いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

積極的平和主義。 positive pacifism

2018-01-24 19:41:33 | 日記
 (1)積極的平和主義(positive pacifism)というのは、安倍首相の外交理念とされて今通常国会の施政方針演説でも述べられているが、中身はよくわからない。
 述べられたのは、世界の経済成長と気候変動対策両立に貢献、貧困対策など国際社会での強いリーダーシップ、自由貿易の旗手として経済秩序を世界に広げる、中東和平に貢献(演説文報道)というもので、最後の中東和平への貢献以外は積極的平和主義とどう結びつくのかよくわからないものだった。

 (2)安倍政権がやってきたことといえば、安保法制制定による集団的自衛権の行使容認による自衛隊の同盟国米国などとの海外紛争参戦、国連の核兵器禁止条約への不参加、北朝鮮への軍事圧力を強めるトランプ政権との一体化であり国際関係に緊張感を増幅させる政策が目につき、これが積極的平和主義だとすれば力(軍事力)による世界支配ということになり、世界平和の実現性に背く、反する政策ということになる。

 トランプ大統領のイスラエルのエルサレム首都容認に対する国連の撤回決議に日本が賛成したのは、極めてまれな積極的平和主義の事例だった。

 (3)国連の核兵器禁止条約の締結に対してもこの精神、主義が貫かれてこその積極的平和主義であり、唯一の戦争被爆国としての国際政治、社会に対して日本の強いリーダーシップが発揮されるものだ。

 同じ演説の「外交・安全保障」では日米同盟の抑止力の維持を述べており、積極的平和主義との関係が伝わってはこない。
 沖縄は米軍へり事故が相次いで小野寺防衛相もいくらなんでも「多過ぎる」と苦言しているが、一向に改善されることもなく安倍施政演説で「沖縄の方々の気持ちに寄り添い、基地負担の軽減に全力を尽くします」と言われても、前段の日米同盟抑止力の影に隠れて白々しく聞こえるだけだ。

 (4)安倍首相が任期中に解決すると明言する北朝鮮拉致被害者救済は「引き続き最重要課題である拉致問題を解決する」だけで、通常外交では対処できない北朝鮮が相手とはいえ言葉ほどに拉致問題解決への意欲、決意、方策がまるで伝わってこないものだ。
 これも積極的平和主義とは相容れない。

 安倍首相は同演説で「これまで76ケ国、地域を訪問し600回の首脳会談を行い、世界の平和と繁栄に貢献するとともに積極果敢に国益を追求」してきたと実績を強調しているが、世界を地球儀を東西南北に積極的に飛びまわることが積極的平和主義だとすればそれも否定はしないが、積極的平和主義は理念、主義、理想であり米国のエルサレム首都容認撤回に日本が賛成したことが基本理念としていつでも貫かれることが本質論でなければならない。

 (5)政治家の言葉は国内外を問わずに信頼、信用を損なう今日的時代を迎えて真実味を持って伝わってこないだけに、安倍首相の積極的平和主義は言葉の中身、行動の中身がともなわないもので、安倍首相が国会でいくら力説してみせてもこれでは政治への信頼、信用は回復しない。

 施政方針演説は「はじめに」と「おわりに」でともに今年150年を迎える明治維新時代の逸話が引用されて、明治時代への郷愁が強くにじむものだった。日清、日露戦争を経験して海外進出拡大主義が高かった時代観であり、西洋文明とのかかわりが積極的平和主義とはいえないものだった。

 (6)「おわりに」では「50年、100年先の未来を見据えた国づくりを行う。国のかたち、理想の姿を語るのは憲法」と述べて改憲に意欲を示した。
 その通り50年、100年先の積極的平和主義を貫く国づくりの「憲法」でなければならないのだ。

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