燃費向上と石油枯渇時代。 efficient cost of fuel and oilless era

　(1)長引く経済不況時代には日本のリッター当たり２０キロ台の燃費向上（efficient cost of fuel）軽自動車が人気を集めて、自動車文化社会の米国でも大型車に代わって売れた。
　日本車の攻勢で大型車主流の米国の自動車基幹産業のGM、フォード、クライスラーが一時経営大打撃を受けて、米国国内経済にも影響を与えた。

　経済不況時代は米国でも燃費向上車優先が主流で、トヨタのハイブリッド車（HV）はガソリンと電力の切り替え効率で高い燃費性（３７キロ/リッター）を実現して先端的な日本の技術開発力が世界戦略の中心車となった。

　(2)その後米国ではシェールガス革命でエネルギー社会に余裕が出て再び大型車志向に回帰しているが、日本ではガソリン車だけで各社リッター当たり３０キロ台の軽自動車、四輪車の燃費向上、開発が進んで、新興国市場などの海外戦略を展開している。

　日本ではハイブリッド技術開発に続いて、エンジン構造改善の技術開発で高い燃費性による新エンジンの自動車製造を実現している。

　(3)自動車の燃費性の高さは、長引く世界的経済不況の中で燃費節約による経済効率性（efficient）が強く求められた結果のものであったが、ハイブリッド車、電気自動車（EV）の開発実用化とあわせて環境時代への適合をも見据えたものだ。

　(4)最近はあまり言われなくなったが、天然資源である「石油の枯渇（oilles）」問題が一時石油に大きく依存する社会構造への警鐘課題として注目を集めたことがある。
　米国が中東、アフリカに深く関与し続けるのは社会の基盤となる石油資源の供給確保が前提戦略にある。

　その米国では今、シェールガス発見発掘によりエネルギー社会戦略に新展開のあかるい展望をみせている。

　(5)自動車の格段の燃費向上開発には、未来の天然資源である石油の枯渇問題が前提として考えられる。
　日本では若者の自動車離れが進んでいるが、中国、インドをはじめ人口過密国、地域の新興国市場への自動車販売が新しい経済戦略になっており、反動としての石油枯渇問題は再びクローズアップされるだろう。

　(6)人口過密新興国、地域での深刻な環境汚染問題を含めて、未来の石油枯渇、環境に適合した電気自動車、ハイブリッド車に続くガソリンに極度に依存しない自動車新技術開発が求められている。

　水素エネルギー、バッテリーを原動力とする自動車の開発やまったく新しい発想のガソリンに依存しない未来型自動車（あるいは移動手段ツール）の開発が必要な「石油枯渇」未来社会だ。