いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

首相配下の自衛隊。 the self defense forces under the premier command

2014-05-21 19:52:52 | 日記
 (1)安倍内閣を「あべこべ内閣」と書いたが、憲法改正して取り組むべき集団的自衛権を憲法解釈変更で行使容認を目指し、与党協議の上、閣議決定しておいて方向性を決めて国会論戦、そのうち国民に信を問うというまったく順序が逆の「あべこべ」内閣だからだ。

 安倍首相は世論調査の国民の意思などそもそも問題にしていない。自衛隊の国連PKO活動参加を例にして、当時は国民が反対したが今では立派に国連平和維持活動に寄与している(趣旨発言)というものだ。

 (2)しかし国連平和維持活動なるものがどういう性質のものなのかよくわからない。国連安保理は米国ほか西側主要国とロシア、中国の利権対立で、まず統一して動くことなどない権利構成で国連が存在感(identity)を示せない元凶だ。

 シリア内戦問題でも、イラン核開発問題でも米国とロシア、中国が対立して解決に向けての国連としての影響力など皆無の国際政治の状態のままだ。そんな国連のPKO活動といっても、結局は米国の覇権主義による世界戦略の一環としての他国、地域介入、調停の肩代わりを日本もさせられているだけではないのか。
 
 平和憲法を持ち、唯一の戦争被ばく国の日本としての役割、使命は、国連安保理の常任理事国入りで世界平和に向けて政治メッセージを発信することの方が優先されるべきことだ。ここでも「あべこべ」内閣だ。

 (3)集団的自衛権の行使容認で、政府は武力攻撃に至らないが日本の主権が侵害される恐れのある(たとえば国籍不明の潜水艦の領域侵入など)「グレーゾーン事態」に対して、首相判断で自衛隊を出動できるように制度改正を検討(報道)している。

 名目は迅速な対応で国の安全を守る必要性だが、この理念が全面に出れば集団的自衛権行使で「歯止め」がなくなることを意味するもので、いよいよ安倍内閣の目論みが見えてきて、その度合いと同じく紛争にかかわらずとも他国と戦争状態に突入する危険度も増えることになるものだ。

 (4)「首相配下の自衛隊(the self defense forces under the premier command)」などフィクションの世界に願い下げしてもらいたいものだ。
 そうこう好き勝手なことをやっていられるのは、不思議な内閣、与党支持率の比較高さ、野党の低迷のせいだ。

 それを支えるのは安倍首相にも完全に足元を見られた自分の生活さえよければいいという「小市民的国民(the petite bourgeoisie)」意識だ。
 野党の存在感のなさはひどいものだ。与党協議、閣議決定優先のやりたい放題の「間」に割って入ることすら出来ずに、犬の遠吠え状態というなさけなさだ。

 (5)71連敗(今も更新中)と連盟新記録を達成した東大硬式野球部は、東京六大学野球連盟に加入する時に二つの条件をつけた。ひとつは「絶対に脱退しない」と、もうひとつ「いつか一回は優勝する」(報道)というものだ。さすが東大だ、肝がすわって根性が見られる。

 今の野党にこそ必要な肝、根性ではないか。もはや横暴(tyranny)安倍内閣に対抗するのは野党再編、一致協力しかない。
 理念、政策が180度違うものは別にしても、そうでないものは「絶対に脱退(離党)しない」と「いつか一回は優勝(政権奪取)する」条件(誓い)のもとに一致協力して安倍内閣の政治暴走に挑むべき時だ。

 (6)「野党を入れて国会で審議してほしい」、「野党との協議もていねいにやってほしい」(野党幹部談)などと泣き言を言っている場合ではない。

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