いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

漂流する年金。 drifting the annuity

2013-12-21 14:11:39 | 日記
 (1)安倍第一次政権末期に民主党の長妻議員の調査、指摘で社会問題化した年金記録漏れ、データ誤記入などによる年金消滅(disappear the annuity)問題は、その後の民主党政権を経て安倍第二次政権の現在でもいまだに不明年金(5095万件)のうち「40%(2112万件)」が誰のものかわからずに「宙に浮いたまま(hanging in the air)」の状態(厚労省社会保障審議会報告)であることがわかった。

 かけがいのない将来生活設計保障、共助精神性の国民負担をムダにする膨大な数字に驚くとともに、取り返しのつかない当時の厚労省、社会保険庁(事務所)の無能ぶり、無責任さ、使命感のなさをただ実感するばかりだ。

 (2)第一次政権当時の安倍首相は、「私なら年度内で全員解明する。最後の一人まで解決する。」(本人談趣旨)と大言してみせたものだが、即座に首相を辞任して大言約束を果たさないまま冒頭のような現在に至っている。

 現在の安倍首相からは年金記録問題(解決)への言及はまったく聞かれずに、その社会保障、年金問題は2段階の受給減額は先行しても本格的な取り組みは先送りしたままだ。

 (3)政府のわかりにくい社会保障制度の仕組みへの負い目もあってか、過去に勤務経験のある主婦の国民年金保険料支払いが途切れて年金が受給できない事態の問題では、たとえば30年間保険料不払いのところを10年間分の負担で相殺するというようなあきれた対応措置を打ち出して実施して社会批判を浴びて取り消すなど、まったく社会保障政策理念の欠如、不平等、不公平ははなはだしいものがある。

 それではコンプライアンス(compliance)精神のもとに工面しながらも真面目に国民年金保険料を支払い続けてきた善良な国民の善意、義務をどう評価しこれに応えようとするものなのか、比較考察力もない政府機関でこれからの社会保障制度、体制の不安ばかりが募(つの)ることになる。

 (4)少子高年令化社会の到来は、戦後団塊世代の出現、その後の核家族化社会と続いて十分に予測できたことであり、社会保障制度の財源問題は医療とあわせてすでに長期的、計画的、総合的対策が取られてこなければならなかったが、団塊世代の負担財源、社会労働力の潤沢にまかせて無策に過ぎた結果の社会現象(少子高年令化)にかこつけた政府の抑制策、延長策、先送り策で再び団塊世代に負荷を押し付ける緊急避難に追われているだけだ。

 (5)国民投資、負担により強制義務的に支払うだけ支払って、相応、等価の年金が受給できない国民が存在することは、仮に「最後の一人まで解決」できないとすれば、その分(年金不明「40%」の推定積算分)を国民に還元(reduction)すべき方策、方法論を考えるべきだ。
 ただの搾取社会ではダメだ。

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