いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

頭の中の生命とモノ論。 life in the brain and a matter theory

2020-07-30 20:30:24 | 日記
 (1)医師が「安楽死を推奨するコメントをSNSに投稿。著書まで出していた」(報道)と以前男が若い自死願望者をSNSで誘い、死亡させていた事件を思い浮かべるが、今回は人の命を救うべき医師の勧誘無差別の仕業だ。

 障害者施設入居者の元従業員による無差別殺人の人間不要論選別と同じおぞましい勧誘型自己陶酔、満足感の勘違いもはなはだしい不条理性だ。

 (2)山中伸弥京大教授はiPS細胞研究開発で世界の難病に苦しむ人たちに生きる治療、勇気、生命を与えたいと実用化に向けて研究開発を進めているが、これが医学、医療にかかわる人たちの姿勢、姿であり、思いであるはずだ。

 しかし一方では医学界、病院で難病に苦しむ人に自ら延命治療の中止を判断、決断させてそれにもとづいて治療を放棄して死に至らせる事例が起きたが、医師の独自の判断で実行されその後迷いのある患者の意思も確認せずに進められて、それがその後学会でも患者に自己判断させる方針が追認されるという学会のあたらしい指針がみられる。

 (3)安楽死は世界的な法律、医学、社会倫理の問題として長く議論の対象とされてきて、安楽死を認める国もある。長寿社会、高年令化社会を迎えて医学技術、研究開発の向上、高度化の中で、人間の「死」をどう選ぶのか、迎えるのか議論は必要だが、医師の役割、使命はあらゆる人間の生命、健康を維持し、回復に向けて精進、尽くすことであり、山中伸弥教授研究を代表する医学正論主義もあれば最近は学会を含めて患者終末期の終わらせ方に一定の理解を示す方法論(methodology)が大きくなって、社会は人間不要論の選別、SNSを使った勧誘型終末期の終わらせ方が出てきて、人間の命の重み、尊厳が根底から損なわれる事態を招いている。

 (4)SNS勧誘の情報化社会の利用は方法論にすぎずに、政治の退廃、堕落、経済優先偏重主義、医学技術の進歩、高度化、優越感が儒教思想からの社会思想、哲学、倫理観の思想的、思索的構造社会の価値観を問題にしない社会偏向性を生んでいる。

 当該医師が担当する患者でもない無差別に勧誘して、医療技術で死に至らしめるなどとは、安楽死問題とは無関係の「人間の生命」が頭の中の思想、哲学の生命(life in the brain)からモノ(a matter)に代わった時代、社会の危険性を感じるものだ。

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