いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

沖縄の熱くクールな闘い。 hot and cool battle of okinawa

2015-09-14 19:34:57 | 日記
 (1)普天間飛行場の周辺住民の危険回避のため日米両政府合意のもとに辺野古移設が唯一の解決策とする安倍政権とこれを絶対阻止するとして当選した翁長沖縄県知事側がいくら話し合っても結論など出るはずもなく、政府が進める辺野古沖埋め立て準備の工事を1か月中断して政府と沖縄県が対応を話し合った集中協議が決裂して、再び政府は同工事を再開した。

 沖縄県側は工事中断を長引かせるために集中協議、話し合いの継続を求めたが、政府側は「延期し始めると何か答えが出るまで延期しなければいけなくなる」(報道)と沖縄県側の目論みを打ち砕く形で早々の同工事再開を決定した。

 (2)これに対して翁長知事は「あらゆる手法を駆使して辺野古に新基地を造らせない」(報道)と知事権限で前知事の埋め立て許認可の取り消しの手続き開始を本日表明して、これを無効とする政府と沖縄県との訴訟対決の公算が現実的となってきた。

 仮に訴訟となった場合に最高裁判断までいくとしてかなり長期の法廷闘争が見込まれ、この間の同工事はどうするのか判断がわかれるところだ。

 (3)政府としては前知事の埋め立て許認可にもとづく同工事の正当性(justify)を主張して、翁長現知事の許認可取り消しの無効を訴えて同工事を継続することが予想されて、これに翁長現知事側が前知事の許認可段階での「瑕疵(かし)」をどれだけ証拠にもとづいて立証できるのかが焦点だ。

 沖縄県では辺野古移設反対運動は、前民主党政権時代の鳩山首相の発言撤回による辺野古移設容認に対する全県あげての圧倒的な反対運動のうねり、熱がもうひとつ伝わってこないのは不思議だ。

 (4)翁長知事の政府との対話対応、前知事の許認可取り消しへの表明の行方を見守っているかのような「大人」の対応が今のところ見受けられるが、沖縄に米軍基地の70%以上が集中して過度の負担を押しつけられている不公平に対して、やはり県民あげての反対運動の姿勢を示すことは大事だ。

 辺野古移設計画先の米軍キャンプシュワブ正門前で反対運動中の活動家2名が一時米軍に拘束されて日本の警察権も及ばない沖縄の治外法権化があきらかとなったが、何か不測の事態が起こらないと国民的関心が集まらない不安はあるのが心配だ。

 (5)今は沖縄県民はまだ良心的(cool)で自制心のある姿勢であるように見えるが、同工事が本格化するにつれ政府と沖縄県側の全面対立ということが現実的になるに従って、過激な闘争に発展すれば成田闘争のような悲劇がくり返される恐れもある。
 今回は政府と沖縄県にさらに米軍を巻き込んだ複雑な対立構図となる。

 (6)沖縄県では辺野古移設の是非を問う県民投票実施も考え(報道)られているようだが、日本の防衛、安保法制案、沖縄負担集中などの日本国民の安全と権利保障にかかわる沖縄の課題をかかえる問題なだけに、日本国民全体で考える国民投票でなければ意味も意義もない。

 政府も辺野古移設の必要性を唯一のものと主張するだけでなく、そうなら国民に訴えてその正当性を証明して理解を得るべきだ。

 

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