管球アンプをTr型アンプと同じ様に考えていらっしゃる方が多いのに驚く事が有ります。管球アンプとTr型アンプでは取り扱い方や、注意ポイント等が同じ部分と違う部分が有ります。
単純に「真空管」の抜き差しを当たり前だと考えて、しょっちゅう抜き差しを繰り返している方がいました。案の定トラブルが発生して「故障」と判断されましたが、私から云えば「故障」でもないのですが、「破壊」されている途上だと考えます。それさえもご本人には理解されていない。
管球アンプの「泣き所」の一つに「真空管ソケット」の接続性が有ります。ソケットに真空管の脚を差し込んで導通させて、回路を働かせる訳ですが、このソケットのクリアランスをどんどん大きくして、そのまま挿した状態では「導通」出来ない状況にまで「破壊」してしまう事も有り得ます。1本の真空管で8本ほどの脚が有りますので、何処か1本でも導通(接続)が出来ないと機能しません。また導通のバランスも必要です。
このソケット部分も古くなると「酸化膜」が付いてきます。真空管の脚にも「酸化膜」が付いてきます。相乗効果で余計に導通しにくくなる事が出てきます。こんな状態のアンプを1回/月ぐらいの頻度で使おうとしても「ノイズ」や「導通せず」の不具合が出てくる事も有るでしょう。
古い管球アンプでも同じことが言えます。ノウハウを持った方が使えばノントラブルで使えますが、ノウハウを持たない方が使えばトラブルの連続で「故障」と判断されるでしょう。
管球アンプを使うにも「原理・原則」を理解してやらないと、「異常でもない」トラブルで苦しむ事にもなりかねません。