サブカルチャーマシンガン

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LOSTAGE「In Dreams」全曲レビューその4「ポケットの中で」

2017-10-15 | LOSTAGE「In Dreams」全曲レビュー











彩りのない朝を迎え 僕は息をして
痩せた手を握りしめる ポケットの中で












特に何も変わりそうにない生活と、
とっくに上限が見え透いている絶望的な伸びしろが目の前にあって、
それでも続いていく日々のサウンドトラック的な楽曲だと思います、「ポケットの中で」。

努力や頑張りだけで変えられる領域はあらかじめ決まっていて
それだけじゃ埋められない「何か」が常に自分の側に渦巻いている
そんな途方もない壁に俯きながら、
それでも淡々と働いて休んでまた働いて・・・っていう
冴えない、だけど、確かに息づいている“我々の日常”を美しくアンセムにしてしまった本作でも屈指の名曲かと思う。


そもそも、上手く行く/上手く行かないなんてタイミングや運の問題でしかなくて、
何となく八方塞がりな感覚を抱えながら生きているのも結局は他人と比べてその要素が薄いのが関係していると感じる
だけど、一番肝心なのは「続けているからこそ、そのタイミングは巡って来る」という事で。
何となくやりきれなくても、
何となく満たされなくても、
取り合えずしんどさを隠しても隠さなくても別にどっちでもいい、
兎角俯きながらでも当たり前のように進んでいく・・・大切さが描かれている楽曲だと(個人的には)思っていて、
いいことだとか奇跡だとか報われるとか、そういうの、もうあってもなくてもどっちでもいいから、
「まあ取り合えず続けようよ。」っていう・・・
そういう類の強さが感じられる、
そしてそういう平熱の感情こそ生きる為には最も必要なものなんじゃないかなー。と
この「ポケットの中で」を聴いていると強く感じたりもしますね。イントロの時点で既に名曲感たっぷりです。



繋がりたいと毎日を怯え 僕は俯いて
打ち鳴らす 叫び出す ポケットの中で



冴えないと嘆いたところで、
届かないと騒いだところで、
世界はまるで何事もなかったかのように息づいて今日も進んでいく
その中に於ける自分の無力感や倦怠感をリアルに表現しつつ、
それでも心の中に「何か」を抱えて、一見淡々と生きてるようでも内心沸々とした感情も抱えて生きていく・・・
そういう過剰さを抑えて本当に現実的なトーンで“生活”を描いて見せた現時点でのロストエイジの到達点のような楽曲です
有志でPVも作られてyoutubeにUPされてるので、是非気軽に聴いて良かったら音源を買うなりライブに足を運んで欲しい。
今作でシングルカットするなら間違いなくこの曲だろうな、って思います。

現状に不満足で、悔しさを抱えながらも、しっかりと自分の意志で毎日をこなしていく。
そういった意味でのある種本当のリアル(本当のリアルって言い方はおかしい気もしますが笑)が内包されている、
これもまたロックンロールと呼んで差し支えない楽曲だと思う。サウンドの心地良さにも注目です。