いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

投票の義務化。 duty principle of a vote

2020-07-29 20:18:19 | 日記
 (1)自民党の石破茂議員が「投票は義務にすべきだ」(報道)と述べた。講演の話で前後の文脈の流れもわからず一概には言えないが、国民主権、議会制民主主義国家の日本としては投票(vote)は国の進む道それを支える議員、その中から政治指導者の首相を直接ではないが選ぶ国民の権利である。

 (2)ところが国民の間で政治無関心層が増えて国政であれ地方政であれ投票率の低下が進んで、2~3割程度の投票率で選挙の行方が決まるという極端な例もあり、選挙が国民、有権者の意思、意向を反映しているとはいえない深刻な政治状況が進んでいる。

 結果、一部の特定利益代表としての議員を輩出して偏向した政治、政策、方針が支配する、まかり通るという不測の政治状況が常態化している。

 (3)石破議員は現在の政治状況を勘案しての投票の義務化(duty priciple of a vote)発言でもあるのだろうが、石破議員に限ってみれば世論調査での次期首相としてふさわしい人物として安倍首相ほか議員を押えて1位を維持していることから、国民の大多数、多くが投票すれば石破議員、支持勢力に有利に働くとの思惑もあるのだろう。

 (4)確かに国民の義務として納税義務があるが、国の財政、予算の財源として必要なものであり、しかしその使途、目的、方法は国民に選ばれた政府、政権の判断、裁量、意図で決まり、国民が納税、税負担投資をしたからといって国民すべてが希望する恩恵を受けることはなく、それなら選挙の投票で自らの考え、思想、信条に近い議員を選んで国会に送りできるだけ税負担投資に見合った恩恵を受けられるようにするのは理論的であり、そのために国民、有権者は選挙で投票し決定権を行使することは大きな意味があり公平、公正、平等の原則から投票の義務化は考えられる理論だ。

 (5)投票率低下の要因でもある政治無関心がどこからきているのか、政治の特定利益誘導、腐敗、堕落、不正であり、それを許すのも前述のように投票率低下による特定支持層の政権、議員の偏向した特定利益、思想、権力の独占、集中化であり、だから投票率を上げて国民、有権者の意思、意向が公平、公正、平等に反映しなければ解決できないというジレンマの投票の義務化論でもある。

 (6)しかし自由主義、民主主義は個人の自由、自主、自立を尊重することが基本であり、できる限り強制を排除して個人の意思、判断、行動にゆだねることが基本的考え方であり、投票する候補者が見当たらない、投票しない権利もあり、国民の意思決定権(投票)まで義務化、強制されることは自由、自主、自立を大きく拘束するもので、自由主義、民主主義の理念からは外れている。

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