入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’19年「冬」 (43)

2019年02月14日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 豚コレラ騒ぎもどうやら終息したらしい。隣村宮田村の2千400頭を含む3万頭ほどのブタが殺処分されたらしいが、それは飼育されているブタ全頭からすればわずか(0.2アーセン)で、市場への影響は少ないということのようだ。
 感染を媒介したのが野生のイノシシではないかと、その対策費が愛知と岐阜には3千万円から一挙に1億8千万円増えて、2億1千万円にもなったとニュースになった。しかし宮田村の場合は、愛知県から搬入されたブタが感染していたためで、"貰い損"ということになるのだろうか。愛知県側の行政の対応に養豚業者ばかりでなく、宮田村の村長が怒るのも無理はない。被害は甚大である。宮田村はJA上伊那畜産課の担当地域になるから、さぞかし課員は多忙を極めただろう。

 ところで、コレラに感染したイノシシは、ブタに近付けさえしなければ、やがてはどこかで自滅するのだろうか。それも、次々と仲間に感染させながら。もしそうだとすると、野生のイノシシは生息数が激減するかも知れないという心配が起こる。それならそれでいいという人もいるだろうが、個人的にはそう思わない。牧場管理人として実際のことを言えば、牧草の受ける被害は鹿とは比較にならず、一夜にして田1枚分くらいの広さの牧草が引っくり返されてしまう。当然、イノシシなどに牧場へ近付いてなど欲しくはない。その気持ちは養豚農家と変わらないが、それでもどこかの森の中で生き続けてほしいとは思う。今や体重で換算すれば、この地球に生きている大型野生動物はわずか1割そこそこ、他は人間と家畜、それも家畜はなんと7割にもなるという。
 イノシシを罠で捕獲することは鹿と比べたら、かなり難しい。牧草が被害に遭った時だけ急いで罠を仕掛けても、まずそれでは成功しない。群れはどこか別の場所に去った後、後手になってしまう。嗅覚も優れていて、またブタのように賢く、警戒心もかなりのものだ。それでも春先、親は姿を隠していても、うり坊が何匹も列を作り山道を横切る姿は微笑ましい。動物園のイノシシが、犬や猫のように飼育担当者に懐き、身体を平気で触れさせるような例もある。だからといって、捕鯨に反対するような人たちに賛同するわけではない。
 もうすぐ狩猟期間が終わるが、今期はあまり猟師の姿を見掛けなかった。

冬の営業案内」をご覧ください(下線部を左クリックしてください)。予約は早めに頂ければさいわいです。










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