いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

東京問題。 tokyo affairs

2020-07-13 20:00:27 | 日記
 (1)東京都の新型コロナ感染者が243人と最多を更新したが、菅官房長官は医療体制がひっ迫していないことを理由に緊急事態宣言を出す状況にはないとしてこれを「東京問題」(tokyo affairs)だとして東京都に対策の責任を押し付けた。

 政府は社会経済活動を再開し経済再生を進めようとしている中で、また緊急事態宣言で休業、停滞に戻したくない意向があって感染者増加の東京都に解決を押し付けたことが考えられる「東京問題」だ。

 (2)日本の政治、経済、社会は「東京問題」であり、東京一極集中に経済効果集中、官邸主導政治集中、築地から豊洲市場移転が社会問題では「東京問題」であり、ことさら菅官房長官から新型コロナ感染増加を「東京問題」としていわれることがわからない。

 東京都の感染者増加を政府として東京都と協力して押さえて全国的拡大、2次感染を防ぐことが対策であり、「東京問題」ではなく「日本問題」だ。

 (3)「東京問題」は小池都知事が今回の都知事選で366万票獲得で再選されて政治力を復活させたことだ。菅官房長官としては小池都知事と自民党二階幹事長が近いことから、将来小池都知事が自民党に復帰して政治勢力となることを警戒しての「東京問題」が考えられる。

 今話題となっている「東京問題」は政局がらみのものであり、東京一極集中、経済効果集中、官邸主導政治集中から解き放たれる「東京問題」が解決されなければ「日本問題」の解決にはならない。

 (4)政府が掲げる骨太の方針による行政デジタル化、テレワーク数値目標による推進は東京一極集中、地方過疎化の解消につながる効果の期待はあるが、パラドックス(paradox)として「東京問題」に回帰するもので根本問題解決にはならない。

 全国新幹線網、高速道路網整備は東京と地方をより短時間で結ぶ経済効果はあったが、地方の土地価格高騰を招いて利権投資の対象となり東京一極集中、地方過疎化を加速させる反比例となった。

 (5)リニア中央新幹線は東京、名古屋、大阪を経済、文化、社会をひとつの圏域にするもので、名古屋は独自(トヨタ経済圏)の強い中小企業群製造業経済が東京圏に吸収され埋没する不安、懸念が指摘されて、大阪は都構想が今年秋には再び住民投票が実施されて東京に対峙する社会、文化、経済圏を目指しており、思惑は一致していない。

 (6)狭い日本で「東京問題」から抜け出せない政治、経済、社会構想のスケールの小ささだ。

 

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