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ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

「犬ですが、ちょっと一言」 ミュリエル・ドピン

2007-12-12 09:30:40 | 
一言で済むわけない。

人間って奴は、ほんと変な生き物だ。当の人間自身がそう思うのだから、その人間どもを身近に眺めている犬たちには相当な言い分があろうと思う。

でも、その犬だって相当な変わり者だと思う。動物界広しといえども、自ら望んで人間のそばに居たがる動物は稀だ。猫も人間のそばに居ることを好むが、あくまで猫主体の主観だと思う。

ところが犬は、人間と一種の共同体幻想を抱く。群れを作る習性ゆえだと思うが、飼い方を間違えると、自分がリーダーと思い込み、人間とトラブルになることもある。でも、これは人間が悪い。

犬を飼う以上、犬が快適に過ごせるように、人間が管理する義務がある。犬は人間ではないし、人間として遇されることを望んではいない。でも、表題の本とは違って、実際には犬は話せない。

犬は服を着せられることを望んではいないと思う。人間と同じものを食べさせれば、かえって健康を害することもある。犬がそばに居てくれることは、とても幸せなことだと思う。だから、犬にはいつも元気でいて欲しい。

だからこそ、犬に代わって私が文句をいってやる。犬は犬として扱って欲しい。きっと、そう願っていると思うゾ。
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サッカー日本代表監督交代

2007-12-11 09:36:21 | スポーツ
敢えて言おう、貧乏くじをひかされたと。

脳梗塞から回復途上にあるオシムに代表監督を任せるのは酷だし無理だ。そこで、急遽後任に名前が挙がったのが、岡ちゃんこと、岡田武史氏だ。

既に知られているように、フランス・ワールド杯予選で加茂監督の更迭を受けて急遽、代表監督を任されたアマチュア監督だった。その後のジョホールバルでの歓喜を経て、本大会へ進んだが、稚拙なチーム造りと指導力のなさを敵チームから喜ばれる醜態であった。

でも、これは岡田氏をアマチュアと知りつつ監督をさせた日本サッカー協会の失態だ。その後、プロの監督となった岡田氏はJ2のコンサドーレ札幌をJ1に昇格させ、更に横浜Fマリノスの連覇を遂げている。日本人監督としては、屈指の実力者であることは、私も認めている。

ただ、気になるのはマリノス時代、アジア・チャンピオンシリーズに出場して、あっさりと敗退したこと。当時のマリノスは選手に駒をそろえていた文字通りの強豪であったから、敗退は監督を含めた首脳陣の失態だと私は考えている。

その監督を代表監督に据えるのは暴挙だと私は思う。はっきり言って、日本人監督でワールドカップに挑むには早過ぎる。しかも、名監督として世界に名を知られたオシムの後任でもある。

岡田氏は断るべきだったと思う。多分、相当悩んだのではないか。断れなかったのは、この人の性分な気もする。先輩でもある川淵チェアマンの面子もあったのだろう。

トルシィエ、ジーコ、オシムと皆、外国人監督は日本サッカー協会の言うことを聞かない人ばかり。彼らはチームを勝たせることのプロで、代表の試合に観客を集めることは重視しない。

人気選手でもある稲本や中田浩二らを使おうとしないオシムに、川淵Cは不満を募らせていたという。自分の言うことを聞く後輩に監督をやらせようと目論んだのも無理ないが、それでいいのか。

しかも、オシム路線の継承だと!岡田氏はオシムではない。その指導するサッカーがオシムのそれとはまったく別物なことぐらい、マリノスのサッカーをみていたならわかるはず。そんなに操り人形が欲しいのか。

正直、失望を禁じえない。岡田監督の下でも、南ア大会に出場できる可能性はあるが、日本チームの成長は厳しいと思う。岡田氏には、世界に通じるサッカーを指導する力は乏しいと思う。アジアですら怪しいが、選手には可能性がある。それが唯一の希望だ。

2005年のJリーグで、マリノスは大きく後退した。もはや強豪とは言えない。ゆえに岡田氏は更迭された。その後は、日本サッカー協会で閑職についていたとされる。その岡田氏を代表監督に据えた。

いったい何を考えているんだ?!

多分、岡田氏は分っていると思う。それでも引き受けた。だから貧乏くじだと思う。もし、万が一のことが起きたなら、川淵は絶対退任するべきだ。それがトップの責任だと思う。今回の騒動で分ったのは、日本サッカー協会が、まだまだアマチュアだということ。それも甘甘の大甘チュアだ。
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「屍鬼」 小野不由美

2007-12-10 14:51:51 | 
面白いと、読むスピードが速くなる。

最初は少し退屈を感じたほどだった。必然的にページをめくる手も鈍り勝ちとなる。ところが、進むたびにページをめくる手が少しずつ速くなっていくのを実感できた。この感覚は、そうそう訪れるものではない。

実は一年近く前から勧められていた本でした。未読の本の山のなかから取り出して読み出したのが、丁度月末直前。仕事に追われつつ、少しずつ読み出したので、最初は退屈だったのですが、途中からジェットコースターで一気に急降下、しかも宙返りあり。ページをめくる手が加速してくるのを感じられる本は滅多にない。

この手のネタは、キングやマキャモンの独壇場だと思っていたけど、それとは一味違う面白さがたしかにある。英訳したら、案外売れるかも。そのまえにハリウッドが買い付けてもおかしくない魅力があります。

ただ、まあ・・・あたしゃ土葬は嫌だな。やっぱり火葬がイイ。焼いて、清めて、山野にばら撒いてもらいたい。死にたいわけではないけれど、生き返るのは何か嫌。面棟Lそうだし、難儀そうだ。生まれ変わるなら、まったく別の人生がいい。

文庫本とはいえ、全5巻あるが、一旦加速が乗ったら後は一気に読みきれる。久々の大当たりでした。
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「冷たい方程式」 トム・ゴドウィン

2007-12-08 13:05:00 | 
どうしようもないことって、たしかにある。

この方程式には、解はひとつしかない。どうしようもなく、ひとつしかない。

遠く離れた星にいる兄に逢いたくて、宇宙船に密航した少女。でも、その宇宙船にはパイロット一人分ギリギリのエネルギーしか搭載されていない。密航に気がついた時には、戻るにも遠すぎ、二人では辿り着けない虚空の真っ只中。周囲に助けを呼べるものはない。大切な積荷を目的の星に届けねば、多くの人が死滅する。共唐黷キるわけにはいかない。だから答えは一つ。

そんな決断を迫られたら、どうする。やるべきことは分っている。

方程式が導き出す答えは冷たい。

冷たい答えなのに、なぜか少しだけ暖かい結末が心に深く残った短編でした。ほんの少しの暖かさだけれど、とても哀しい暖かさでもある。それだけが唯一の救いであり、その暖かさを生み出した労苦に頭が下がる。

同じような状況に陥ったら、果たして自分はどうするだろうか?そんな疑問がいつまでも残る傑作だと思います。
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今年のJリーグ

2007-12-07 09:29:45 | スポーツ
今年のシーズンは、鹿島アントラーズの逆転優勝で終わったJリーグだが、少し文句がある。

選手ではなく、チームの経営陣に対してだ。フロントしかり、監督しかり。このままでいいのか?

優勝候補の筆頭だったはずのガンバ大阪。レッズとフロンターレがACLとの鰍ッ持ちで、厳しいシーズンとなるのだから、本来は断トツの優勝候補であったはずだ。選手層も決して薄くない。若手を北京五輪のチームにとられ、また遠藤、加地らを代表に取られる苦労は分らないでもない。でも、それは事前に分っていたはず。第一、それはレッズもフロンターレも同じこと。

バレーという優秀なFWを獲得したのはいい。マグノ・アウベスとの2トップはJ屈指の攻撃力を誇る。控えの播戸も決して劣らない。ゲームを作る遠藤、二川は相変わらずの冴えだし、シジクレイを中心としたDFだって実に固い。何故に勝てない。

おそらくは西野監督の采配がマンネリ化しているのだと思う。前半戦、あれほどの攻撃力を誇ったガンバだが、後半じわじわと失速したのは、他のチームのガンバへの分析と対応が進んだためだと思われる。西野采配は後手後手に回っていた。これは監督一人の問題ではない。偵察と他チームの戦力分析等のフロントを含めた対応力の低さが原因なはずだ。

現在のJリーグは選手だけではなく、フロント陣も含めて高い能力が求められる。ガンバのフロントは優秀だったはずだ。下部組織から稲本、宮本、大黒、家長と次々優秀な選手を育てる力は、Jリーグでも指折りの素晴らしさだ。外国人獲得もあまりはずれを引かなくなった。時間をかけて中盤でパスをつなぐ西野サッカーは、それなりに成績を残している。でも、リーグ優勝できていない。ちなみに、ナビスコ杯での優勝は、加地を守りに専念させて、安田に攻め上がらせる奇策が功を奏したからだ。

同じ問題を抱えているのはグランパス。ベンゲルとピクシーが抜けて以降、優勝戦線から遠ざかって久しい。あれだけ優秀な選手を揃えながら、勝ててない。選手、監督だけの問題ではなく、むしろ経営陣にこそ問題があると思われる。ピクシーの監督就任が吉と出れば良いのですが、フロントがあのままでは厳しいと思う。

それとJリーグが始まって以来、最速で降格が決まった横浜FC。このチームのフロントこそ、最も失敗したと評していい。J2では堅守を誇り、断トツで勝ち抜けたのに、終わってみれば最悪の結果だ。シーズンを通じて活躍できない久保を攻撃の要とした高木・前監督の失策はともかく、レンタルで獲得した外国人選手はシーズン途中で全員解雇。勝つための補強がまるでなされず、J1経験者を集めたベテランは故障が多く不安定。一方、経験不足の若手はミスが多すぎる。

率直に言って、J2時代のほうが強かった。これはチーム造りの失敗以外の何者でもない。謝って済む問題ではなかろう。奥寺GMをはじめフロント陣には猛省を促したい。

期待はずれはFC東京の原監督(既に解任決定)。レッズの時の同じ過ちはしないと思ったが、これはヒドイ。期待していたのに、こりゃアンマリだ。ワンチョペは確かに合わなかったが、他の補強策を打たなかったのが痛い。なお、平山に少しは可能性が見えたが、まだまだ未知数だと思う。だからオシムは呼ばなかった。

微妙なのがフロンターレの関塚監督。選手がほとんど変わらず、ACLの負担と主力の憲剛を代表に取られるハンデはあったが、終わってみれば上位を維持している。予想よりも健闘だけど、この先の進展が見込めない。シーズン中は無敗を誇った対ガンバ戦も、ナビスコでは勝利を逃した。来期が少々不安。

終盤の追い上げが目立ったアントラーズは、ようやく新チームが固まってきた。やはり小笠原の復帰は大きいが、野沢らの若手の成長も無視できない。日本のサッカーに合わせてきたオリベイラ監督の采配は、来期に期待を抱かせるものがあったと思う。

そして、リーグ優勝を逃したレッズ。ACLで力を使い果たしたか。あまり責める気にはなれないが、主力選手の高齢化がじわじわ響いてきたかもしれない。天皇杯でも、まさかの敗退だしね。ま、ここはサメ[ターがしっかりしているので、大丈夫でしょう。彼らがこのまま許すわけがない。

Jリーグも次第に成長してきて、アジアでは間違いなくトップレベルに近づいてきたと思う。でも、まだまだ成長の余地はある。ACLを観ても、韓国、イラン、サウジ、カタールのリーグは無視し得ないレベルにあると感じている。サッカーファンの一人として、期待はしているが、厳しい視線も持ち続けたいと思う今シーズンでした。
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