市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

大同有毒スラグを斬る!・・・読者からの質問にお答えします「不法投棄って何ですか?」の巻

2016-04-12 23:50:00 | スラグ不法投棄問題
■当会のブログの愛読者の方から、「簡単に『不法投棄とは何ですか?』を説明してください。」というメールをいただきました。当会では、極力分かり易く説明しているつもりなのですが、産業廃棄物処理法などを引用しながらお伝えしていると、どうしても難しい説明になってしまいます。そのことを、当会もかねがね苦慮していました。そこで好評シリーズを一時中断して、逆の視点から説明してみたいと思います。

9.11大同・佐藤ブラック連合に強制捜査が入った当日も、我が物顔で県内を走り回るスラグ運搬車。いったいどれだけの有害危険スラグを不法投棄してきたのだろうか。

■まずは前提として、大同特殊鋼渋川工場由来のスラグは、フッ素という毒が含まれた有害・産業廃棄物です。廃棄物処理法では「鉱さい」に分類されます。これは環境省と群馬県の説明で確定しています。詳しくは末尾資料1を読んでください。

 毒が含まれた産業廃棄物はどのように処分されるのでしょうか?日本産業廃棄物処理振興センターの説明を引用してみましょう。

廃棄物処理の流れと行為および廃棄物処理法上の用語の概念図。

 詳しくはこちらをご覧ください。↓
http://www.jwnet.or.jp/waste/knowledge/shorinonagare.html

 産業廃棄物の処分には次の二つがあります。
   中間処理
   最終処分


 大同特殊鋼のスラグには環境基準を上回るフッ素が含まれていて無害化する技術がないので、中間処理はできません。したがってその処分方法は最終処分ということになります。


■最終処分とは、最終処分場に廃棄物を埋設することです。最終処分場は、廃棄物処理法によって次の3つに分類されます。

  遮断型最終処分場
  安定型最終処分場
  管理型最終処分場

 上記のとおり3つに分類された各々の処分場に埋立処分できる産業廃棄物と最終処分場の構造基準・維持管理基準が定められています。

 詳しくはこちらをご覧ください。↓
http://www.jwnet.or.jp/waste/knowledge/saishushobunjou.html

 大同特殊鋼渋川工場から毎日排出される鉄鋼スラグには環境基準値を超えるフッ素が含まれています。大同は、このスラグに含まれる有毒物質のフッ素を無害化することができず、そのため、安定型又は管理型最終処分場にはスラグを埋設することができません。したがって、大同スラグは遮断型最終処分場に埋設されることになります。現在の大同特殊鋼から発生するスラグについては、長野県でコンクリート詰め処理されて、富山の遮断型最終処分場に運ばれて埋設されています。

■ようやく、お待たせしました。ここで今日の本題であります、『不法投棄とは何ですか?』を皆様と共に考えてみましょう。

 毒が含まれている「スラグ=鉱さい」は、遮断型処分場に最終処分しなければなりません。これが適法処分です。

 では、遮断型最終処分場に埋設されず、国道や地方道・農道に埋設された処分はなんでしょうか?これは不適法な処分、つまり不法処分=不法投棄ということが、簡単にご理解いただけると思います。

*****有害スラグの図解*****
遮断型最終処分場に処分  → 適法処分
道路・ソーラーなどに処分 → 不法処分 = 不当投棄
**********

 山に穴を掘って埋める、道路に埋める、など、処分の最終形態にとらわれることはありません。遮断型最終処分場以外に処分されている有害危険スラグは全て、「不法処分=不法投棄」されたものと考えればよいのです。

 「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない」(産業廃棄物処理法第16条)。

 猛毒があるスラグは、遮断型最終処分場に処分されることが、法律が決めたルールです。ルールを破ってみだりに廃棄物を捨ててはなりません。

 大同・佐藤ブラック連合はルールを守りなさい!

 法律で決められたルールを破る者は、産業廃棄物の不法投棄の罪で処罰されなければなりません。

 では、ルールが破られた実際の現場をご覧いただきましょう。遮断型最終処分場でない上武国道に不法処分されたスラグです。すなわち、不法投棄現場です。
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1471.html#readmore


前橋市田口町の前橋渋川バイパスの起点の盛り土の様子です。


盛り土という土壌に、有害スラグがザックザク。遮断型最終処分場でない上武国道にスラグが処分されているので、これは不法処分=不法投棄です。

 次に、遮断型最終処分場でない県道(吉岡バイパス)に不法処分されたスラグを見てみましょう。
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1430.html#readmore


群馬県が計画を進める高崎渋川バイパス(吉岡町)です。


遮断型最終処分場でない高渋バイパスに、有害スラグがザックザク。最終処分場以外の高渋バイパスに、産業廃棄物を不法処分=不法投棄しています。

 お次は、遮断型最終処分場でない市道(渋川市赤城町)に不法処分されたスラグです。
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1390.html#readmore


渋川市が管理する深山赤城林道です。


遮断型最終処分場でない市道に、有害スラグを不法処分=不法投棄しています。

 さらには、遮断型最終処分場でない農道(渋川市赤城町)に不法処分されたスラグさえあります。
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1485.html#readmore


渋川市赤城町の農道です。


遮断型最終処分場でない農道に、有害スラグが不法処分=不法投棄されています。

■皆さまと一緒に考えた今日の結論が次です。

遮断型最終処分場以外に放置処分された有害スラグは全て不法処分=不法投棄である。

 理由はなんにせよ、大同・佐藤ブラック連合をかばい責任を取らせない者は、きれいな群馬ちゃんの敵です。そこで、もう一声発しましょう。

“きれいな群馬ちゃん”を返せ!
=============


【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】

※参考資料1:スラグは廃棄物であることについて
■環境省の説明をご覧ください。第187回国会 経済産業委員会 第8号(平成26年11月12日)において塩川委員の質問に答えた(環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)鎌形 浩史政府参考人の話です。
**********
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009818720141112008.htm
○鎌形政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘の鉄鋼スラグが廃棄物に該当するか否かという点でございますけれども、個別具体的な判断につきましては、産業廃棄物の適正処理に関する指導監督権限を有する、この場合ですと群馬県において適切に判断するということになりますが、その判断の考え方について申し上げますれば、物の性状、排出の状況、通常の取り扱い形態、取引価値の有無、占有者の意思を総合的に勘案して判断するということになります。
 御指摘の土壌環境基準については、そのうち、物の性状の判断の要素ということになるということでございます。

■続いて群馬県の説明です
***********
【大同特殊鋼(株)渋川工場から排出された鉄鋼スラグに関する廃棄物処理法に基づく調査結果について】
http://www.gunma-sanpai.jp/gp26/003.htm
2 調査結果
(7)
ふっ素の土壌環境基準等が設定されて以降、大同特殊鋼(株)渋川工場から製鋼過程の副産物として排出された鉄鋼スラグは、土壌と接する方法で使用した場合、ふっ素による土壌汚染の可能性があり、また、平成14年4月から平成26年1月までの間、関係者の間で逆有償取引等が行われていたことなどから、当該スラグは、その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び占有者の意思等を総合的に勘案し、廃棄物と認定される。
**********

※参考資料2
■スラグにフッ素が含まれていることについて
群馬県は、その調査結果で「ふっ素による土壌汚染の可能性があり」と説明しています。スラグにフッ素がふくまれているから、土壌と接する方法で使用した場合、土壌まで汚染してしまうのです。当会では100%スラグが投棄されていることをお伝えしていますが、100%スラグを投棄することは毒そのものを投棄していることを意味しています。
■それでは天然石と混合したスラグ混合砕石はどうなるのでしょうか?
「有害物質の希釈という禁じ手」
 大同特殊鋼は土壌汚染対策法で予定される分析方法を悪用して、今回の不法投棄犯罪を計画しています。その分析方法とは、天然石とスラグを現場から均等混合しながら採取し、これを粉にし、水に浸けて分析調査することです。固形の塊を粉にすることで、液体と土を擬態した調査方法といえます。この点、環境省は、「有害スラグと天然石は希釈されない」、つまり「混ざり合うことはなく、有害物質は薄まらない」と話しています。次の国会質疑を参照ください。
◆第187回国会 経済産業委員会 第8号 平成26年11月12日(水曜日)
塩川鉄也衆院議員(共産)
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009818720141112008.html
○鎌形政府参考人 御指摘は、廃棄物と認識されるものを廃棄物でないものと混合するという行為についてということだと解釈いたしますけれども、廃棄物につきまして処理という行為がございますが、廃棄物の処理につきましては、物理的、化学的または生物学的な手段によって形態、外観、内容等について変化させるということでございますので、御指摘のようなスラグを希釈目的で自然砕石と混合する、このような行為は廃棄物の処理には当たらないということでございまして、混合されたものにつきましては、廃棄物と廃棄物でないものを混合したものとして取り扱っていくべきもの、こういうことと解釈してございます。

※参考資料3:不法投棄の規制について
○2016年1月27日:大同有毒スラグ問題を斬る!・・・「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。」についての考察
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1871.html

※参考資料4:国会での国土交通省や環境省の説明
○2015年9月6日:大同スラグ不法投棄問題で浮き彫りにされた環境3基準面からの廃棄物としての取り扱い方の注目点
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1712.html
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大同有毒スラグ?を斬る!・・・シリーズ赤い水⑤「渋川市半田の赤い水」の巻

2016-04-12 00:38:00 | スラグ不法投棄問題

渋川市の「半田・半田改良その4」工事で完成したそそり立つテールアルメ(補強土壁)です。西側から見たところです。

 この現場の所在地はこちらです。↓
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 衛星写真で見るとこちらです。↓
<script type="'text/javascript'" charset="'UTF-8'" src="'http://map.yahooapis.jp/MapsService/embedmap/V2/?zoom=18&lat=36.465959976105104&lon=139.0277524016179&cond=&pluginid=place&z=18&mode=photo&active=true&layer=place&home=on&hlat=36.466051539893286&hlon=139.02774291760193&pointer=off&pan=off&ei=utf8&v=3&datum=wgs&width=480&height=360&device=pc&isleft='"></script>

*****リットン調査団の現況レポート*****
 リットン調査団レポート続けます(^^)/。


2016年4月の様子ですが、開通当初から赤い水が流れ出ていました。


噂のサビ色の涙もとまりません。


東側に回ってみましょう。天気は小雨でした。


赤茶色の水が下の方から流れ出ています。


中段からもサビ水が湧き出しています。染み出しているのとは違います。


アップで見ると、サビ水と共に亀裂が入っています。すぐ上には大型車両がひっきりなしに走っています。ブラック佐藤建設工業も、相も変わらず我が物顔で上武国道の工事現場へ、いかがわしい盛り土を運んでいます。何時か壊れて大惨事になるのではないでしょうか。


更に南に移動していくと、もうジャブジャブ赤い水が流れた跡だらけ。


更に高いところからも赤い水が流れています。もうあちこち赤い水まみれです。


安物カメラでズームアップ!赤い水の赤茶色が濃くないですか?100%スラグが不法投棄されているのですから、赤いサビ水の濃度も濃いですよね。
**********続く**********

■国土交通省関東地方整備局はこれまでに2度、渋川市半田の工事のフッ素の分析値を公表しています。

○平成26年 3月28日(月) 鉄鋼スラグを含む砕石の分析試験結果について
http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/kikaku_00000182.html
○平成26年12月26日(金) 鉄鋼スラグに関する材料の分析試験結果について
http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/kyoku_00000671.html

 この中で、今回の赤い水シリーズで取り上げた、テールアルメ(補強土壁)の工事名「半田改良その4」を書き出してみると、次の情報があります。

●平成26年 3月28日発表
No.1 H20 高崎河川国道事務所半田改良その4工事 
試料採取箇所:補強土壁 用途:置換工 フッ素含有量4.4(環境基準値0.8mg/L)
砕石直下の土壌 フッ素含有量2.0(環境基準値0.8mg/L)

●平成26年12月26日発表
No.7 H20高崎河川国道事務所半田改良その4工事
調査箇所:盛土 フッ素0.83(基準値0.8mg/L)


 以上のようになっています。

 当会には、大同特殊鋼渋川工場から直接スラグを運んで投棄したとする佐藤建設工業の関係者の証言や白い粉を現場に投棄するスラグ運搬車の目撃者証言が寄せられています。関係者からは、「この当時、スラグが置き場に溜まると大同様から『取りに来い』と電話が来て、湯気が出ている状態のスラグを夜に運んだこともある」ということも聞いています。

この渋川市半田は、大同特殊鋼渋川工場から車でほんの5分の距離にあり、東吾妻町のスラグ混合所までのアクセス時間である45分と較べると、雲泥の差があります。このため、直接大量に現場に投棄したのです。

■大同特殊鋼はスラグにフッ素が入っていることを刑事告発前から認めているので、混合せず、現場に工場から直接スラグを運搬することは“毒そのもの”を運搬する行為となってしまいます。佐藤建設工業は「半田その4工事」で“毒そのもの”を運搬し、投棄したことになるのです。

 スラグだけでは「半田その4工事」に要する大量の盛り土を賄え切れないので、しかたなく天然盛り土も搬入したのではないでしょうか?その結果、乱暴に現場にスラグを叩き込んだので、ある個所はスラグだらけ、ある個所は薄まった状態になっていると考えられます。

 こうして上記2つの公表結果が異なるのは、大同・佐藤が「スラグ混合砕石」と称する“製品”の管理をしていないからにほかなりません。スラグを不法投棄するのですから「管理」という概念がなかったのでしょう。製品管理を想定していないということは、「不法投棄」の判定基準に合致することを意味するでしょう。

 その結果、「半田その4工事」の現場では有害危険スラグの濃度が濃く、大量の赤茶色いサビ水が流れ出している現象が現れているのです。国土交通省の発表と赤い水の現場レポートが結びつく時、「赤い水が出ている近くに有害危険スラグが不法投棄されている」との結論が導き出されるのです。

【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】
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