サブカルチャーマシンガン

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「救えなかった」という十字架。/ナースエンジェルりりかSOS 第16話「天使の誓い ふたたび」 感想

2020-05-06 | ナースエンジェルりりかSOS
観返してたらやっぱちょっと泣いた。









りりかは、
加納先輩を失ったショックから立ち直れずに居た
そこには・・・色々な感情が付随してたんだと思います
勿論、
純粋にカノンとのお別れが辛いっていう小学生の気持ちもあったと思う
でもそれだけじゃない、
加納先輩はおてんばだったりりかを心の底から認めてくれた人
りりかにとっては太陽のような人物でありモチベーションそのものだったんだと
そんな風に感じました。ただ、そうやって今は理屈で感想を書いてますけど、
それ以外にやっぱり理屈では説明出来ない感情もあったんだと思う
だから、りりかの姿を観ていてこっちも(ちょっとだけ)泣いてしまった
全部が全部説明出来るような感情じゃない、ただ一つ、確かなのは、「淋しい」という気持ち、それだけ。
図らずも(図ってたのかもしれない)主題歌のような状況にりりかは陥ってしまった訳ですね。




みゆきさん(実は)とってもいい人。



加えて、
りりかを悩ませたのは、
「守れなかった」という想いでした
何も悲しいのは、淋しいのは自分だけじゃない
みゆきさんとの会話で加納先輩が居なくなって淋しいのは他のみんなも、同じだと気付いた
気付いたからこそ、気持ちが優しいりりかはそこに罪悪感を受けてしまった
無力感もあったでしょうし、
ただいなくなって悲しいってだけじゃない
そこには、
大なり小なり「救えなかった」という十字架を背負ってしまった部分もあったんでしょう
つまりは一言では説明出来ないくらい複合的で圧倒的な悲しみの渦にりりかは居た、っていうこと
ちなみにこの時りりかは意図的に食事を取らない描写が2つくらい散りばめられていて、
その辺りも正直しっかりした脚本だよなあ~って改めて感じましたね(笑







そんなりりかを一番気に掛けて心配してたのは星夜でした
好きな女の子を元気付ける為に冗談言ったり、
パンあげようとしたり、
一人の時はいつ刺客が襲って来るか分からないから常に気を張ってたり、
拒食がきっかけで貧血で倒れたりりかを救急車で運んだり。。
明らかに頼れるナイトっぷりでしたね
でも、好きな女の子の為にそこまでしても頑張りたい気持ちは理解出来ますし健気ですし・・・尊い、ですよね(笑
今までは幼さ故に素直になれずにあんまり星夜の良さが彼女に伝わらなかっただけで、
加納先輩がいなくなったことで星夜の頼もしさや優しさが浮き彫りになる流れが面白い
と、同時に星夜自身もりりかの悲しみ等に触れて大人になった部分もあったんでしょう
少なくとも星夜がいなければりりかの復活は無かった訳ですしね。




このりりかがめちゃくちゃ可愛すぎて相当ときめいた(笑



そこで、
りりかも気付く訳です
「自分は一人じゃない」
正直、
加納先輩・・・
カノンへの想い入れが強すぎて周りが見えなくなってた部分はあったかもしれない
自分にはもう何も無いと塞ぎ込んでた風にも見えてたけど、
でも、
自分がピンチの時に心配して助けてくれる友人がいる
ダメな自分を叱って励ましてくれる家族がいる
居るだけで楽しくなるみんなもいる・・・
りりかも年齢的には子供だけど、
心は決して子供のままでもない
そのくらいの“「当たり前」の尊さ”に気付けるぐらいはきっともう大人、なはずだから。
そこで初めて?見せた星夜への照れた表情はあまりにも可愛すぎて悶絶ものでした・・・!!
ある意味、加納先輩の時よりも生々しいというか少女漫画のヒロインみたい、というか。
ここまで星夜にときめくシーンはほぼゼロだったのも加味して相当グッと来ました
有り体な表現を使えば「萌える。」って感じですかね(笑
段階を踏んでここまで来た分、
星夜×りりかは尊みがヤバい事になってました!(どうでもいいけど90年代にこんな言葉なかっただろうに笑)。




デューイ様ますますイケメン。



結果として、
りりかは戻って来た。
ナースエンジェルは復活した。
もう、
褒めてくれる、
認めてくれる、
支えてくれる、
そんな「頼れる」加納先輩・・・カノンはもう、いない。
だけど、
自分の身の回りの人々が、
自分を気にしてくれる友人が、
酷い目に遭わされて黙ってるほどりりかは薄情じゃない
そして、それを許せるほどりりかの優しさは伊達じゃない。
この世の誰よりも優しく、
この世の誰よりも思い遣りが強い
そんなりりかがナースエンジェルを辞めたり出来る訳がない!・・・と個人的には観始めた時から信じてました
だって、そういう素養があったからこそ、カノンも認めた訳ですから、
そんなカノンが認めたりりかがヤワなはずがない!!
・・・と、
初っ端から(メタ的な視点を全部取っ払った所で)自分は信じていましたね

もう加納先輩はいない、
だけど、
自分の大事な人たちの命を、生活を、未来を守る為、
りりかは涙を流しながら再びこの戦場を駆ける事を決めた・・・姿はとっても凛々しくて素敵でした
今回引用したカットは全部16話からですがそのカットは敢えて引用しなかったので、
是非りりかの逞しくて素晴らしい姿を(ソフトで)観てもらえればこれ幸いです


正直、
カノンがいなくなったけど、
今回もめちゃくちゃ面白くてハッとする話数でしたし、
何より今回のりりかは色々な意味で大人っぽくてドキドキしました
ま、このアニメ自分が小学生の時観てたやつですからその時の感触も残ってるんでしょう(笑
りりかの圧倒的な悲哀を描きつつ、身近な人の献身的な行動で再び気付いて立ち上がる・・・っていう
誠実極まりない展開が大絶賛したいくらい素晴らしくてやっぱこのアニメ大好き・・・!となりました
そんで、星夜に対してのりりかの態度もちょっと変わって来たのもラブコメ的に良かったです笑
りりかの友達たちも含めてりりかの周りにいる人々の優しさもとっても素敵でしたね。
 感想としては約2か月ぶりになってしまいましたが間を空けた分想いも込めれた気がします。
これからも「りりか」好きの方々、どうかよろしくお願いします。










ところで、
りりかも可愛かったけど、
星夜も正直かなり可愛かった・・・(笑
ショタの血が目覚めそうになりましたが←
細かい所まで触れるとみゆきさん達の会話が面白かったり、
久々のグレート達の登場で大地監督らしいコメディセンスも堪能出来たり、
「めきめきトゥナイト」(笑)とかパロディも抜け目なく差し込んでたり“笑い”的な意味でもすごく良かったです
そう考えると泣けて笑える訳ですからかなりレベルの高いことやってるなあ、と笑
というか凄く多角的に楽しめる話数だと思いますね。

あと、戦闘に関しても星夜が粘ったお陰で対りりか用のエネルギーが無くなっていた、、、って考察すると、
そこに関しても良く出来ててやっぱ脚本しっかりしとるわ、と感じられましたね
貧血で倒れたのもちゃんと伏線ありきでしたしこのアニメのそういう部分もまた好みです。。




私たちは(きっと)みんな、こう。/阿部共実「ちーちゃんはちょっと足りない」

2020-05-06 | 単行本感想
                      









この漫画を読んで一番に感じたのは、
「これ少年誌じゃ出来なかったんだろうな・・・或いは青年誌でも厳しいかもしれん。」って事でした
サブカル系の雑誌で連載するべき漫画だったんだろうな~とは強く感じましたが(まあその雑誌未読なんですが汗)、
別に過激な事とかは一切ないんです、
結構・・・
勧善懲悪だとか起承転結とか、そういうスッキリするもんのない漫画なんですよ
どっちかっていうと最後までスッキリしないまま終わる感じ、、、というか、それが味だと思うんですけど。

現実でもそう、
何もかも解決してハッピーエンド!
何もかも裏目に出てバッドエンド!みたいな、
そういう物語チックというかちゃんとオチが付く事ってあんまないですよね
それを漫画の中でやっている漫画・・・とか書くと興味持って貰えるんでしょうか
 

例えば、
この漫画にはある「いけないこと」をした人物がいて、
普通だったら・・・普通っていうか、少年誌や青年誌だったら勧善懲悪及び因果応報とか、
まあ何らかの形で読者がスッキリする方向に持っていくと思うんです
でも、
最後の最後まで「いけないこと」をしたまんま終わっちゃうんです
でも、その人物が最悪でした!って感じで後味悪く終わっている訳でもなく、
この人物にはダメな部分も相当多いけど、でもこういう良い部分もあるんです。みたいな・・・
そう考えると、
凄く多面的というか、
漫画のキャラではあるんですけど、
どのキャラも漫画漫画してないっていうか、
それが魅力というか味に昇華されてると思うんですけど、
それはキャラの思考や性格の話であって絵柄とか演出はコミカルに仕上がってるんです
だから上手い具合にリアル寄りにも漫画寄りにも行かずに「中間」を保ってるというか・・・
それがこの阿部共実という作家さんの持っている確かな個性かな。と強く感じた漫画でした
正直、かなり面白かったし、
少年誌とか青年誌の漫画と違って色々と曖昧な部分も多いんで、
そこを「リアル」だと強く感じられればめちゃくちゃ楽しめる漫画だと感じます

最後に一つ、
表紙とかタイトルでちーちゃんの漫画、だと誰しもが思うでしょうが、
この漫画の主人公は表紙に映っているちーちゃんではなく、
ナツだと思いました。
そう考えると、これって普遍的なお話なんですよね。読めば分る~って感じの漫画でした。