いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

いつか来た日本バッシング。 japan bashing of the other day

2015-09-04 19:55:05 | 日記
 (1)来年11月の米国大統領選に向けて共和党候補者指名争いで現在最も高い支持率のトランプさんが集会で「日本が攻撃されたら我々は直ちに助けに行かなければならない(安保条約)が、米国が攻撃されても日本は我々を助ける必要はない」(報道)と不公平感(unfairness)をあらわにしている。

 トランプさんが日本の平和憲法を知らないはずは多分ないので、知ったうえでの「政治的」(political)発言だろう。しかし我々日本国民の多くは米国憲法(憲章)をほとんど知らないように米国民の多くは日本の憲法などほとんど知らないはずだから、大統領候補で保守的発言で注目を集めて高い支持を受けているトランプさんの発言だから、影響力は大きい。

 (2)これに対して日本としてはどう対応したらいいのだろうか。筋論(reasonableness)は日本は憲法第9条で国際紛争を解決する手段としての戦力を保持せずに交戦権を有しないのだから、米国が攻撃されても助けることはできないとなる。

 そのために日米安保条約で日本に米軍基地を提供して、日米軍事同盟で日本の安全保障体制を敷いているとなる。日本への攻撃でそれを助けようとする米軍が攻撃されれば、日本は個別的自衛権(separative self defense)を行使して米軍を助けることは可能だが、日本が攻撃されてもいないのに米軍が攻撃されたからといってそこまで出かけて日本が米軍を助けることなどできない。

 (3)トランプさんが多分事情を知っていながら無理な話をしているのは「政治的」な意味合いの発言なのだろうが、安倍首相が成立を目指す安保法制案も違憲でありながら憲法解釈の変更で集団的自衛権(collective self defense)を行使してそれが日本の存立危機事態と解釈すれば、米軍が攻撃された地域に出向いて同盟国として戦争に加わるというのは極めて「政治的」事情を優先したものだ。

 だから日本の安全保障は安保法制案の違憲を主張する憲法学者ではなく、政治(政治家)の仕事だと安倍首相は強弁してみせているのだ。

 (4)保守的な共和党政権は従来から日本との関係はリベラルな民主党政権よりは良好な関係を保ってきたが、より保守的な立場のトランプさんは大統領選をにらんでオバマ現政権を批判する選挙戦術としてG7メンバーでGDP世界第3位の同盟国日本に対する不公平感を象徴的に強調している。

 日本国内では沖縄への米軍基地の集中、地位協定による治外法権化問題が不公平感として政治問題化しているが、同様に米国内では安保条約による日本に対する米国の一方的な責任、安全保障のインバランス(imbalance)がことあるごとに主張されてきた。

 (5)両国の憲法(憲章)同様に両国民にとっては相手国の国内事情などよく理解せずに、自国の事情、利益だけで都合よく解釈するのは致し方のないところもある。
 米国、米軍による安保条約での日本側の不公平感もよく理解してもらうことが大事だが、日本政府は米国追随外交でそうしない。

 仮に安保法制案に関心のある米国民は同盟国として当然のこととして理解、歓迎して、日本国内での反対運動を理解できないだろう。日本国内での反対運動が大きくなればなるほど、日本に対する印象(好感度)を悪くするに違いない。

 (6)トランプさんが代表する米国の日本バッシング(japan bashing of the other day)に安倍首相が同調(安保法制案の成立)するようでは情けない。

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