いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

政変2幕。 double act play of a political change

2013-12-10 19:46:10 | 日記
 (1)北朝鮮と日本で同時期に起きた政変劇(double act play of a political change)だ。
 ①北朝鮮は内部情報、事情が不透明だからよくわからないが、若く経験の浅い指導者金第一書記の後見役で親戚関係にある張国防副委員長が朝鮮労働党会議の場から連行(ニュース画像)されて党から除名されることが決定(報道)した。

 例えは適切ではないが韓国歴史ドラマで見る絶対王制下での懲罰劇(歴史ドラマではほとんどが犠牲者が策略にはまるケースが多いが)をまるで地で行くような連行画像だった。

 ②北朝鮮の絶対権力者を支える構図式(composition style)からみて、誰かひとりが突出して権力を奪うことなど考えも想像もつかないから、金第一書記権力ヒエラルキー(hierarchy)を支える一勢力による張氏の追い落とし工作に走ったというところか。
 絶対権力者の絶対政策がらみよりは政局異変といえるだろう。権力構図の世代間格差、闘争の一面もあるのではないのか。

 昨年は北朝鮮は国際世論に抗して人工衛星と称して弾道弾ミサイル発射そして核実験を連続して強行して、軍部の影響力が強まっていたとみられていた。

 ③さすがに後ろ盾の中国の反感を買って今年はおとなしく推移していたが、その不満が軍事力発揚に消極的で経済効果優先といわれていた(報道)張氏追い落としへ向かったのではないのかと思える。
 韓国歴史ドラマのように「何でもあり」の北朝鮮権力構図だ。

 (2)一方の日本では、「みんなの党」から江田前幹事長をはじめ14人が渡辺代表に離党届を提出した。すでに渡辺代表と江田前幹事長は役職同士時代から政界再編に向けての方向性の違いが鮮明になって、江田さんは幹事長職を解かれてしかし党内には残って反目を繰り広げる不自然な状態が続いていた。

 ②渡辺代表(父親は自民党の元閣僚で派閥代表)は安倍第一次政権の閣僚でもあり、今回の特定秘密保護法案では積極的に修正協議に応じて法案成立の補完勢力の立場を鮮明にして、野党再編を目指す江田さん(佐藤元首相の秘書官)とは相容れない党内立場にあった。

 12月は来年の政党助成金の支給対象となる最終月ということもあり、同士を募(つの)っての離党、新党結成となった。

 ③ともに古い自民党の政治スタイルの中に身を置きながら、しかし「世代間格差」が政治思想、理念、手法として党運営に反映した結果の破局、党分裂といえそうだ。
 江田さんは渡辺代表に対して「政策よりは政局で迷走した」(報道)と批判し、渡辺代表は江田さんに「1年生議員にマインドコントロールを行い離党に至るのは異常だ」(同)と批判する。表現的にも何やら北朝鮮政変劇を見るようなおぞましさだ。

 ④みんなの党を離党した14人は江田さん(神奈川選挙区)を除く13人はすべて比例代表での当選で、渡辺代表はこれらに党への議席返上(議員辞職)を求めている。
 渡辺代表が離党する比例代表選出の議員に議席返上(辞職)を求めるのは、国民が政党名(個人名記入も可能)を記入して投票する選挙制度がある。

 みんなの党所属で国民の支持を受け当選した以上、離党する(leave a party)からには国民支持、当選の前提条件がくつがえされる背信行為だというものだ。

 ⑤選挙制度上はそうしなければならない規定はなく、過去の離党劇でも指摘はされても議員活動を続けることがほとんどだ。
 離党議員からすれば、政党こそが選挙時の国民の期待に反してその役割、理念を放棄しているものだからと言うのだろうし、建前論でしかない。
 どちらにせよ、一緒に選挙を闘った政党の党内不融和、分裂は国民の期待、支持を裏切る背信行為であることには変わりはない。

 ⑥建前論でなく、これからの政党、議員活動で「原点」に帰っての国と国民への政治的貢献が果たさなければ、国民から見放されることになるだけだ。
 民主主義日本には、北朝鮮にはない「国民基準力」がまだ存在するのは事実だが、今回の臨時国会での安倍政権の政治手法はそれに無謀にも挑戦するものだ。

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