入笠から帰ってきてまだ二日しか経っていないと気が付き、驚いている。炬燵の虜囚になって単調な日常に還ると、上でのことがもう随分と昔のような気がしていた。日頃は、月日の過ぎてゆくのがあまりに早いと感じていたが、こうしてみればそうでもない。時間の経過に対する感覚は、体験、その印象の強弱など諸々で変わるらしいが、早いよりかゆっくりの方がもちろんいい。ただ、そう言いながらも、2月も半ばまで来ると梅の花、福寿草、春への期待が少しづつ膨らむ。雪融けの水音、きらめく陽光。
昨夜、某テレビ番組でアンカッレッジやフェアバンクス、加えてなによりアラスカ鉄道からの冬の眺めも紹介されると知り、普段は滅多にしか見ない民放を見た。アラスカ鉄道には2度乗っているはずだが、アンカッレッジ~フェアバンクス間が12時間もかかるとは、全く記憶から落ちていた。別の時、この間を飛行機でも行ったことがあるが、それは駅舎の運行掲示板に「Every Two Weeks」とあり、途方に暮れた挙句のことで、一人旅だった。あの駅舎も、濃紺の車体に黄色い帯の入った特徴ある列車も健在だった。2週間に一度の便が、毎週になったのは、それだけ利用者が増えたからだろう。
そういえば、アラスカへ行くと言って旅立ったI氏だが、計画通り彼の地に落ち着いたと連絡があれば、訪ねていってもいいと言っておいたのだが、カナダで魚釣りに狂っているうちにその気がなくなってしまったか。存外、フェアバンクスでなく東京に戻っていたりして。
それはともかく昨夜寝る前に、テレビ番組に影響されてまた星野道夫のアラスカの写真集を眺めた。広大な雪原にテントを張り、1ヶ月半もの間誰とも会うことなく撮影を続けたのだ。彼の作品はその質もだろうが、素人にはその人並みはずれた撮影に対する熱意と努力が伝わってくる。カメラ大小3台、レンズ9本、フイルム50本・・・、厳選された荷物の中にココアが入っていた。
山でココアを飲んだ記憶はないが、今度上に行ったら一夜だけでもテントを張って、寒さに震えながら彼の真似をしてココアを飲んでみようかと思っている。
赤羽さん、ボツボツやっていきます。ご支援をいつも感謝してます。かんとさんからは早くも5月の連休、TBIさんと2名で、小屋3泊の予約が入った。これが有難くも、恐ろしい。クク。
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