いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

組織詐欺。 systematic imposture

2018-01-12 21:56:02 | 日記
 (1)今年は8日の成人の日にレンタルなどの晴れ着の振袖和服が会場に届かずに、予約した和服レンタル会社とは連絡がとれずに詐欺事件に発展した。被害は数百人、数千万円にのぼるともいわれている。

 詐欺事件もここまできたのかの社会異常さを感じるが、「あり得ないこと」を逆手に取っての「だまし」こそが詐欺の手口であり、今や詐欺の対象は事を選ばないところ、あらゆる事にまできた。

 (2)かっての詐欺手口は個人が個人を「だます」原始的な手口だったが、今や近代的な組織犯罪(systematic imposture)となっている。オレオレ詐欺から役割を分担して多様に巧妙となり、多くの国民を対象として手口、手法を変えながら巨額のカネをだまし取る悪質な犯罪だ。

 組織詐欺化して役割を分担しているので捜査も末端を摘発してもなかなか詐欺組織中枢まで捜査を拡げることができずに、組織詐欺犯罪を壊滅に追い込めないでいる。

 (3)詐欺手口が組織化したのは情報化社会と高年令化社会のブッキングが関係している。スマートフォン、タブレットを活用して連絡網が拡大してつながり、単細胞が組織化して詐欺が一種のゲーム感覚となっている。

 インターネットのゲームは一種の「だまし合い」を楽しむ、出し抜くスリル感が興味、高揚を覚えるところがあり、そういうゲーム感覚の延長線上で「だます」ということが他の犯罪に比べて罪悪感がないという組織詐欺現代病だ。

 (4)そこに高年令化社会で年金の恩恵を受けて個人資産に余裕のある高度経済成長期を支え保険料負担で年金制度を支えてきた高年令層が多いという社会背景がある。
 こうした高年令層がその後のデフレ不況で比較競争の厳しい子ども世代への親の過保護、心情を巧みに利用しての役割分担による劇場芝居型犯罪が特徴だ。劇場芝居型犯罪がゲーム感覚によるものといえる。

 (5)オレオレ詐欺のようにどうしてこんなことで「だまされる」のかという、「あり得ないこと」を逆手に取ってパラドックス(paradox)として本当だと「信用」させる「だまし」のテクニックが組織詐欺の本質だ。

 かってのように個人が個人を「だます」手口であればヒト、モノの対象は限られるが、組織詐欺となればまして対象が何でもありの拡大版時代となれば捜査も一挙に壊滅というわけにもいかずに、ひとつひとつ潰していくしか有効な組織犯罪壊滅の方法論(methodology)はみつからない。

 (6)現代組織詐欺事件はインターネットゲーム感覚のところがあるので、アレがだめならコレでと捜査を出し抜く手口もまた組織詐欺の快感、愉快犯ともいえて、一種のゲームヒーロー感もあるのではないのか。

 今度は社会、捜査側がそれを逆手に取って、こちらも「あり得ない」手法で組織詐欺を追い詰め、壊滅に追い込むことも考えなければならない。
 AIの出番だ。

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