いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

コツと見栄えの医学科学。 a knack and a good show of medical science

2018-01-23 19:45:42 | 日記
 (1)iPSよお前もか、というゆゆしき不正が発覚した。京大iPS細胞研究所(山中伸弥所長)の助教が昨年2月に発表した「ヒトのiPS細胞」に関する論文でデータにねつ造、改ざんが17か所(報道)あることが内部から指摘があり、京大が調査し当の助教が「論文の見栄えを良くしたかった」(同)と不正を認めたというものだ。

 研究データのねつ造、改ざんといえば2014年のSTAP細胞論文で発覚し、研究主導した小保方晴子さんが最後まで正当性を主張して、高度で先端的医学科学研究成果に「コツ」(a knack)があるとまで言い張った事件がある。

 (2)簡単な細胞作製手順と当時山中伸弥さん研究のiPS細胞にガン化克服の課題があり、STAP細胞にはそれがないことから注目を集めてiPS細胞研究の山中伸弥さんから小保方さんに共同研究の話も伝えられたものだった。

 ほぼ1年をかけてのSTAP細胞作製実験の結果、いづれも作製できすに存在しないとの結論になったものだが、そこで小保方さんから出たのが作製に「コツ」があるという実証学の先端的科学研究とは対極にある偶然性の主張で、仰天驚かされた。

 (3)当時山中伸弥教授も研究データを記録する実験ノートに一部記載がないことがわかり謝罪したこともあった。もろもろ先端的医学科学研究の不正、誤り体制について考えさせられ、反省もし再出発したはずの日本の先端的科学研究であったが、世界最初のiPS細胞作製でノーベル医学生理学賞を授賞した山中伸弥さんが所長の京大iPS細胞研究所で再び冒頭の研究データねつ造、改ざんが発覚したことは、極めて衝撃的なことだった。

 (4)しかもねつ造、改ざんした助教から研究成果の「見栄え」(a good show)のためとの発言があったことは、高度な先端的医学科学が「コツ」という領域から脱皮していない世俗的なありもしない名誉心、優越感に占められている、縛られている不実を思い知らされることになったのはゆゆしきことだった。

 山中伸弥所長のiPS細胞研究所も報道によると、論文データのチェック体制は実験ノート、元データの提出など厳格なルール化がなされていたといわれる。
 一方で山中伸弥さんが「生命科学は非常に高度化しており、全てのデータを全員の(共同)著者がチェックはできない」(報道ー( )内は本ブログ注)としており、問題は深刻だ。

 (5)しかし今回のデータねつ造、改ざんは内部からの指摘(報道)であり、どこかでは誰かが気がつくものではある。山中伸弥教授(所長)は数多くの研究者などを抱え日夜高度で先端的医学科学研究に取り組んでおり、研究費の捻出にも苦労が伝えられている。

 本人も言及するように研究当事者間でのチェック体制には限界があり第三者の専門的チェック体制が求められるが、ここで先端的科学研究成果の独自性、独立性、秘匿性が事前に外部に情報が流出することにより問題があり、なかなかそうはいかないところに問題があり、研究者個人の倫理観頼りだ。

 (6)本日の紙面は、目を閉じ、口を真一文字に結ぶ山中伸弥教授(所長)の無念の表情だ。

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