いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

日本国債(経済)の格下げ。 it falls in rank of a national debt(or economy)of japan

2015-09-17 19:42:43 | 日記
 (1)黒田日銀総裁がデフレ脱却の目標とした15年物価上昇2%達成は16年中に先送りしながら国内経済回復には自信を示しているが、自ら目標として言明した物価目標達成の先送りの前例もありほとんど信用性(credibility)のない「強がり」のポーズでしかない気配だ。

 一時の円安株高効果による企業業績の回復はみられるが、その結果としての賃上げ効果も物価高騰が上回る逆転現象で肝心の消費者動向が上向かずに国民の景気回復感はみられない。
 一時は2万円台にあった株価も中国経済の減速、米国の利上げ時期を巡って反動を受けて1万7千~8千円台に急落して、実体経済のともなわない信用取引きの株価(株高)経済で好調を演出してきた安倍政権の経済政策、アベノミクスもテコ入れが必要な段階を迎えている。

 (2)政府は年金基金による株投資を行っているがきめの細かい慎重な対応、対策が求められている。来年度予算の概算要求も20年財政健全化の目標はあっても、2年連続の100兆円を超える大型予算要求となってこれまで1000兆円を超える累積国家財政赤字への不安は解消されないままだ。

 海外の主要の国債格付け会社が軒並み日本の国債を格下げし(it falls in rank of a national debt of japan)、米格付け会社は日本の国債「AAマイナス」をさらにワンランク格下げして初めて「Aプラス」(報道)とした。
 経済減速が懸念される中国、韓国(AAマイナス)よりも格下げされた。たかだか民間の格付け会社の評価ということもできるが(政府はかってそういう考えを述べ不満を示したこともある)、国際社会、金融市場は敏感に反応するし、評価は定着するものだ。

 (3)日本の経済事情、環境は米国格付け会社が評価データとして示した「日本の国民1人当たりの平均所得が減少し、日本経済がデフレから脱却できずに、巨額の財政赤字も考慮した」(報道)と判断されて、外国からの投資に影響して国際政治、社会からの財政改善要請が高まり、国内事情だけでは経済政策、運営を推進することもできない圧力もある。

 日本の国債は日銀の大胆な金融緩和策で日銀が大量に国債を購入して95%程度が国内でまかなわれており、国債の格下げによる価格暴落によっても影響は限定的なものとみられており、上述のような政府(官房長官)の格下げ不満の見方につながっている。

 (4)日本の国家財政は1000兆円を超える累積赤字で先進国の中でも突出した借金財政であり、財政健全化対策が急務となっている。
 09年の民主党による本格的な政権交代時には、膨大な累積国家財政赤字は重大な政治課題としてことあるごとに指摘されて政策推進にあたっては財政健全化が重要テーマとなっていた。

 12年末の安倍政権の誕生で日銀による従来の2倍のカネを市場に供給する大胆な金融緩和策で円安株高効果を生んで経済回復基調に向かうと、途端に国家財政の累積赤字問題は聞かれなくなり2年連続の前年度を上回る過去最高の100兆円を超える来年度予算の概算要求だ。

 (5)政府は20年に借金(国債発行)をしなくても政策を実行できる財政健全化(primary balance)を決めているが、実現性には疑問が多い経済指標データの悪化だ。

 17年4月には消費税10%引き上げが決定しているが、これまでの長年にわたる政府の財政健全化への無策、不作為(既得権益、公共投資などのバラマキ予算)のツケを国民投資(税負担)に委ねる結果になったことについて、明確な検証、反省のもとに「いつ」の時代の「どの」国民に「どれだけ」膨大な累積国家財政赤字の負担をお願いするのか、もはや次世代に負担を押し付けてはならないという論議だけでは問題は解決しない。

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