小保方さんと報道に。 to medium of stap cell

　(1)身内の争いの「コップの中の嵐」がどういう化学反応、変化を起こすのかの興味しかないまったく低劣なゴシップになり下がったSTAP細胞論文疑惑問題で、理研が出した「不正論文」の結論に「文章」で反論した小保方晴子さんの再調査の訴えを理研調査委員会は再調査しないことを結論づけた。これはこれで当然の決定だった。

　「再調査」を動かす決定的証拠となる「科学的実存証明」を小保方さん自身が示すことをしない以上、「不正」認定は覆ることはない簡単な化学方程式だからだ。

　(2)自ら論文作成の過程で疑惑と指摘されたものを不正と思っていなかったことを認め、数々の疑惑を「言葉」だけの「単純なミス」で正当化しようという姿勢は、およそ実存証明主義（existentialism）の科学者のものではない。

　理研が身内の調査、検証をすることをこれ以上科学的知識を持っているところはないからとの「ゆゆしきおごり」からのいいかげんさのあらわれであり、もはや「コップの中の嵐」の化学反応など見るにしのびない、見たくもない人間堕落（human corruption）の証しだ。

　(3)メディアの対応はどうか。かゆいところに手の届かないもどかしさと無力感だ。
徹底的な論文検証、情報公開性を声高に唱えるだけで、本質をまったく見据えていない。
　小保方さんが「STAP細胞はあります」とあくまで主張するなら、自身が「実存」を科学的に公にすればすむことであり、それを強く求める、迫る論調はみられないのは何か意味があるのか。

　極端にいえばSTAP細胞の「実存」が証明されれば、それまでの論文疑惑、不正問題など社会、先端的医学分野にとっては取るに足らないことになる。

　(4)STAP細胞問題の本質は論文不正の解明などではなくて、「実存」するかの核心だ。小保方さんのいう「２００例以上はある」以外にどこの研究機関もいまだ「再現」できない現実の中で理研が１年間かけて再現実験に臨む方針だが、結局は身内隠し、情報隠し、わら（STAP細胞）をもつかむ思いの夢を見たい悠長な時間稼ぎ、非生産的な社会常識を逸脱した行動であり、ただ今は小保方さんに「実存」データを示すことだけ強く求めればいいことだ。

　(5)こういう類（たぐい）は法廷闘争に持ち込まれることも多いと聞くが、勝手に身内同士でおやりになったらいいが、それはすでに社会には関心のないことだ。

　小保方さんは理研が再調査をしないことに「絶句」したと弁護士を介して発表しているが、社会をセンセーショナルに煽（あおる）るだけのむなしさであり、小保方さん、あなたの行動パラダイム（paradigm）に「絶句」させられているのは社会の方です。