昨年12月に販売しましたALTEC#620A Trail仕様(ゴールドスター仕様)SPを約2ヶ月使用されての感想をオーナー様がお寄せくださいましたのでご紹介します。
620Aは内部配線を「化け物シリーズ」、「ルシファーシリーズ」、そして今回「ゴールドスターシリーズ」で配線したものを作って来ました。今回のこの「ゴールドスターシリーズ」の配線を使ったものが最高の仕上がりでした。これには作った本人もびっくりした完成度でした。
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アルテック #620A トレイル仕様についての感想
アルテック#620Aは、現代においては、いわゆる骨董品の範疇に属するSPではありますが、このトレイル仕様からは、そうとは思えないような、音質を体感することができます。素晴らしいポテンシャルを秘めているように思われます。
ゴールドスターケーブルの凄まじい伝送能力にあっさりと対応し、その能力を存分に引き出してくれます。ケーブルのチューニングによる音質変化を捕らえるその様は、自身の経験上、メーカー品のSPとは別次元のリアルさとスピーディさを呈しします。ご指摘の如く、上流機器の活性化が早いようです。
当然ながら、ケーブルによる内部配線のチューニングのデメリットは皆無です。
一聴しただけで音が下からも横からも回り込んでくるようで、突然、予想もしない所に音像ができているのが確認することができます。これは、本当に異次元ともいえる音像のように思います。そして、音が気持ちよく飛んできたと思うや否や、後方へスッと抜けていく様は、現代のSPとは別物のように思います。この音のシャワーを浴びているかのような錯覚を体感してしまうと、もはや、手放せなくなってしまいます。
録音の善し悪しがものの見事に再現されており、50~60年代のアコースティックJAZZが、こんなにもリアルに再現されているのには驚きです。音源をいかにダイレクトに再現するか?という目的をハイレベルで達成していると思われます。
また、この時代のSPは、髙能率のため、現代の定格30W(16Ωでは15W)程度のトランジスターアンプでも楽々とドライブしてくれます。平素は45Wでドライブしていますが、30Wでも全く遜色はありません。パワーをかけてやらないと鳴らない?現代のSPとは、この点においても大きく異なっているように思います
しかしながら、その一方で、不得意な面もあります。JAZZでは、比類のないようなパフォーマンスを見せてくれるものの、ポップス系などでは、甘い音色と低音に若干の不満が残ります。この点、突出した能力には欠けるものの、あらゆるジャンルにそこそこ対応したフレキシブルさを持つ、現代のSPと比較すると、スイートスポットが狭い面があります。ところが、いったん芯にはいると、へリコン400LEクラスでは、太刀打ちできない魔力があるようです。
現役当時ではありえなかった、サウンドトレイルの素晴らしいアクセサリーによって現代でも充分に通用するSPに仕上がっています。当時の設計者の方々に聴いていただきたい!トレイル仕様とは、そんなSPだと言えます。
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お使いのパワーアンプがA-45ですので、低音のドライブ力がもう少し欲しい様に思います。アンプの実力をさらけ出してくる性能だと捉えています。