昨日、10日ぶりに上へ行ってきた。林道はご覧のようなありさまで、雪の量が異常に少ないのに驚いた。まるで薄い敷き布団だけで、掛布団がないような雪の量の林道。最近、昼と夜の寒暖の差が大きかったから、日中に融けた雪は水分をたっぷりと含み、びしょびしょの煎餅布団は夜間にはたまらずに凍って、氷の道に変わってしまったらしい。
牧場に入って、すぐ左手に見える西に向いた斜面はすっかり雪が融けてしまい、10頭ばかりの鹿の群れが日向ぼこをしていた。着いたのが午後だったから、小屋の周囲は日が翳り、寒々として何とも貧相に見えた。長居する気になれず、いつもの見回りをして、早々に退散した。
帰り、もしかすればと思い入笠山の登山口に向かったら案の定、上の段の「大曲り」さえ問題なく通過することができた。例年なら、仕事が始まってもここはしばらく、残雪が車を阻んで通さない厄介な場所なのだが、やはり今年の冬はいつもと違う。
きょうはこれから「四徳」という、ここも芝平のように1961年の「三六災害」で廃村となってしまった古い集落跡へ行ってくる。中川村の辺鄙な山の中だが、それゆえにここにも平家の落人伝説が残っていて、長谷の「浦」の集落と同じく、かつての住人には平の重盛との縁(ゆかり)を思わせる小松姓が多かったという。昨春もここを訪ね、気に入った。花の季節の真っ最中だったからだが、今回は当然だがそういう目的ではない。単なる好奇心と暇つぶし、としておこう。
末広さん、早速入笠のコナシについて通信、ありがとうございました。少しづつ牧場のヤマナシやコナシの花も知られるようになりましたが、この先のことを考えるとそれを単純に喜べるか、気持は複雑です。一番楽しみにしているのは、里の花(桜)の季節が終わってからゆっくりと咲き出す、「朝日に匂ふ山桜花」です。
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