いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

元海自幕僚長の暴言。 he speaks violently

2014-05-27 19:50:31 | 日記
 (1)タイでは恒例となったタクシン派と反タクシン派の抗争による政情不安を軍部がクーデター(coup d'etat)で介入して、軍事政権を打ち出した。またかというクーデターによる軍事政権だ。
 インラック前首相をはじめ両派の政治関係者を100名以上も軍施設に拘束(報道)して強権支配を一層強めている。

 日本でも70年に三島由紀夫が市ヶ谷の東部方面総監部に自らの私設軍隊の楯の会とともに乗り込んで、2階バルコニーから自衛隊員に決起(クーデター)を促したが相手にされずに自決した事件があった。

 (2)安倍政権は集団的自衛権をテコにして自衛隊の役割、使命の拡大、同盟国の有事の際の海外派遣を目論んでいる。憲法改正で自衛隊を国防軍化することを政治テーマとして考えている。

 集団的自衛権の行使容認は当然のように軍事費削減で苦しい米国からは歓迎されているが、その米国からも安倍首相の靖国参拝に安倍政権の右傾化で中国、韓国との外交対立が激化していることには「失望した」と不快感も聞かれる。

 (3)日本の自衛隊は首相を最高指揮官として防衛大臣のもとに民政主導で組織統率されているが、中のことは国民にはよくわからないことが多い。
 ちょっと前には当時の航空幕僚長(制服組トップ)が政府の方針に面とむかって反対する防衛論文を発表して、これの撤回を拒んでひ免されるという事件も起きて(当人はその後政治に転出して前回の都知事選に立候補落選した)、自衛隊内部で起きていることの様々がよくわからない。

 (4)集団的自衛権の行使容認をめぐって、自民党の関係部会に講師として招かれた元海自幕僚長が「どこかの党(公明党か)が民意、民意と言っているが、外交、防衛は皆さん(自民党)に任せたのです」と述べて「国民にいちいち了解を取ると言わなくても問題ない。世論調査にうんぬんされる必要はない」(報道)と断言してみせた。自民党幹事長は「現場(自衛隊)の気持ちがわかっている」(同)と紹介した。

 もちろん官職を離れれば発言、思想の自由はあり、今は問題はないが、こういう「考え」の人が当時の海自幕僚長に「いた」事実の問題は大きい。

 (5)たかだか多くて国民の50~60%が参加する国政選挙で比較多数の支持を受けたからといって、国政のすべてを全権委任された訳もなく、比較圧倒的多数の選挙不参加、無関心層、無党派層の国民の意思、権利も含めた国民全体の生活、権利を守るための政権維持であるのは民主主義政治の基本だ。

 そんな「国民」に任せられたからあとは好き勝手放題に何でもやっていいという暴言(speak violently)は問題外で、まして選挙公約で国民に約束した以外のことを国民の意思と無関係に政策実行することなど認められるものではない。

 (6)安倍首相そのものも国民世論を問題視しない考えを示したこともあり(その実、比較高い内閣支持率を背景に官邸主導政治を強行しているが)、元海自幕僚長の自民党会合講師として招かれての「(外交、防衛は)国民にいちいち了解を取る必要もない」発言は傍若(ぼうじゃく)で不適切極まりないものだ。

 自衛隊内部に起きていることにも無関心ではいられない。

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