いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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麻生財務相の物言い。 protestation of minister asou of financial

2015-09-12 19:58:25 | 日記
 (1)安倍政権の麻生副総理兼財務相は閣内での存在感(win recognition)がない割には時折の問題発言で話題になる特異な(singularity)存在だ。
 財務相といえば1000兆円を超す累積国家財政赤字で財政健全化が避けて通れない国家財政の責任者できめの細かい政策立案が求められる立場にあるが、麻生財務相はその対極にあるような人物に見える。

 (2)12年末に安倍政権が誕生して、日銀による従来の2倍のカネを市場に供給する大胆な金融緩和策を主導したのはアベノミクスで、日銀黒田総裁の15年物価目標2%達成が注目されて、その後円安株高効果を生んで企業の業績回復、賃上げに結び付けて経済回復基調が一時安倍内閣の比較高い(40%台)支持率の維持につながった。

 (3)この間、麻生財務相の出番はほとんどなく、登場するのは世界の財務相、中央銀行会議に出席するためにハットに長いコートのオールドファッションで決めた空港ロビーでの姿が印象に残る程度だった。

 安倍首相とは遠い親戚関係にあたるそうで、安倍首相としては麻生さんのはっきりとした物言い(protestation)が味方にもなることがある使い勝手のいい存在なのだろう。

 (4)その麻生財務相が推進するのが17年4月の消費税10%引き上げに、その際与党公明党が強く要求している軽減税率の導入だ。
 財務相として税収入を増やして財政健全化をはかりたい麻生さんは、15年10月消費税10%引き上げにこだわっていたし、自民党ともども軽減税率の導入には消極的な立場であった。

 (5)しかし、消費税10%引き上げは貿易収支の連続赤字にマイナス経済成長率が続き、安倍首相が17年4月に先延ばしを判断し、軽減税率の導入も与党公明党の強い意向に沿って導入を検討することになった。

 今回財務省が与党に提示したのは、レジ支払いの軽減税率の適用ではなく、一旦消費税10%支払いの後にマイナンバーを活用して増税分2%の還付金制度だ。

 (6)支払いにはマイナンバーカードが必要であり、そのカードは任意申請で全員配布対象ではなくスーパーなどでの買い物ではクレジット、ポイントカードなどいくつかの種類のカード提出の煩雑さが指摘されているが、当の麻生財務相は「(任意のマイナンバー)カードを持って行きたくなければ、持って行かないでよい。その分減税はない」(報道)と突き放す発言だ。

 (7)さらに公明党や自民党内からも支払い時の消費者の「痛税感」が緩和されないこと、パソコン、スマートフォンを使った還付金方式では手続き負担の大きい消費者層もあるなど不評、批判があることに「(財務省案に)けちをつけるなら代替案を出さなきゃ。代案を出してもらったらそれで良い」(報道)と無責任な発言となった。

 (8)任意申請のマイナンバーカードを活用することや事業者のマイナンバーカード読み取り機の設置負担増、還付金の上限を根拠に乏しい4千円とするなど制度設計の不十分さが際立っている財務省の提案だ。

 還付金制度設計の不十分さへの不評、批判に対する麻生財務相の荒い発言の乱暴さ、無責任さをみるにつけ、これでは国家財政がもつのかの不安、不信は大きい。
 

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