サブカルチャーマシンガン

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「少年のアビス」柴ちゃん先生の抱える憂鬱

2020-05-28 | ヤングジャンプ感想
もうこの人が主人公でいいと思う(提案)。









正直な話、
柴ちゃん先生が初登場した時から、
主人公と柴ちゃん先生はヤるんじゃないか?って思ってました
証拠としてツイートが残ってるので是非遡って下さい(露骨な宣伝乙)。

柴ちゃん先生は、
結局「何か」になりたかったんだと思います
何もない日常、何もない自分、何もない未来・・・
主人公が自死を図り助けかくまった時点で、まるで漫画やドラマの主人公に自分がなってしまったような、、、
そういうありがちな勘違いをしてしまったんでしょうけど、現実は本当あっさりとしていて。。
そのギャップに耐えられなかったというか、
自分が「何者か」に成れるチャンスを失いたくなかった
これ以上「何も無い自分」で居続ける事に疲れた、いや、物凄いスピードで夢から醒まされた訳ですから、
ほんの少しでも「何者か」になっていたくて・・・って考えると漫画のキャラとは思えない位、
凄く現実現実している思考の持ち主というか、、、
ストレートに感情移入してしまいましたね。




狂気を感じるシーン。



この「少年のアビス」という漫画、
サンデーで「初恋ゾンビ」を描いてた漫画家さんが移籍して描いてるものなんですけど、
正直ビックリするぐらい暗い話ですね っていうかそもそもが「自殺」がテーマの漫画ですしね
それも、暗いといってもなんだろう、漫画的な暗さじゃなくて、
もっとこう・・・
誰しもが陥りがちなものというか、
まあ生々しいんですよ
先生は、
授業で生徒に教えてる訳ですけど、
真面目に聞かない生徒の多さとそもそも一生懸命教えたとしてこれを覚えてるか?という疑問
すぐに忘れる情報を頑張って教えてる自分の存在に対するアイデンティティの崩壊的な・・・
細かい不満の降り積もりできっと人間はダメになっていくんですけど、
柴ちゃん先生は、なんというか・・・
現状として、
「誰か」の「何か」になっていない
そこが一番の(彼女の)問題で、それは普通過ぎる事へのコンプレックスでもあると思うんですよね
想像とはまるで違う、味気もドラマも達成感もない日常への嫌悪感
せめて誰かから必要とされていたい・・・!っていう、
普遍的な心の叫びなんですよね。







柴ちゃん先生は、
物語の途中から出て来たキャラなんですけど、
ある意味この漫画の誰よりもキャラが立っててリアルで面白い
逆に言えばこれまで柴ちゃん先生くらい共感出来るキャラがいなかった~とも言える
そのくらいごぼう抜きで物凄い存在感を発揮しているキャラクターなので、
正直主人公の投げやりな日常を演出する為のギミックとして終わるには勿体ないキャラだと思う
ありふれた劣等感、ありふれた虚無感、ありふれた承認欲求・・・
その全てが痛々しくも人間くさくて素晴らしかった
個人的には、
普通に、真面目に、文句も言わず生きている
そんな柴ちゃん先生には是非幸福になって欲しい・・・!と願わざるを得ない

誰にだってある「心の闇」
でも、
それを隠したままではきっと自分の中で腐って死んでいく、だけ
本当は、今回の柴ちゃん先生のように、時には思い切り曝け出すのも重要なんでしょうね。
だって、言わなきゃ、分からないもの・・・。







一応、
年上として(?)、
アドバイスするなら、
結局、
減点方式だと(特に自己採点って)いくらでもどこまでもマイナスに出来ちゃうんですよ
足りない部分なんて探さなくてもバンバン出て来るようなもんだから。
でも俺は・・・
30代になってからは、
逆に「今あるもの」に目を向けるようになったかな
正味な話、“気付く力”も長生きする為には大事な要素だと思いますよ

ああでも、何度読み返しても柴ちゃん先生、ダメな部分も含めて好きだなあ(笑
「なんかこういう人いるよね」ってキャラなんですよ。
画像は一番上が先々週、
真ん中が先週、
最後が今週なんですが、上手い具合に「生徒を助けてあげられる特別な先生」に浮かれてた表情が、
現実を知ってタイトル通りアビスに堕ちていく様が伝わって来て作画に関しても巧い
しかも、
他の女性キャラと比べて、
明らかに貧相な身体付き、
裸のカットもあったけど正直子供みたいに色気のない裸で、
そこもなんか生生しくてね・・・この人だけ「漫画のキャラ」って定石から外れてるみたいでしたよ。
そんな柴ちゃん先生を当ブログは密かに応援しています。一度記事にしたかったんです。