市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…前橋バイオマス発電計画に環境アセスを適用しない群馬県の不思議

2016-04-02 19:21:00 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災
■東電グループの最有力企業である株式会社関電工が主体となって計画中の前橋バイオマス初線施設計画では、年間10万㎥以上の未利用材等を県内外から集めて赤城山山麓で20年に亘って燃やし続けることから、放射能汚染の拡散が深刻な懸念として我々県民と県土にのしかかって来ています。木質燃料を燃やすと大量の排ガスが施設から放出されるため、大気汚染防止法の観点から、排ガス量が4万㎥N/時を超えるか超えないかが一つの重要な目安となります。この数字は、群馬県環境影響評価条例(いわゆる環境アセス条例)の施行規則で定める施設の規模要件にも関連します。

 この関連から、関電工の木質バイオマス発電施設計画の排ガス量がどの程度なのか、地元住民を対象とした説明会で、参加した住民から関電工側に、具体的な排ガス量の数値と計算式を公表するように何度も要請がありました。しかし、関電工側は、「排ガス量は4万㎥N/時以下であり、環境アセスメントは不要だ」との主張を繰り返すのみで、根拠となる計算式の開示になぜか応じようとしません。

 そこで、この疑問を晴らすべく、当会では先日3月31日に群馬県の環境アセスメントを所管している環境森林部環境政策課を訪れて、ヒヤリングを試みました。聴取内容は次のとおりです。

*****ヒヤリング記録***** ※PDF → qo160331azxgnvfqb.pdf
県:環境影響調査を担当している唐澤(素子)と申します。

オンブ:オンブズマンの小川と申します。立ち話で構わないんですが、前橋バイオマス発電事業の環境アセスメントについて、3月27日に関電工による地元第3回目の説明会の席上、環境政策課のほうから前橋バイオマス事業に関しては、法令に基づく環境アセスメントの評価、環境影響評価はやらくてもいいんだ、対象外だというふうに言われたというんですが、それは本当ですか?

県:ああ、はい、あのう・・・・・法令と言うか、県の条例・・・・環境影響評価という法定上では・・。

オンブ:条例がありますよね。

県:法はもともと、とても大きい施設。

オンブ:大出力の、火力、水力、いろいろな発電所の施設ですけども、出力で決まってしまいますけど。何万キロワットとか、ではなく、もっとすごく大きなやつだけど、県の方もやはり(条例が)あるわけでしょう。地元の環境保全の観点からね。

県:はい。そちらのほうも、あの、該当にならないということで・・・あのう・・・お話は、はい、しております。

オンブ:それは彼らの説明によって、皆さんがそう判断されたということですよね。当然ね。

県:はい。

オンブ:彼らが何か書類を出して、例えばあそこにある、4万ノルマル立方メートルの排ガス量とかね。

県:それというかですね、あのう・・・・環境アセスメントの、こう・・・大きな枠組みという話になっちゃうんですけれども、アセスメントというのは事業者が自ら行って環境に影響があるかどうか、調査したり、予測したりするというものになっていますので、あのう、事業者の方が、あのう、例えば、こう・・・条例の規模要件なんかも参照いただいて、そこで、自分のやる事業は対象になるかな、というのを確認していだくものなので、とくに書類の提出というものは必要なく、あのう、こういう事業をやりたいんですけれどもアセスの対象になるんでしょうか、という、こう、相談を受けましたら、こういう制度になっているので、これで計算して、該当になるかどうか、あのう、見てくださいね、というそういうご説明で、あのう、してる。とくに書類のやり取りという・・・まあ、本当に該当するということになれば、あのう・・・・こう、アセスの図書があるんですけれども、そういうもので。

オンブ:口頭だけなんですか?

県:えっ?

オンブ:一応は何らかの相談ごとについて、皆さんが作成した、或は皆さんが事業者の方から受け取ったね、文書、情報等は何かあるんでしょう?いずれにしてもね。そうしなければ、そういった、これは該当しないという環境政策課さんのご判断が出ましたということは、我々地元関係者には(関電工としては)言えないはずですものね。

県:ええ、書類のやりとりというと、とくにないんですよね。あのう、ちょっと立ち話では・・・。

オンブ:いや、いいんですけどね、私もいろいろあちこち回らなければならないんで、また、私も時間がないので。

県:よろしかったらご名刺をいただけますか?

オンブ:すいません。市民オンブズマン群馬の小川なんですけれども、ちょっと今ね、名刺を切らせてしまい申し訳ありません。市民オンブズマン群馬で、HPを見て。群馬の代表なんです。

県:実は私は今日でちょっと・・・明日から別の仕事になってしまうので。すいません。

オンブ:たぶんそうじゃかいかと思ったんですけどね。だけど、その経緯を唐澤さんがおやりになったということでちょっと今、お聞きしたかったんだけれど、例えば、情報開示請求でそれに関わる書類ということで、請求した場合、何も残っていない、不存在ということになってしまうんですか?

県:そうですね。ただ・・・そのアセスの条例とか、それはもうありますけれども、それを、あのう、ご説明したということ・・・だけなので、それに・・・。

オンブ:なるほど、それは相談があってそれをやったという行動記録は残っているわけね。

県:それも、とくに残してません。公文書としては。

オンブ:これ、もしね。私、あのう、エンジニアなんですけれども、4万ノルマル立方メートル毎時にね、(排ガス量が)納まるわけがないんですよ。理論空気量だったらちょうど4万なんだけれども、あのう、ボイラーで、毎年、水分量40%のチップを7万2000トンかな、投入した場合は、それをコンスタントに365日24時間やった場合でも、その倍近いね、空気量が必要、いや排ガス量が出るんですけれども、なぜ4万というふうに、関電工がね、自分で判断したのかっていうとことが疑問で、それで、関電工に聞いたら、4万㎥いっていませんというわけです、その計算式を示してくれというと、何も示さない。この場合どうしたらよろしいですかね。

県:あのう、ちょっとお待ちいただいてもよろしいでしょうか、直ぐ参りますので。

オンブ:はい、どうも申し訳ない。

県:よろしかったら、ここにお掛けになって。

オンブ:はい、すいません。

(と言って4分強待たされる。そして一人の男性職員と一緒になって唐澤女史が戻ってくる)

県:すいません、お待たせしまして、小川さん?

オンブ:はい。

県:私、あのう、今の上司の遠藤(康明)と申します。係長です。どうもよろしく。で、アセスの関係のあのう?

オンブ:ええ、そうです。そうです。

県:で、あのう、要は排ガス量の問題で、アセスに非該当がどうかというのを判断しているんですけれども、で、おそらく小川さんご存知と思いますけど、あのう、ばい煙、まず、煙が発生する施設は4万㎥というのが、えー、アセスの、その、該当、非該当のラインになるんです。ええ。で、今回結論から先に言わせていただくと、環境政策課としては、えー、アセスの非該当である、という判断をしていますけれども、根拠としては、えーと、あの施設が木質バイオマスということで、えー、燃料は木材なんですね。で、いわゆる、また、平たく言えば生木なんですね。そうすると、あのう、アセスの元々の制度というのは、あのう、いわゆる化石燃料、あの、石油とか石炭とか天然ガスとか、そういうモノを燃焼した時に、どのくらいの排ガスが出るかっていう、あれは換算をしておりますので、えー、排ガスの量が・・。ふつうはだから、ボイラーとか、ばい煙発生施設というんですけれども、ボイラーとか内燃機関とか、それは石油だったり、石炭だったりを燃焼させて、その結果ガスが発生するわけですよね。

オンブ:ええ。

県:ですから木質バイオマスの場合は、木材を大量にするので相当量の水分が含まれています

オンブ:じゃあ、湿り量を勘案すると、あのう、理論空気はそれだけ多くなりますよね?水蒸気も含まれるから。

県:はい、はい、

オンブ:で、あそこにある、湿りのベースで、水蒸気も含んだかたちでの排ガス量というふうに書いてございますよね、規定していますよね。

県:そうですね、湿りと乾きがあります。

オンブ:で、湿り量で4万ノルマル㎥ですよね、確かね。1度C換算でね・・ああ、0度Cか。

県:はい、そうですね。

オンブ:1気圧でね。

県:標準状態での換算ですね。

オンブ:だからそのう、化石燃料でなく、いわゆる、えー、生体由来のですね・・・まあ、化石だって生体ですけれども、もともとね、石炭もそうですけれど。

県:ああ、まあ。

オンブ:いわゆる木質というのは別だという、その配慮はどこから来ているんですか?

県:配慮というよりは、結局、化石燃料マターで作ってある制度だったわけなんですけれも、そこに最近のその、まあ、いろんな世の中の情勢で木質バイオマスというのが出てきたわけですから、それはあのう、もともと、その、条例制度を作るときには想定していなかったわけですよね。ええ。だけども、まあ世の中どんどん進んで、いろいろな再生可能エネルギーとかいろんなのが出てきて、木質バイオマスとか出てきたと。その時に、含水率が高いものを燃料として投入した時、に出るのは、あのう、大量に水蒸気が発生しますんで、それを化石燃料をベースに作った制度と比べた時に、バランスがとれないじゃないかと、いう発想からですので。

オンブ:それは誰が発想したんですか?

県:それは・・・。

オンブ:(このアセスは)群馬県の条例ですけど。

県:あのう、環境政策課とか、まあ、県として、それについて、えー、・・・の、バランスを取るべきじゃないかと言う・・・。

オンブ:それは・・・それはおかしいんじゃないですか?

県:ええ?

オンブ:それはそうですよ。だって、それだけの排ガス量が、しかも今度は、あのセシウム入りのやつが入るわけですから。やはりその排ガス量、セシウム入っていない入っている、のはともかく、同じ、だから、炭素をね、要するに空気と混合させて酸化させて、それから、それで熱量を取り出すというそのプロセスは、化石燃料だろうがですね、天然ガスだろうが、えー、あるいはバイオガスだろうが、ですね、同じじゃないんですか?例えばね、ではバイオガスで、発酵した場合のメタンが出ますよね、そのメタンが、えー、地中由来の、だからメタンなのか、あるいはその発酵の過程で起きるメタンなのか、それとも、それは、組成は同じですよね?

県:メタンは、・・・はい。

オンブ:それからすると、じゃあ、いわゆるそういった形で、そんなに大規模のやつがね、将来的に(木質バイオマス発電が)どうなるのかどうかわからないけど、そこで、その敷居を作って線引きをするということは、なんかおかしいんじゃないですか?むしろ量的には(木質燃料の場合は)、あの、カロリーがね、低いですから、その分は空気量が必要だし、で、彼らは4万㎥に満たなかったから、アセスは要りませんというふうに「環境政策課からの方から言われた」というんでね。じゃあ、その辺のその計算式がある筈だと、で、出せと言ってもね、いや出さない。だけど環境政策課のほうから言われたから、アセスは要らないんだと、いうふうに、27日、ついこの間ですよ。

県:はあ・・。

オンブ:地元の第3回説明会でね、(関電工が)それを言って、それをだから説明、数式を出さずに、切り抜けようと必死だったんですよね。で、余計おかしいなと思って、今日いま、住民監査請求で補助金の交付をやめてくれというやつを今出してきましたけれども。

県:補助金の交付で?

オンブ:そうです。林業振興課にも聞いたんですけれども、林業振興課は、もともと放射能があること自体想定していないと。群馬県の林業の振興のために、と言うからそれは群馬県の県民の、放射能に対するね、重大な挑戦だ、と言って、今文句を言って来たんだけれども、同じことなんですよ。

県:はあ・・・。

オンブ:木質だから、あのう、(アセスから)除外するんだ、例外扱いするんだ、というのはおかしいと思うんだけど、それは、そういうふうに決めた過程は、たぶん皆さんのインターナルな、内部打合せの記録はあってしかるべきだから、それはあのう、今情報公開請求してきますのでよろしくお願いしますね。

県:今の話はちょっと引っかかるのは、関電工さんが、その、なんか、県に言われたからっていう説明?

オンブ:そうそう、そういう説明なんです。

県:それはちょっと違うんだと思うんですよね、我々の立場から言えば。

オンブ:うん、だから、彼らはウソをついているから。

県:アセスについては、それは私もね、(関電工が)嘘をついたという意味では無く、アセスメントというのは、事業者が自ら行うというのが制度の根幹ですから。それに県から命令されたからやりますとか、指示されたからやりますとか、あの、許認可とか、とは違うんで。

オンブ:それは社会的にCSRというね、社会的企業責任という立場からしたら、しかも、あれだけ、あれだけ放射能絡みの周辺の住民がものすごい脅威を感じているわけなんで。それはね、まともな企業だったら、率先してね、環境アセスをやらしてくださいと。で、えー、燃焼ガスについてもこれこれこうなんで、別に、皆さんが・・・皆さんのほうから、「いや、やる必要はないんだ」というそういう助言をしたんだったら、話は別なので。でも、たぶん(そう)したんでしょう?

県:いや、そんなことはないですね。こちらは、あのう、やる、やらないというのは、あのう・・・こちらから(関電工に)言うべきことではないので、ええ、結局それは事業者さんとして、えー、全てその、自分たちの施設の発生状況というのを、まあ、計算式はお持ちなんですけどね。デザインの結果として、うちとしては制度上4万㎥という基準があるのでね。これを超えて・・・、だけど、あのう・・・。

オンブ:だからね、4万㎥に達していないと彼らがいうから、それ(の根拠)を示せばね、信頼の醸成にもつながるし、ああ、さすが大企業だと思うんですけれども、それを見せないということ自体、やっぱりおかしいなという気が、今しているんでね。

県:ええ。

オンブ:えー?

県:それはそうですよね。業者さんとしての対応だと思うんですけれども。

オンブ:分かりました。でも、本当に申し訳ないんだけど、(情報開示請求をしてみて)不存在なら不存在でいいんだけども、今のような(判断の)過程をね、我々県民として、オンブズマンとして明らかにしておきたいので、一応(情報開示請求を)出しますから、あのう、まあ、ご異動されるのかどうか分かりませんけども、次の(後継者の)かたには申し送りになるかも知れませんけれども、(情報開示請求をオンブズマンとして)やらしてもらいますよ。

県:はあ。

オンブ:そうしないとね、東電のいちの子分のグループ会社ですから、やっぱりとね、これ、襟を正させるための一つの重要な出来事だと思いますのでね。そういうもともと、その、想定外だとか何とか、安全神話って言っていたのにあのザマですから。ウソで塗り固めてね。対策を十分施しているから安全だと言っていたのに、もう想定外だという言葉自体で我々の血税を投入して、今いろいろ対応策をやっているんでしょう?問題なんですよ。だから、まあ、我々は全力を尽くして、群馬県のね、人命と国土、財産を守りますけども、やはり皆さんもね、それはやっぱり邪魔はしてほしくないんですよ。まあ、支援はたぶん、得られないと思いますけれどもね。だから、情報公開のようなかたちで、せめてどういうことが起きていたのか、行政判断をされていたのかしていなかったのか、これは明らかにしておきたいと思います。まあ、申し上げたいことはそこだけなんですけれどね、ちょうどたまたま年度末になっちゃんたんで、この時期になって申し訳ないです。ご異動されるんですか?

県:いやいや私は引き続きでね。

オンブ:とういうわけで申し訳ないですね。どうもありがとうございました。
**********

■以上の聴取結果を見て疑問を抱いた当会会員がさらに詳しく群馬県環境政策課に問い合わせたところ、次の回答が到来しました。

**********
From: "kanseisaku@pref.gunma.lg.jp" <kanseisaku@pref.gunma.lg.jp>
Date: 2016/4/1, Fri 17:10
Subject: 環境影響評価に関する再質問メールへの回答について

お問い合わせいただきました件について、御連絡いたします。

環境影響評価は、規模要件に該当する対象事業を実施しようとする事業者が、法や条例に基づく手続を履行することで、自主的に環境保全上の適正な配慮を行う制度です。したがって、規模要件の該当についても、県の示した基準に基づいて事業者自らが要件や規模を確認し、手続の要否を判断します。

ご質問の木質バイオマス発電については、事業者から、施設からの総排出ガス量は約4万2千ノルマル立方メートル/時であるが、群馬県環境影響評価条例の運用に基づき、含水率を控除すると、約3万9千ノルマル立方メートル/時との説明を受けており、規模要件未満であると考えております

 以上、回答いた します。今後とも、環境行政に御理解、御協力賜りますよう、よろしくお願いいたします。

群馬県 環境森林部 環境政策課

(参考)
※群馬県環境影響評価条例の運用
未利用の木質バイオマスを燃料とする工場又は事業場については、化石燃料等との性質の違いを勘案した補正を加えたうえで、条例施行規則別表1を適用させる。
具体的には、未利用の木質バイオマスを燃料とする工場又は事業場については、排ガス量を計算するにあたっては、含水率(乾量基準含水率)を20%として算出できるものとする。

**********

■つまり、群馬県は関電工から「施設からの総排出ガス量は毎時約4万2000ノルマル立方メートルだが、群馬県環境アセス条例の運用に基づき、含水率を除いて計算すると約3万9000ノルマル立方メートルで、条例の要件を下回るので、環境アセスメントは適用除外だ」という説明を受けて、「はいそうですね」と鵜呑みにしているのです。

 そもそもウソ八百をつき通してきて原発事故を起こし、原発事故後もウソだらけの東電のグループ会社である関電工が、東電と同じ体質であることは誰でも思うところです。しかし、群馬県の環境行政は、東電とそのグループ会社の関電工さえも「性善説」で見ているようです。

■このため、当会会員が念のため、群馬県に再度確認のための質問メールを発信しました。

*****発信メッセージ*****
日付: 2016年4月1日 20:44
件名: 【再々送信】Fw: 環境影響評価に関する再質問メールへの回答について
To: "kanseisaku@pref.gunma.lg.jp" kanseisaku@pref.gunma.lg.jp

群馬県 環境森林部 環境政策課様

最大排ガス量の42000という数字は、関電工からいつの時点で入手された情報ですか。
また、その計算式をお教えください。
何度もすみません。

【再送信内容】
群馬県 環境森林部 環境政策課様

含水率(乾量基準含水率)を20%として算出できるものとする。
という文言は、どちらに記載されていますか?
**********

 しかし、いまだに回答がありません。

■一方、前橋バイオマス発電施設の地元の前橋市は、次のように回答していました。

*****Original Message*****
From: 環境政策課/前橋市 <kankyou@city.maebashi.gunma.jp>
Subject: 前橋バイオマス発電所、排ガス量の件

 本市では、排ガス量を把握していません

前橋市環境部環境政策課
電話:027-898-6294
メール:kankyou@city.maebashi.gunma.jp
**********

■こんなデタラメな手続きがまかり通っているところを見ると、関電工の木質バイオマス発電計画は明らかに、官業癒着のデイレースであることが窺えます。

 行政側が、開発業者である関電工の計画内容を知らないと言い張るため、当会としては、関電工に公開質問状を提出して直接聞くしかありません。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考「群馬県環境影響評価条例施行規則別表1の6の項」
********** PDF ⇒ pu.pdf
●事業の種類:6 工場又は事業場の新設又は増設の事業
●事業の要件:
イ 製造業(物品の加工修理業を含む。)、ガス供給業、熱供給業又は電気供給業に係る工場又は事業場であって、大気汚染防止法(昭和43年法律第97号)第2条第2項のばい煙発生施設又は水質汚濁防止法(昭和45年法律第138号)第2条第2項の特定施設を有するもの(以下この部において「工場」という。)の新設の事業
●第1種事業の規模要件:
排出ガス量(温度が零度で圧力が1気圧の状態に換算した1時間当たりの湿り排出ガスの最大量をいう。以下同じ。)が4万立方メートル以上(ガスタービン(温度が零度で圧力が1気圧の状態に換算した湿り排出ガス1立方メートルにつき窒素酸化物35立方センチメートル程度以下のものに限る。以下同じ。)にあっては、燃料等が完全燃焼したときの排出ガス量中の二酸化炭素が4千キログラム以上)又は排出水量(一日当たりの平均的な量をいう。以下同じ。)が1万立方メートル以上であるもの(配慮地域内にあっては、排出ガス量が1万6千立方メートル以上(ガスタービンにあっては、燃料等が完全燃焼したときの排出ガス量中の二酸化炭素が1600キログラム以上)又は排出水量が4千立方メートル以上であるもの)
●第2種事業の規模要件:-
 
●事業の種類:6 工場又は事業場の新設又は増設の事業
●事業の要件:
ロ 工場の増設の事業
●第1種事業の規模要件:
排出ガス量が4万立方メートル以上(ガスタービンにあっては、燃料等が完全燃焼したときの排出ガス量中の二酸化炭素が4千キログラム以上)又は排出水量が1万立方メートル以上増加するもの(配慮地域内にあっては、排出ガス量が1万6千立方メートル以上(ガスタービンにあっては、燃料等が完全燃焼したときの排出ガス量中の二酸化炭素が1600キログラム以上)又は排出水量が4千立方メートル以上増加するもの)
●第2種事業の規模要件:-
**********
コメント
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東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…前橋バイオマス発電への補助金交付を中止すべく住民監査請求

2016-04-02 01:03:00 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災
■前橋バイオマス発電事業の計画手続きが止まりません。この事業は、表向きは間伐材等の利用による再生可能エネルギー化を通じた林業振興という名目ですが、実際には、東電福島第一がメルトダウンを起こしたことによる緊急の放射能ベント(大気放出)や水素爆発等によって発生した放射能雲(放射能プルーム)が関東地方南部に流れ込み、それらが南風によって群馬県の山間部に吹き寄せられ降り注いだため、高濃度に放射能汚染された森林を、間伐によって除染するのが主目的です。にもかかわらず、行政はそのことをひた隠しにして、冒頭のような大義名分をかざし、しゃにむに事業を進めているのです。

監査委員事務局の受付窓口。


 間伐による森林除染案は、原発事故後の翌々年に福島県で浮上していました。県土の約7割が森林の同県では、街部を除染しても森林から放射性物質が流れ込んでくるため、福島県は間伐材を木質バイオマス発電に利用する構想を立ち上げたのでした。除染のほか、発電、林業再生、雇用創出の「一石四鳥」を狙ったものです。

 しかし、その後、広大な森林の間伐材の伐採と搬出と焼却は、むしろ放射性物質の拡散につながるという懸念が強いことがわかり、殆ど進みませんでした。ようやくここにきて、森林除染効果をモデル地区でやってみようという動きが出てきたところです。


**********朝日新聞デジタル2016年3月10日05時00分
森林除染効果、里山で検証へ モデル地区10カ所程度
 東京電力福島第一原発事故で汚染された森林の除染などについて環境省、復興庁、農林水産省の作業チームは9日、福島県内に10カ所程度のモデル地区を設けて実証事業を行うことを決めた。人が立ち入ることの多い森林で除染や間伐をして効果を検証する。
 モデル地区は、国の直轄除染の対象となっていた地域や、その周辺の市町村に設ける。林道やキャンプ場、シイタケのほだ場など人の利用が多い「里山」を抱える集落を対象に、除染や間伐などを行う。
 住宅地や道路の除染を優先させてきたが、森林の除染は対象範囲の具体化が遅れていた。チームは今後、福島県などと協議して、対象となるモデル地区を2016年度内に選ぶ。3年を目安に事業を進め、モデル地区以外でも除染が必要かどうかの判断や、避難した住民に帰還を考えるのに役立ててもらいたいという。
**********

■一方、原発事故以降、群馬県では汚染した樹木を燃やすことは高濃度の放射能を帯びた焼却灰を生じることになるため、絶対に禁止という通達が農林業関係者に出されました。それは今でも撤回されたという話をきいていません。

 そのような情勢のなかで、今回の前橋バイオマス発電事業計画が、昨年5月に突然発覚したのでした。そのきっかけは、電中研に隣接する赤城ニュータウンに住む住民の皆さんが、5月の連休の最中、突然こだまする工事の騒音に静寂を破られたからです。

 この騒音が、実は前橋バイオマス発電施設用のプロセス水や冷却水の確保のための地下水採取用の井戸掘削工事だとしった住民の皆さんは仰天しました。以後、この計画内容について、行政側の群馬県や前橋市、そして事業者に対して行政情報の開示や地元説明会の開催を求めてきました。しかし、行政の腰は重く、事業者である関電工やトーセンに至っては、ノウハウの漏洩防止等を理由に、極めて消極的な対応に終始してきました。

 地元住民の皆さんの懸念は、東電の息のかかった関電工がなぜ木質バイオマス発電事業に乗り出してきたかということです。林業とは無縁のこの会社が、間伐材や廃材等の焼却を伴う事業に関心を示すことは、当然放射能対策に困っている東電の思惑がその背景にあるからです。

■関電工、そしてその意を汲んでいる行政側としては、東電の原発事故が発端となり活発化してきた再生可能エネルギーのうねりを逆手に取り、今度は自ら汚染させた森林の除染事業を、この再生可能エネルギー事業を隠れ蓑に推進できることに気付いたのです。

 そして、おそらく彼らの思惑は、「森林にばら撒かれた放射性物質は、汚染された間伐や廃材等を焼却することで濃縮でき、あとは、住民らの目につかない所で、排水を地下浸透させたり、焼却灰はどこかにカモフラージュして処分させたりすれば、どうせわかりっこない」といったところかもしれません。

 それにしても、東電があからさまに、自社のグループ会社をこうした林業振興を装った放射能汚染した森林除染に乗り出すのですから、群馬県、そして前橋市もなめられたものです。しかも、補助金をつけてこの事業を後押ししようというのですから、公僕としてのモラルも何もありません。

■こうした中、当会では昨年夏以来、赤城ニュータウンの住民の皆さんで結成された住民団体である「赤城山の自然と環境を守る会」から、この問題の対処について相談を受けてきました。そして、昨年9月に、まだこの計画が未成熟にもかかわらず、群馬県は前橋バイオマス発電事業にかかる燃料の木質チップ製造施設に対して補助金4億8000万円を平成27年度補正予算に計上したのでした。

 そのため、年度末の最後の日の3月31日(木)午後1時半、当会は赤城山の自然と環境を守る会と連名で、群馬県知事・大澤正明に対して、補助金の交付を停止するように、群馬県監査委員に請求書をとりまとめで、提出しました。いわゆる住民監査請求です。内容は次のとおり。

********************
             群馬県職員措置請求書

大澤正明群馬県知事に対する措置請求の要旨

1. 請求の要旨
 事実証明書1によれば、群馬県は、平成27年9月4日に平成27年度9月補正予算案として、次の事業を後述する補助交付金の対象事業(以下「本事業」という)として計上し、本事業は、同年9月14日から10月7日まで開催された群馬県議会第3回前期定例会に上程され承認された。
  事業名:(新規)木質バイオマス発電燃料製造施設等整備〔環境森林部林業振興課〕
  金 額:480,000千円
  説 明;・林業県ぐんまの実現に向け、未利用材の活用を推進するため、木質バイオマス発電燃料(チップ)の製造施設整備に対して補助。
      ・事業主体:前橋バイオマス燃料(株)
      ・補 助 率:6/10以内
 即ち上記の4億8000万円は、本事業費8億円に対する補助交付金で、国は50%、県が10%の補助率とされている。
 本事業は、関電工が、親会社である東京電力を主体とする赤城山麓にある電力中央研究所の敷地内に建設を計画中の木質バイオマス発電施設に併設される、同発電施設専用のチップ破砕施設やチップ加工施設貯蔵庫の整備を行うもので、発電用に使われるチップの年間生産量は7万トン、原料である間伐材等の受入量は8万4100トンであり、補助対象施設設備は、燃料乾燥施設、作業用建物兼燃料貯蔵庫、チップ製造機等とされている。
 また、本事業主体は、㈱トーセン、㈱関電工、群馬県森林組合連合会、群馬県素材生産流通協同組合の共同出資の「前橋バイオマス燃料㈱」とされている。
 しかし、当該補助金が投入されることになる木質バイオマス発電用のチップ燃料の製造施設整備事業、および、同事業と同じ場所に立地される木質バイオマス発電施設は、未だに事業の内容について、不確定な情報が多く、事業者はもとより関連自治体など行政側においても、十分に説明責任が果たされているとは言えない。それにも関わらず、既に本件補助金の交付申請を提出済みだということを、事業者側が自ら認めており、近日中に補助金が交付されようとしている。
 本事業により燃料の供給を受ける関電工とトーセンが出資する前橋バイオマス発電㈱による木質バイオマス燃焼による発電事業では、放射能汚染された燃料を燃やすことにより、高濃度の放射性物資が濃縮され、それらが排ガスとして、あるいは燃焼灰として、さらには排水として、長年にわたり半恒久的な排出源となることから、その影響は地元及び周辺住民のみならずひろく群馬県に住む多くの県民に及ぶことになる。
 そのような危険性が指摘される中、住民らの不安要素が払しょくされないまま、木質バイオマス発電事業が進められているが、次に示す問題点により、本事業は補助金交付事業として不適格であるため、群馬県知事においては、本事業に対する補助金の交付を直ちに取り下げることが必要である。
 次にその理由を述べる。
(1)補助事業の目的から逸脱していること
 本事業は、次の補助事業によるものとされている。
<森林整備加速化・林業再生総合対策事業>
 この補助事業は、「森林整備加速化・林業再生計画」と呼ばれており、実施要綱別記1の第1に定める森林整備加速化・林業再生計画(以下「再生計画」という。)は、都道府県が地域の特性を活かし、地域が主体となって林業の成長産業化を実現するために、森林整備加速化・林業再生交付金(以下「交付金」という。)を活用して行う事業(以下「交付金事業」という。)の実施により達成すべき目標及びその達成状況を客観的に評価できる内容並びにそれを実現するために必要となる内容をとりまとめた計画とする、とされている。
 本事業は、放射能汚染のリスクがない地域においては有効であるが、東京電力福島第一原発事故により大量に外部に放出された放射性物質が風にのって、隣接の北関東の山間部に降り注いだことによる放射能汚染の被害を受けた群馬県や栃木県、茨城県等においては、リスクの増大に結びつく結果をもたらすことになる。
 よって、放射能の除染対策に手を付けられない群馬県やその周辺の森林からの間伐材を集積してチップ化して燃焼させることは、法令違反行為であり、森林整備や林業再生という次元よりさらに根本的な住民の生命や財産の安全のほうが重要であることから、補助対象事業には当たらないことは明らかである。
(2)補助金交付を受ける資格がないこと
 関電工は、福島第一原発事故の原因者である東京電力のグループ会社であり、本来、放射能汚染に苦しむ住民に対して、謝罪すべき立場にあるはずである。また、事実証明書2によれば、株式会社トーセンが平成26年2月28日に設立した㈱松井田バイオマスという法人が平成26年10月30日に看板を架け替えただけの㈱前橋バイオマスに対して、事実証明書3によれば、関電工は、本件事業で補助金交付に関して群馬県議会の平成27年第3回定例会議の最中の同年9月28日に、群馬県森林組合連合会、群馬県素材生産流通協同組合とともに、104株の出資参加をして、併せて、関電工の戦略事業本部開発事業部長の石塚浩が取締役として役員に就任している。
 即ち、知事大澤が、平成27年9月4日に平成27年度9月補正予算案として、次の事業を後述する補助交付金の対象事業として計上し、同年9月14日から開始された群馬県議会の定例会期間中、9月25日(金)の県議会本会議、一般質問までは補助金交付を受けるための事業主体ではなかった。
 また、事実証明書3によれば、㈱前橋バイオマスの定款には「間伐材・廃材等の森林資源を有効利用してのバイオマス発電燃料云々」と記されており、本来、㈱トーセンは、廃棄物中間処理の許可が必要な廃材や木くずなどを間伐材に紛れ込ませて発電燃料として受け入れることを想定していた。そして、平成27年9月28日に関電工らが出資参加した際、「間伐材等を有効利用してのバイオマス発電燃料云々」と定款を変更したが、依然として「間伐材“等”」というふうに表現しており、放射能汚染された木くずや廃材などを間伐材に紛れ込ませようとする意図が強く感じられる。
 さらに事実証明書5び事実証明書6によれば、平成27年6月22日に関電工とトーセンによって設立された㈱前橋バイオマス発電では、定款で「間伐材・廃材等の森林資源を有効利用してのバイオマス発電燃料云々」と明記されており、㈱前橋バイオマスの定款のコピペであることがわかる。このことは、㈱前橋バイオマス燃料の現在の定款に記されている「間伐材等」の“等”の意味が、廃材も含む可能性を示唆しており、極めて危険である。
 このような行き当たりばったりで未成熟な事業にたいして、補助金の交付をすることは、「最少の経費で最大の効果を挙げる」ことを要請している地方自治法第2条第14項及び「経費は、その目的を達するための必要且つ最少の限度をこえて、これを支出してはならない」 とする地方財政法第4条第1項の各規定に違反するものである。
(3)地元及び周辺住民への事業に関する周知が不徹底であること
 事実証明書9に示すように、本事業については、平成27年5月の連休中に、事業計画予定地の電力中央研究所の敷地に隣接している赤城ビュータウンの住民らが、関電工が施工主として密かに掘削作業をしていた騒音に驚き、原因を調べてはじめて本事業の存在が発覚した。その後も、関電工は、本事業に関して、近隣住民に対する個別説明方式にこだわり、現在でも、「赤城ビュータウン以外の住民は原則として事業説明の対象としない」とする立場を取り続けている。
 関電工による昨年10月、12月、今年3月に開かれた地元住民説明会では、口コミで本事業の存在を知った赤城ビュータウン以外の参加住民らが、「放射能汚染された木質資源を燃やすという違法行為による広範囲の放射能汚染の拡散のリスク」をアピールして、県内に広く事業の周知徹底を要請する声を上げても、本事業主体のリーダーである関電工は「我関せず」という態度をとり続けている。
 こうした関電工による本事業に関する極めて消極的な説明責任を見るにつけ、地元及び周辺住民らは関電工など事業主体に対して、一層不信感を募らせざるを得なくなっている。
 さらに、同じく本事業の事業主体である㈱トーセンに至っては、住民らの強い出席要請にもかかわらず平成27年10月3日の第1回地元説明会や平成28年3月27日開催の第3回地元説明会には全く顔を出さず、唯一平成27年12月20日開催の第2回地元説明会に出席したが、本事業について一言も語ることはしなかった。このため、監査請求人らをふくむ住民らは、肝心の本事業に関わる木質燃料チップ工場の施設の内容についての説明を事業主体から受けられずにいる。
 このような事業内容の不透明性と、情報開示への消極性は、本事業の目的である「都道府県が地域の特性を活かし、地域が主体となって林業の成長産業化を実現する」こととは、相容れない。したがって、そのような社会性に欠ける企業が進める本事業には、我々の血税である補助金という公金を支出することは絶対に許されない。
(4)事業主体の出資者である関電工の社是や環境方針と合致しないこと
 関電工は事あるごとに、環境への基本姿勢を強調しているが、これを遵守するためには、本事業はまったく馴染まない。だからただちに本事業を白紙撤回しなければならない。
(5)安全な間伐材を県内から安定的に調達することは不可能であること
 事業主体である関電工は、当初のうち群馬県内の間伐材を100%使用すると言いながら、まもなく、万が一足りなければ、近県の間伐材も入れることを可能性として仄めかす発言に転じている。このように、言っていることが最初に比べ、あれもこれも変わること自体、信用できない。
 本事業により発電用に使われるチップの年間生産量7万トン、原料である間伐材等の受入量8万4100トンの安定した確保が、事業実現の基本の一つであるが、群馬県内における森林バイオマスの賦存量の実態をみれば、年間間伐材等の受入量8万4100tもの確保は到底現実的ではない。
 このため、事業主体は上述のとおり、群馬県以外の周辺の栃木県、長野県、埼玉県等から必要に応じて間伐材等を調達する必要があると認識しているのである。そうなると、福島県の製材所で保管されていた大量の放射能汚染木くず・バーク(樹皮)チップなどの特定廃棄物相当のサンパイが、東電から依頼を受けた元官僚で自称コンサルタントの男により、福島県外に持ち出され、滋賀県の琵琶湖西岸に不法投棄された放射能汚染木くず・バークチップが、群馬県民のしらないうちに前橋市内の産廃中間処理業者の破砕施設に持ち込まれ、他の廃材等と眞挫合わされて、オガクズとして群馬県内外に販売された事件と同様な手口で、群馬県外から大量の危険な放射能汚染廃材等が持ち込まれる可能性が極めて高くなる。
 とりわけ、関電工は、絶対安全だとしていた福島第1原発の重大事故の責任を取らないまま、多額の税金を政府につぎ込ませても平然としている東京電力のグループ会社である。本事業が、東電の思惑で立案されたことは、こうした背景から容易に想像できる。
 もし、本事業に補助金が交付されると、東電の除染責任を我々の税金で尻拭いされることになる。東電の息のかかった東電工は、本事業へのこの補助金がないと、事業がなりたたないとしているが、そのような不採算事業を強引に推進する背景には、東電の思惑が見え隠れしているのである。
 群馬県の誇る安心・安全な生活環境、営農環境、自然環境を厳守し、次世代に引き継ぐためにも本事業を助長する補助金の交付は、県民への裏切り行為であり、直ちに停止しならない。
(6)事業主体の信頼性に瑕疵があること
 群馬県に提出された事業計画の情報公開で入手したが、近隣住民への説明経過によると、事実証明書7により、「反対者ゼロ」などと事実と全くかけ離れた文言が続き、虚偽を記載をし、不正に補助金の支給を受けようとしている。
(7)放射能汚染対策に重大な不備があること
 放射能対策が全く盛り込まれていないことは明らかである。放射能汚染物質対策の不備による放射性物質の流出が懸念される理由と、関連する施設の場所・工程を次の①~④に示す。
 ①事業主体の関電工は、地元説明会での配布資料(事実証明書8)では「間伐等を受入する際、トラックスケールで検査する」としているが、メーカーは技術面から「管理基準値(40ベクレル/㎏)は、到底できない」と発言している。その時のやり取りを次に示す。
   (質問)走行しながらの測定ということで、トラック全体の総ベクレルが370kBqということではなく、ある一定の塊の線源が370kBq以上ないと測定不可能という解釈でよろしいでしょうか。
   (回答)その通りです。【回答者:株式会社テック・デル高畑】

  また、関電工自身も、3月26日の話し合いや3月27日の説明会の場で、住民からの質問に対して「できない」と答えている。したがって、放射能のかなり高い間伐材が持ち込まれても、その実態について全く把握できないということになり、それによる危害は甚大である。
  つまり、その約1万分の一である40ベクレル/㎏など測定できるはずもない。
 ②貯木スペースは間伐材の乾燥のため野天に保管されるが、風等により放射性物質の敷地外への拡散防止策が講じられていない。また、雨等による放射性物質の排水口や敷地外への流出対策が講じられていない。
 ③チップ加工時の放射性物質の空気中への拡散防止策が講じられていない。
 ④チップの脱水時の排液を、放射性物質を未処理のまま地下浸透させてしまうことになり、関東平野の地下水資源に対する重大な脅威となる。
 以上のことより、近隣住民の生活保全環境はもとより、田畑への営農環境、河川への自然環境への放射性物質の流入による重大な環境破壊の危険性はかなりの確率で高くなることは必至である。
(8)本事業主体の運営・技術面に係るレベルと実績等がお粗末であること
 事業主体のひとつである㈱トーセンは数年前に、製材工場で山火事を起こし、体育館などを全焼させた。にもかかわらず、今だに火災の原因は不明とされ、何の対策もとられていない。このままでは、本事業が行われる赤城山での山火事発生の危険性が大いに想定されるため、周辺住民の静観環境や財産保全に対して脅威となる。以下、㈱トーセンのホームページからの火災発生に関する記事を引用する。
  トーセンのホームページのURL:
   http://www.tohsen.net/news_topicsn.php?num=62&yr=2013
   那珂川工場火災のお詫びとお礼
    平成25年9月28日(土)午後10:00、県北木材協同組合 那珂川工場におきまして、火災が発生致しました。関係各位、地域住民の皆様には、多大なご心配、ご迷惑をお掛けいたしました。この場をお借りしまして、お詫びとご協力のお礼を申し上げます。
    なお、旧体育館(加工棟)の全焼という事態となりましたが、地元消防団、消防署、行政の皆様のご協力により、消火は完了し、那珂川工場内の他の設備、隣接の発電施設建設地への影響はないことをご報告致します。

(9)環境アセスメントを実施しないまま計画を脱法的に進めようとしていること
 本事業では、年間8万トンの木質チップを発電用燃料として製造する計画だが、それを全量発電施設で使用した場合の排ガス量について、きちんとした計算手順と結果について、群馬県からも事業主体からも全く説明がなされていない。群馬県は当該木質バイオマス発電所の制度設計前の平成27年3月に総排気量が4万ⅿ³/hr以上あるかどうかの詳細審査を実施せず関電工に環境アセスメント対象外として事業者に通告している可能性が高く、本事業は法令違反であることが明白である。

 以上のさまざまな観点から、現在のところ森林内に隔離されている放射能汚染物質だが、本事業が実施されれば、これらの危険物質が人家の近くに大量に持ち込まれることになる。しかも焼却をすることにより、さらに放射線レベルが高くなり、一層危険度が増すことになる。この結果、放射能汚染の拡散と高レベルの放射能物質発生を招くという脅威に群馬県民がひろく晒されるのである。このため、憲法に定める多数の住民の生存権が脅かされているのであるから、知事大澤には、本事業に対する補助金の交付による財政支出を停止する措置をとる義務がある。
 よって、監査委員は知事大澤に対し、次の措置を講ずるよう、勧告することを求める。
本事業に対する補助金の交付に関し、平成27年度補正予算から支出することを決めた措置を撤回し、補助金の交付を停止せよ。

2.請求者
  住所 〒379-0114群馬県安中市野殿980番地
  職業 会社員(市民オンブズマン群馬 代表)
  氏名 小川 賢
  電話 090-5302-8312
  住所 〒371-0244群馬県前橋市鼻毛石町××××
  職業 会社員(赤城山の自然と環境を守る会 事務局長)
  氏名 羽鳥 昌行
  電話 027-283-××××

地方自治法第242条第1項の規定により、事実証明書を付して、必要な措置を請求します。

平成28年3月31日

群馬県監査委員(あて)

          事実証明書
1.平成27年度9月補正予算検討案(知事査定)



2.㈱前橋バイオマスの履歴事項全部証明書(平成27年9月27日以前)

3.㈱前橋バイオマスの定款(平成27年9月27日以前)

4.㈱前橋バイオマス燃料の路歴全部証明書(平成27年9月28日以降)



5.㈱前橋バイオマス発電の履歴全部証明書

6.㈱前橋バイオマス発電の定款

7.近隣住民への説明経過(林業振興課 開示資料)


8.地元説明会で関電工が配布した説明資料の一部「環境対策(放射能測定)」

9.その他、事業主体の説明不足やルール違反の経緯等を示す証拠















          添付書類
事実証明書の写し             各1通
********************


いつきても暇そうな監査委員事務局。


ページごとに詳しくチェックされる。

■監査請求書を提出後、県庁5階の記者クラブ「刀水クラブ」で記者会見を行いました。当会代表と、赤城山の自然と環境を守る会から4名の計5名で、約25分に亘り、この問題について説明し、質疑応答を行いました。

県庁5階記者クラブ案内板。

刀水クラブ入口。

 前日に幹事社の上毛新聞社に記者会見を申し入れてありましたが、年度末の最終日ということもあり、結局上毛新聞と読売新聞の2社が、記者会見に顔を出しただけでした。

 その後、林業振興課と環境政策課を訪れて、あらためて前橋バイオマス発電計画により、取り返しのつかない放射能汚染を周辺の生活・営農・自然環境に対して引き起こす危険性について説明し、この無謀な計画の中止を訴えました。

 なお、住民監査請求は監査委員事務局により一応収受されたことが確認されましたが、正式受理かどうかは、追って、補正命令があるかどうか次第となっています。

 引き続き、監査委員事務局から何か連絡があれば、都度動静を報告します。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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