(1)中東やタイのような民衆蜂起(popular insurrection)による国政混乱はもちろん望まないが、日本のような「平和慣れ」もどうかとも思う。
昨年末の特定秘密保護法成立では、国民の過半数が反対(世論調査)しながら与党が衆参絶対多数を占める国会でわずかな審議日程の中で与党の強行採決で決めてしまうという独断専行の安倍政権に対して、連日のように国会周辺に押しかけたのは(失礼だが)ボランティアで動員されたような市民運動デモだ。
連日シュプレヒコールを聞かされた自民党幹事長からは「これもテロ」などと冗談ともつかない揶揄(やゆ)される始末でまったく政治に緊張感もなく、今は安倍首相が意欲を示す集団的自衛権の行使容認に反対する市民団体が昨日参加者が手をつないで国会を包囲するパフォーマンスが行われたが、映像から伝わってくるのは(失礼だが)平日の日中のせいか参加者は高年令化社会を支える人と女性がほとんどで、好天にも恵まれてまるでピクニック気分が漂うアットホームなものだった。
(2)特定秘密保護法と集団的自衛権と聞けば、まるで戦前の全体主義国家に戻ったかのような暗い国民抑圧、戦争に駆り立てる「響き」のある言葉が並ぶ2014年の安倍政権が意欲を示す政治課題だ。
反対の方法論を正しいとは思わないが、1960年の日米安保条約改定の国会は当時の全学連が竹ザオを持って大挙して波状攻撃的に押しかけて警備陣と衝突をくり返して国会内になだれ込む激しい反対行動、運動を起こして死亡者もでた。
しかし、この激しい反対行動、運動も日本では国民的運動(popular movement)までには発展せずに、日米安保条約改定は国会で承認されて学生運動はむなしい挫折を味わって、その後学生運動は過激なセクト争い、内部抗争に終始して自己否定の中で自己消滅をたどっていく。
(3)当時は地方、農業の過保護政策の中で保守層が支持を拡げて自民党長期独裁政権が既得権益政治、金権、密室政治で国政、国会を牛耳っていたから、過激な反対運動はかえって国民から浮いた存在として国民的運動にはなり得なかった時代だ。
それをようやく打破するのは09年の民主党による本格的政権交代までかかった(その民主党政権も3年半で自己否定、自己消滅で消える道をたどる)。
現在の安倍政権は重要政治課題、政策には国民の過半数が反対しながら、経済金融政策による経済、景気回復基調一点において高い内閣、自民党支持率を受ける変則政治の中にある。
(4)安倍首相が意欲を示した特定秘密保護法、集団的自衛権ともに国民の過半数が反対しながら国民的反対運動とはならない自分の生活さえよければいいという小市民的な国民意識だ。
ついでに言うなら、普天間飛行場移設問題も反対運動の盛り上がりは沖縄だけでこちらは国民の過半数が県内移設もやむ得ないというものだ。
考えてみれば実に不可思議な日本国民だ。中東やタイのような民衆蜂起はけっして望まないが、国民の過半数が反対しながら国民的反対運動には発展しない国民性とはどういうものなのか。
(5)島国としての平和慣れと表現されることがあるが、近代的な民主主義、平和主義に根付いた成熟した人間性、国民性のあらわれなのか、平均的な国民教育力の高さからなのか、やはり、世界を相手に無益に戦い(第二次世界大戦)、世界で唯一原爆投下により決定的な敗戦、苦痛を味わったことを(経験せずとも)長く引きずる国民が多くいるせいではないのか。
昨年末の特定秘密保護法成立では、国民の過半数が反対(世論調査)しながら与党が衆参絶対多数を占める国会でわずかな審議日程の中で与党の強行採決で決めてしまうという独断専行の安倍政権に対して、連日のように国会周辺に押しかけたのは(失礼だが)ボランティアで動員されたような市民運動デモだ。
連日シュプレヒコールを聞かされた自民党幹事長からは「これもテロ」などと冗談ともつかない揶揄(やゆ)される始末でまったく政治に緊張感もなく、今は安倍首相が意欲を示す集団的自衛権の行使容認に反対する市民団体が昨日参加者が手をつないで国会を包囲するパフォーマンスが行われたが、映像から伝わってくるのは(失礼だが)平日の日中のせいか参加者は高年令化社会を支える人と女性がほとんどで、好天にも恵まれてまるでピクニック気分が漂うアットホームなものだった。
(2)特定秘密保護法と集団的自衛権と聞けば、まるで戦前の全体主義国家に戻ったかのような暗い国民抑圧、戦争に駆り立てる「響き」のある言葉が並ぶ2014年の安倍政権が意欲を示す政治課題だ。
反対の方法論を正しいとは思わないが、1960年の日米安保条約改定の国会は当時の全学連が竹ザオを持って大挙して波状攻撃的に押しかけて警備陣と衝突をくり返して国会内になだれ込む激しい反対行動、運動を起こして死亡者もでた。
しかし、この激しい反対行動、運動も日本では国民的運動(popular movement)までには発展せずに、日米安保条約改定は国会で承認されて学生運動はむなしい挫折を味わって、その後学生運動は過激なセクト争い、内部抗争に終始して自己否定の中で自己消滅をたどっていく。
(3)当時は地方、農業の過保護政策の中で保守層が支持を拡げて自民党長期独裁政権が既得権益政治、金権、密室政治で国政、国会を牛耳っていたから、過激な反対運動はかえって国民から浮いた存在として国民的運動にはなり得なかった時代だ。
それをようやく打破するのは09年の民主党による本格的政権交代までかかった(その民主党政権も3年半で自己否定、自己消滅で消える道をたどる)。
現在の安倍政権は重要政治課題、政策には国民の過半数が反対しながら、経済金融政策による経済、景気回復基調一点において高い内閣、自民党支持率を受ける変則政治の中にある。
(4)安倍首相が意欲を示した特定秘密保護法、集団的自衛権ともに国民の過半数が反対しながら国民的反対運動とはならない自分の生活さえよければいいという小市民的な国民意識だ。
ついでに言うなら、普天間飛行場移設問題も反対運動の盛り上がりは沖縄だけでこちらは国民の過半数が県内移設もやむ得ないというものだ。
考えてみれば実に不可思議な日本国民だ。中東やタイのような民衆蜂起はけっして望まないが、国民の過半数が反対しながら国民的反対運動には発展しない国民性とはどういうものなのか。
(5)島国としての平和慣れと表現されることがあるが、近代的な民主主義、平和主義に根付いた成熟した人間性、国民性のあらわれなのか、平均的な国民教育力の高さからなのか、やはり、世界を相手に無益に戦い(第二次世界大戦)、世界で唯一原爆投下により決定的な敗戦、苦痛を味わったことを(経験せずとも)長く引きずる国民が多くいるせいではないのか。