市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

近年になく紛糾した東邦亜鉛安中製錬所における4.9第25回工場視察会の参加報告(その2)

2016-04-23 23:43:00 | 東邦亜鉛カドミウム公害問題
■東邦亜鉛安中製錬所の工場視察を終えた一行は、再び事務棟に戻り、11時から意見情報交換会に入りました。さっそく、続きのやり取りを見てみましょう。

安中製錬所の全景(ジオラマ)。

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視察後の協議風景。

会社司会:ご視察、大変ご苦労様でした。それでは、引き続きまして、意見情報交換会に移らさせていただきます。意見情報交換会で会社側の、司会役をさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。それでは、平成27年度経過と、28年度の設備改善計画等につきまして、所長の秋山よりご報告をさせていただきます。

会社所長:工場視察会、大変ご苦労様でございました。それでは早速ですが、私の方から、製錬所の27年度の近況と28年度の設備改善計画を、合わせてご報告をさせていただきます。27年度、環境面につきましては、順調で問題なく推移しております。一方、操業面におきましても、安定したものとなっております。えー、大型更新工事としまして、焙焼炉の天井レンガと側壁の更新工事、それから第2変電所の特高母線連絡遮断器更新工事、それからキルンのバグフィルター函体更新工事も実施しております。28年度につきましては、設備の老朽化に対応する工事として、キルン函体製作工事、キルンドライヤ駆動ギア製作工事の他に、ケイ滓置き場移転工事を予定しております。えー、工事の高額なものについて述べさせていただきましたが、今後ともに安中製錬所の設備を計画的に、より良いものにしていく所存でありますので、地元の皆様のご理解をよろしくお願い申し上げます。えー、引き続きまして、環境問題で懸案事項となっております畑地土壌改良事業などにつきまして、環境の中島の方より、報告をさせていただきます。

会社司会:それではですね、えー、環境管理室、中島より、環境関連の懸案事項に関しまして、27年度の大まかな経過についてご報告を申し上げます。まず、公特事業の推進についてですが、えー、当社は毎年、公特事業に関します、えー、行政側の窓口であります、群馬県農政部技術支援課、並びに安中市産業部農林課、まあ、こういったところと、事業の推進状況の報告を受けております。ただですね、今回につきましては、推進委員会の役員3名の方、こちらのほうに同席をいただきまして、4者間、要は、県、市、推進委員会の役員会のかた、それと会社という4者間に拡大しまして、28年の1月25日に、意見交換会を実施しております。議題の中心についてはですね、20年前に議論をされました立木補償に対する考え方についてのすり合わせを行った、というものでございます。現時点の会社の考え方を披歴させていただきました。席上ですね、推進委員会の皆さん、役員さんからは、昔の話をだいぶしていただきました。えー、まあ、そう言った中でですね、えー、4者間の最終の目的については、事業の早期決着、これを目指すものだと、いうことで、えー、会社としては、昔の記憶や思惑が事業推進の障害にならないために、過去の立木補償の経緯は白紙で考えてほしい。また、一般的に・・・一般的には、公特事業で立木補償はない。ただですね、えー、仮に事業推進のために必要とするならば、あらためて協議に応じたいと、いう意向を伝えております。事業の推進状況につきましては、行政の窓口から、27年度の目標と致しまして、対象エリアを再度調査したうえで、事業の見直し計画を確定し、概算事業費の算出を27年10月ごろまでに行い、その後ですね、会社を含めた、関係機関と協議を進めたいという意向を窺っておりました。しかし、残念ながら、作業は1年程度遅れていると、いうふうな報告がありました。ただですね、全く前進が無いわけではなくてですね、えー、客土の確保につきましては、公特・・・公共事業等で発生した優良土壌を公的な土地に確保するなど、具体的着工に向けてチャンスを逃さないように、鋭意、準備を進めているという話しもうかがっています。また本年4月には、県・市の農政担当の人事異動がありました。会社としては、新しい担当にですね、面会を求めまして、本件の解決に向けたご尽力を強く要請した、会社としましては、今後も推進委員会の早期実現に向けたご努力に期待を寄せながら引き続き強い関心を持って注目していきたいというふうに考えています。続きまして27年度産米のカドミウム濃度の調査結果についてご報告いたします。ご案内のとおり、23年度産米から作付け禁止の新規格、こちらが0.4ppmになりました。更に、国による買い取り制度、こちらもなくなっております。そうしたことから調査結果の動向が注目されていますが、27年度も5年連続問題なし、との報告を受けています。安中市については、毎年5件の希望者を対象に、継続的に検査を実施しておりますが、結果はいずれも基準値を大きく下回るという内容であったという報告を受けております。またですね、高崎市ですけれども、農協で実施した対象地の27年度調査結果については、0.1ppm以下ということで、問題なし、ということで報告を受けております。以上が会社側が把握しております27年度の状況でございます。詳細部分については、ご質問にお答えする形でご理解を賜りたいと思いますので、よろしくお願い申しあげます。では、以降の進行につきましては、高坂先生にお願いをいたします。よろしくお願いをいたします。

弁護団司会:皆様どうもご苦労様でした。それではあのう、視察会、視察の結果、あるいは日ごろ疑問に思っていること、質問や意見がございましたらお願いします。

会員N:Nです。あのう、今度ほら、鉱滓置き場というんですかね。あの隣がうちの、いま竹ヤブになっているんですけれど、あれは公特事業で(汚染土を)剥ぐんですよね。で、畑にするんですよ。で、そこの隣に、そういうものを置かれると、また畑が汚染されちゃうんじゃないかと思うんですよ。

会社副所長:まあ、絶対そんなことがあってはいけないんで、えー、十分その辺も配慮します。で、まあ、あのう、バスの中でも説明しましたけれど、境目から1mぐらい下がったところに、えー、4mぐらいのですね、擁壁を作って、さらにその上に20mぐらいの鉄のフェンスで、それをホコリが飛ばないように、えー、十分するつもりであります。で、あのう、鉱さいというふうに言われましたけれども、ケイ滓については、もうそんなに、あのう、亜鉛の濃度も高くなくてですね、まあ、鉄が40パーセントぐらいのものなんですけれども、ホコリは出しちゃいけないっていう、あれになっているんですけれども、その辺は十分、あのう、配慮して、えー、せっかく公特事業をやるところを、また汚すようなことがあったり、あるいは、もうだいぶ住居もできているんでですね、そういう人たちに音とかホコリとか、嫌な思いはさせないようにしたい、ということで、一応、計画しています。

会員N:そういう、デカいものを作ると、今度は畑に対して風通しが悪くなるんじゃないかな?

副所長:そ、その辺はあるかも・・しれないですね。ちょっと・・・まあ、それはちょっと、また話合いをさせてもらったりしてもらいたい。

会員N:この前も言ったんじゃあねえけれども、お墓のところと交換っつーことはできなえんかね?

副所長:で、ですね、そのう、公特事業の土地については、えー、まあ、そのう、対会社と個人と・・やらないように行政のほうから指導もあってですね、気持ちはよーく分かるし、うちもそうしてほしいとは思うんですけれども、やっぱし個別にいろいろやっちゃうといろんな問題が起きるということので、そうしないでほしいと言われています。ということなんで、全体の中で、あのう、推進委員会の中で認めてもらうんであれば、いいと思うんですけれども、あのう、今個別でそれをやるということは、ちょっとできないんで、ご容赦いただきたいと思うんです。

会員N;あと、野殿に緑地帯をあんなに作るのに、岩井の、岩井の、こう人家と東邦亜鉛の間に、ちょうどあの辺は緑地帯にしても良いんじゃないかなんて、俺は思うんだけれどね。

副所長:そ、その件は会社として、ちょっとコメントできないので、あのう、まあ、そちらの対策委員会の方でですね、推進委員会の方で、えー、いろいろご討議していただければなというふうに思います。会社としては、その決まったことについて精一杯、協力をしていくような姿勢で臨んでいきたいと、いうふうに思っております。

弁護団司会:あのう、補足してお聞きしたいんですけれど、えーと、今の場所はどの辺なんですかね?

会員N:なんというかな、変電所のすぐ隣なんです。

弁護団司会:昔の変電所のところなんですか?

会員N:そう。

弁護団司会:で、今そのう、会社の方で計画をお話しなさいましたけれど、今その計画というのはどの辺の段階なんですか。まだ図面を書いてみた段階なんですか?

副所長:ええ、えーとですね、えー、まあのう、けい滓についてはそうなんですけれども、実は今まで井上道路さんに貸してまして、まあ、あのう、まあ、使う材料をためておられたんですけれども、うちのほうがトラックの大型化とかが最近ものすごい勢いで進んでいまして、えー、ちょっと手狭になったことで、ということでかえしてほしいということで、かねてより言ってました。で一応、今月の3月にですね。あのう、賃貸契約が切れまして、やっと返してもらうんですけれども、えー、それでですね、えー、まああのう、目的は、あのう、ケイ滓を置くところなんですけれども、まあ、井上道路さんの場合でしたら、あのう、何を置いてもいいというか、まあ、あんまり規制はないんですけど、当社の場合は、そのう、雨水の対策だとか、今言ったホコリの対策だとかですね、この辺きちっとやっぱりやって、地域の皆さんにもご理解をいただかなくちゃいけないということから、えー、考え方としては、あのう、要は地下浸透しないセメントの厚みのですね、えー、床にして、今言った塀を4m、高さ2mのフェンスで囲んで、えー、ホコリと音ですね。これを遮断して、えー、これは法的にはですね、あのう、一般・・・大気汚染防止法の一般・・・えー、えー、粉塵発生施設という、まあ、それ、今も、あのう、山の中腹にある置き場も同じなんですけれども、そういったものの法律が掛かります。で、まあ、当社としてはそれ以上の、ものをちゃんと作ってですね、それと、まあ道路の、あの、トラック、とにかくデカかくなっちゃってますんで、その、あのう、道路についても、会社側につくって、岩井のほうはもう完全に止めて、もう、そこにトラック・・・あそこ農免道路ですから、あっちのほうにトラックが、あのう、行き来しないような形にしたいということで、計画ができています。で、ですね、えー、大気汚染防止法の一般、えー、発塵施設については、えー、図面を出して、1カ月後に着工と言うことになっています。ですから、今はまだ、そのう、塀とか作る段階にはなっていません。井上道路さんから返してもらって、今、その事前のですね、あの、現況復帰を今、してもらっているところです。で、えー、図面を早急に出して、1カ月後に着工したいと思います。で、最終的には、えー、今年の10月に全部を完成させたいというふうに考えております。以上です。

弁護団司会:その施設の場所は、あのう、公特事業の対象になる土地のすぐ隣にできるという位置関係なんですか?

副所長:えーと、今ですね、今も、あのう、超高圧の隣に、Nさんの土地があってですね、そこはもう、農免道路をつくるときに、あのう、ちょっと遮断されて、非常に入りずらい所になってしまっているということですね。まあ、昔からの口約束で、うちの土地、あのう、あのう、記念碑がある隣に持っていますので、そういうところと交換すればいいではないかという話は、むかしの人もしていたというふうに、我々も聞いております。ただ、これはですね、公特事業がきちっとできるまで、そうやたら会社のほうで、じゃあいいよ、あそこを替えてやると、いうようなことをしてはいけないということになってまして、まああのう、長い間、公特事業が進まないことの一番の原因なんですけれども、まあ、中島さんの家は不便だと言うか、公特・・道路で仕切られた、えー、会社側の土地を、まだ持たされているところだという状況です。で、まあ、会社の考えとしては、まあ、皆さんの理解が得られるのであれば、当然、会社に近いほうは会社のほうで管理させてもらって問題が起きないようにして、えー、まあ、皆様の家に近い方は、えー、と、交換するような形ができればすばらしいというふうに思っていますけど、ただ、個別にそうやってはいけないということも、行政の言うのも理解できるんでですね、えー、まだしばらく我慢してもらえないかというふうに思っております。

弁護団司会:はい。

副会長:今のね、話なんですけれども、私、この前、そのう、2回目の打合せの時、出なかったので聞いていないんですけれど、実はその話はまだ会員のところには周知していないんですよ。要するに、変電所の跡にモノを置くということは、ね。変電所の跡に今、モノを置くという話しですよね。

副所長:ええ。ええ。

副会長:その話は、緑の大地を守る会の会員にはまだ周知されていないんですよ。

副所長:今、今話していることなんで。今で。

副会長:それでね、今も、会社のほうからは話が無くて、中島の方から話があって、その話がでてきたんだけれど、もともと、あの土地についてはね、いろいろ問題がありまして。早い話が、あの土地を売ったのは、(高崎)信金に含めて売ったのは、東邦亜鉛は、あの沢から東には出てもらっては困ると、ね。そういうことで、ただ同然で売ったんですよ。ところが、どうにあれしたんだか知らないけれども、信金が買ったところを東邦亜鉛にやっちゃったんだと。交換は・・・あのう、東邦亜鉛には絶対に譲らないという但し書きがあったにもかかわらず、そうなったんですよ。それ、知っているでしょう?

副所長:いや・・・。

副会長:知らないっていうことはないでしょう?!あれだけ大騒ぎをやったんだから、弁護士は知ってらいね?

会社顧問弁護士:・・・。

副会長:知らないってシラを斬るんだね?ね?それであの当時ね、すったもんだやって、東邦亜鉛と、高崎信金との土地交換については問題があったんですよ。あったでしょう?

会社側:・・・。

※感想:東邦亜鉛が、高崎信金との間で、密約を交わし、農民からただ同然で買い上げた農地を、安中市と結託して農地転用をこっそり許可したうえで、等価交換をしてしまい、野殿から降りて来るタテの沢から東側の土地を首尾よくせしめたこの事件は、ブラック公害企業の東邦亜鉛の悪名を地元に浸透させ、不信感を極限まで募らせた歴史的な詐欺行為として、今でも地元住民の間で語り継がれています。にもかかわらず、東邦亜鉛は既に過去のこととして平然とやりたい放題の体質を、今回、住民の前にさらけ出した格好です。

副会長:知らないっていうことはないでしょう。今、ここにいる人たちは皆、知っているわけですよ。ね?そういう状況の中にあって・・・。

副所長:あのう、馬入れのことですか?

副会長:えっ?高崎信金と東邦亜鉛と土地交換をしたんでしょう?

副所長:はいはい。

副会長:そのときですよ。本来、高崎信金は、東邦亜鉛に譲ってはいけないという但し書きがあるにもかかわらず、それに違反して、交換したんですよ。そのあと大騒ぎになったでしょう?

副所長:申し訳ないです。ちょっと私は、あのう・・・。

副会長:なあに、皆んなそうやってね、知らないって言うんですよ。うん。

副所長:いや。

副会長:ね。だから話がこじれるん、ね。ですから、この問題はね。緑の大地の会で、検討します。それまでの間は、使わないでください。それを申し入れます。それでよろしいですね?

副所長:いやちょっと、そういう認識はちょっと、我々にはない。

副会長:なかったんでしょう?

副所長:ええ。

副会長:なかったというのは、そんなものは構わないでおけばいいや、ということなんだよ。

副所長:いやいや、そうじゃなくて、今でも超高圧発電所を造りましたし・・・。

副会長:じゃあそのう。検討するということでいいですか?私の方で。

副所長:というか・・・。

副会長:緑の会で検討して、で、(ケイ滓=スラグを)置いてもいいかどうかを、返事をする、ということでよろしいですね?

副所長:いやいや、それはちょっと困りますね。いや・・・

副会長:では、勝手にするわけ?もう、あれですよ。土地は東邦亜鉛のものです。ですから、一般的にはそれでいいんだよ。だけれどもね、その土地が東邦亜鉛のものになった時、いきさつというものがありまして、なんでそうにしたのかということになると、これはね、あの土地の持ち主によるとね、そういう約束事が破られるという事は大変なことなんです。そうするとまたね、東邦亜鉛はいつだってみんなあれだよ、約束を破っているだから、そういうふうになっちゃうんだよ。あそこは変電所だからいいよ、という形で一応収まったんだすよ、あの時に。そこへね、工場の関係のものを持って来るという事になると、その約束違反になるわけですよ、ね。ですから、そういうことでは、その、地元と会社との間の信用関係が崩れてしまう。だから、所長は知っているだろうけれどもね。あのう、一番根本は何か、ということを、もう一度、考えて見てもらえませんか。ね? ものが出来ないので、私はいろいろなことを工夫してやってみたんですよ。やっぱりだめだった。ある人が来てね、ははぁ、ダメかい、あれだい、えー、いい気味だとはどのときはいわなかったけれども、困ったもんだなあと言って他の所へ行ってね、うん、会社に言って、あいつのうちはやられてよかったっつーんで、よくそんなことを言われてさ。それを俺に教えてくれた人がいるけれども、そんなことは個人的なことだから、いいけれども、とにかくね、田ノ口の人たちはね、ど~~んなに苦しんだかね。凄いもんですよ! そのために、信金を含めて、三者に、タダ同然の値段で譲ったんですよ。その時に、東邦亜鉛には絶対に渡さないという約束事を書いてね、契約したんですよ。ですから今、あの、オサカベ自動車が、買った所も、前の持ち主から、それが伝わっているはずです。ね。そういうことでやって来た変電所。ね。そこに工場の関係のモノが置かれるっていうことになるとね、地元でやはり検討してみないと、これはね、大問題です。ね。置いてもいいよとなるか、置いちゃ困るということになるかは、分からない、検討しなければ。だから、その検討する間、保留にするというかたちにしてほしい。そういうことです。

弁護団司会:あのう、今後、こちらの方で検討すると?

副会長:検討しなければ、なんとも言えません。私がひとりで言うわけには行きません。

弁護団司会:で、検討して、えーと、希望としては、それまでは保留してもらいたいと。

副会長:当然です。

弁護団司会:まあ、あのう、継続してその点については、申入れを、たぶん、すると、なんらのかたちで、協議をすると。そういうことですよね。えー、その点はどうですか?

副所長:いや、ちょっとですねぇ・・・まあ、ほんとに申し訳ないんですけれども、まあ、小川さんもこう、頷いておられましたけれども、そんな有名な話ですか?

参加者A:有名な話ですよ。有名な話です。農地転用をね、みんなインチキ書類でね、やったということは皆知っていますよ、それは。大変なことです。これは。

副会長:知らないっていうのがおかしいんですよ。

参加者A:そう、どうしてそういうことができたかっていうのが問題なんです。有名な話です。御社の、あのう、不信感の、えー、大きなひとつの元凶となっている歴史的事件ですね。

副会長:当時はみんなしっているわけだから。

参加者A:幹部の方は全部しっているわけです。暦年の幹部のかたは。そういうことをしたんだから。ものすごく有名な話ですよ。だから、ほんとうに何をするのかな、と思ったけれど、今、話を聞いて私もビックラこいているんですけれどね。とくにスラグということに絡んだ話だと、ちょっとこれ捨て置けないですね。

副所長:うーむ。

参加者A:ほんとですよ。よく聞いてください、あのう、本社の、暦年の(幹部の)かたに。まあ、ご存命の方がどのくらいいるか知らないけれど。まあ、皆さんが知らないというのもおかしいと思うんですよね。吉澤さんも生え抜きでだから。いやあ、あそこの土地をいじるという事は大変なことですよ。

弁護団司会:いずれにしても、こちらのほうでも、まだあのう、十分には検討していないと、そういう状態ですから、そちらのほうで、どういうふうに対応するかという事で、それに基づいて協議をすると、申し入れると、いうことになると思いますよ。会社のほうもなにかあるでしょうけども、まあ、現段階では、だから、こちらのほうで、そういうふうに決まったから何かしろ、ということは、なかなかまだ、手続的にまだ、言う段階ではないと思いますけれども、こちらのほうで協議をして会社と協議をしたいということになると思いますね。

副所長:ちょっと、さっきの件ですね、ちょっとそこまで考えていなかったんですが、あのう正直、たいへん、あの、認識不足で申し訳なかったんですけれども、ちょっと、その辺のいきさつとかも調べる中でですね、あのう、もうちょっと、受入も、我々の担当のほうからそんな全然話をしていないんですが、早急にですね、あのう、所内協議も踏まえて、またちょっとコンタクトして、連絡を取らしてもらいたいと、まあ、白石さんを通していいですね?

弁護団司会:そういうことでよろしいですか?

副所長:ええ。

副会長:保留するということだね?

副所長:保留するかどうかまだ、決まっていないですけれど・・・。できるだけことは協議して・・・。

副会長:まあ、あのう、ここに出ている人は、権限がないでしょうから、今、保留するとは言えないかもしれないけれど、じゃあ、持ち帰ったら、保留どころじゃないよ、直ぐ実施しろよ、ということになったから、実施することになりましたというのでは困るんです。それじゃあ、今言ったことと同じじゃないですか、ね?だから、うちのほうで検討するまで、まあ、保留するということで、どうでしょうか、ね?それが一番妥当じゃないかと思うんですよね?他に方法はないと思いますよ。保留しないで、あんたがたが先に検討するって言ったってさ、何のために検討するのか分からないよね。だから、そういう強い気持ちであったと、それを踏まえて会社のほうも対応していただくっていうことになるんじゃないですかね?

副所長:まあ、保留っていう約束、できないんですけれども、経営のほうで判断して、あれですけれど、説明義務はあると思うんで、白石さんをとおして、特にこの会の皆さんを中心にですね、その辺の計画の説明とか、ご理解を求める対応は取らしてもらいたい、というふうに思うんですけれども、直ちに保留しろというのは、ちょっと今の段階では、お答えできないので、その点はちょっと勘弁してもらいたいんですけど。

副会長:はい、あのう、今ここで保留することは言えないということはね、会社の経営上わかります。けれどもね、保留しませんでしたよ。だから実施していいんですよ、というなことでも困るんです。

副所長:ですから、説明を。

副会長:説明が納得いくまでは、実施されては困るんです。ね。今まで、この会社との折衝で、こうやってきて、ここ、そういう大きな問題はなかったんですよ。ね。それを、今までの取り決めの中で、そうやっているからと思っていたんですよ。でも、ね、東電のころから、ね、違反しているような、こちらが勝手に違反していることでしょうけれども、で、ということになると、これは、ああそうですか、というわけには、いかない、ということですね。

副所長:まあ、過去的にあるかもしれないですけれど、ただ、それも、決着しているんじゃないかと思うんですけれども、ちょっと、我々も、古い、昔のひとから事情を聴取してですね、いろんな資料も調べて・・・しますけれども、一定の決着をしていると思うんですけれども、あのう、なんというか、そのまんまにして、もう何十年も、もう40年経つとおもうんですけれども、いや50年かな。超高圧、つくる時の話だと思うんですけれども、まあ、ちょっとそれを調べてですね。

副会長:あのね、これは多分ね、法律上でいけば、はあ、土地がこうなっているんだから、済まされることだと思うんだけれどもね、でもね、あの土地の売買というかね、それはもう、泣きの涙でやって、それで東邦亜鉛は、あの沢からこっちにはこないんだ、ということで、よかったということになったんです、ね。その時に、話に出たのはね。どうせ安ガネなんだから、タダ出してこうにしたらどうかという話をしたところ、それは農業委員会でとおらないからダメだということになって、廃案になったんですけれどもね。あのう、やはりね、約束したことはね、守ってもらわなきゃあ困るんだよね。でないと、地元と会社との間というものがね、やっぱりしっくりいかないんですよね、それから、まあ、もうひとつ、これは申し訳なかったということで、会社の本社へ言って、それに向くように、地元の要望に向くように、やり方を考えて欲しいというで、鋭意やってください、ね。まあ、会社・・・工場とすれば、なんでも、あそこに置くようにしたほうがいいと、俺たち、俺の土地なんだから、ということで進めたいんだろうけれども、あの土地については、特殊事情があることをよ~く承知しておいていただきたいんです。

弁護士団司会:はい、じゃあよろしいですか?

参加者A:あのう、先ほども申し上げたんですけれども、今のスラグの新しい置場ということにも関係するかもしれません。あのう、東邦亜鉛に、えー、材料、廃棄物、まあ、副産物といいますかね、えー、搬出入する場合に、主に、安中貨物と言われる、まあ、鉄道で、福島県の小名浜から、まあ毎日、夕方になると運んできますね、電気機関車で、十数両くらいで。で、それ以外に、トラックで運んでいるということを昨年お聞きして、で、実際に、そのう、早朝ですね、こういった、あのう、深アオリ式のダンプで、あのう、が往来しているわけです。いわき市ナンバーでね。東邦キャリアというのを確認しました。で、その一方で、(東邦)キャリアじゃなくて、やっぱりいわき市のアレで、全然名前が書いてないということで、昨年、このあと、吉澤さんなりにお聞きしたんですけれども、あと冨澤さんかな、えー、石井さんもいらっしゃったけどね。で、そういうものを使って何をしているんですか、ということで、私はまあ、電話もしたんですけれども、あれは、銀滓とか、要するに付加価値のある有価物、つまり亜鉛を搾り取った残りのですね、銀成分をリッチに含むやつを、小名浜に返す時に、積んでいるんだと。それからまた一部鉱滓も、来るときも・・・、いや、(鉱滓ではなくて)鉱石も積んでくるときもあるというふうにおっしゃいました。で、えー、吉澤さんのお話ですと、じゃあなぜ安中貨物で帰りの便でそういったものを積まないのですかと言ったら、「これはコンタミネーションが起きると。つまり、せっかく鉱石で、クリーンな原料のバージン原料が来たのに、帰りの便で、精製をした副産物、特殊な成分を含んで貨車が汚れて、まあ、してしまうから、帰りの便はカラなんですよと、その代わりにトラック等に積んでいると。私はまあ、全貌は全く分からないんですけれども、今のスラグの問題でですね、どういう形で、あの、搬出しているのかと。まあ、お話によるときちんと有効利用されていると。昔はまあ、ポルトランドセメントのね、太平洋セメントに卸したときには・・・今は別の会社らしいですけれども、その際にやっぱりこういった深アオリのですね、ダンプを使っているのかどうか。えー、安中運輸を見ると、そういうダンプでなくて、普通の、まあ、ダンプと言うか、えー、ロングベースのですね、製品を積むやつはよく見ます。あるいは、硫酸を運ぶタンクローリーも見ます。で実際に私が毎朝、しょっちゅう目にする、いわきナンバーの深アオリのダンプはいったい何を積んでいるのかということなんですよ。で、今言ったスラグをですね、運び出すときには、まあこれ、今、私、大同スラグを追及していますけれども、えーとですね、普通のダンプトラック、つまりスラグは重たいですから、比重が大きいですから、嵩張りませんから、まあいわゆる、あのう、アオリの低いやつね、通常型のダンプ。ところがですね、私が見るやつは東邦キャリア、それからその外注先の、まあ、得体の知れないのも含めてですね、今まで3社くらい確認していますけれども。なぜ、そういうところを使ってね、そういうことをやっているのか。実に不思議なんですよ。それで、実はあのう、深アオリのダンプは、あのう、土砂とかですね、えー、鉱滓、鉱石を運んではいけないはずだと私は思っているんですけれども、えー、なぜか知らんけど、だけどそういうモノは一切ない、こういう得体のしれない、深い箱をですね、持った車が右往左往している。で、今のそのスラグの新しい置き場というものね、私はどういう背景で、あのう、あそこに新設をされるのか。非常に御社の環境面を含めた方針で、詳しく説明を聞きたいんですけれども。えーとですね、運び出すときに、きちんとまず、この運び出し方のトラックの選定について、法令を守っているのかどうかと、いうことを私はシカと今、確かめたいんです。そうしないと、今のスラグの新設の場所についてもね。えー、まあ、いろいろな背景があるんでしょう。えー、たまたま、まあ、大同スラグの問題もありますし。あそこの中途で野ざらしにしてね。あの、中腹に、足場の悪い所で、まあ、今日も、私も全然フェンスも何もない(状況を目にして)、これでいいのかなと思った。そしたら、たまたまそういう話が、さっき、まさに聞いてですね、しかもそれが昔の高圧のね、変電所の跡地にできるということで、まあ、仰天したんですけどもね。えー、だからコンプライアンス上ですね、きちんとやっている、というところを説明してもらえれば、あっ、これに関してですよ、いいんですけれども、どうもそうじゃない。去年、まあ、お聞きして、調べておきます、ということだったんですけれども、まだ返事がない。そこについて、申し入れというかたちでね、今、申し上げました。


事務棟の隣にある子会社の安中運輸の事務所。製品出荷の他、鉱石や鉱滓、スラグなども一部傭車に出している可能性が高い。

安中運輸には深アオリのダンプは見当たらないが、いわきナンバーの東邦キャリア以外の得体の知れない胡散臭いサンパイ運搬用ダンプがしょっちゅう出入りしている状況については、今後とも監視の目が必要だ。

副所長:じゃあ、そこで、いいですか?

弁護団司会:はいどうぞ。

副所長:はい。えー、確かにですね、小川さんのほうから、えー、そういう、まああのう、まあ、調査依頼というかですね、えー、きちんとしなさい、ということで、お話があって、まああのう、ちゃんとそのう、勉強するというか、それが書いてある、あのう、まああのう、インターネットの、項目までですね、教えていただいて、えー、弊社のほうでも随分それを調べてます。で、えー、まずですね、えー、考え方については、これは、あのう、鉱石を運搬して来て、で、中間原料の鉛原料を契(島事業所)に持っていくものを、あのう、復便(ふくびん)でやっているんですけれども、これの解釈はですね、えー、「工業製品」ということなんだそうです。貨車で持ってくるのもそうですし、牽引車で持ってくるのも、工業製品という分類だそうです。土砂とか鉱滓ではなくでですね、そういう手続きの、運輸省のほうで認めてもらってやっていると。それから、まああのう、庸車ということで、えー、東邦亜鉛から、あのう、荷物の、えー、運搬・・・運ぶのを、あのう、依頼するのは東邦キャリアという関連会社なんですけれども、そこから、庸車というかたちで、えー、まあ、いわゆる子会社というかですね、まあ、正直言うと、2、3台しかトラックを持っていないところも、そういうところも使っています。ただ、そこもきちっと運輸省の許可を取って、えー、やって、トラック業を、トラック運送業をやっている会社で、で、あのう、小川さんから指摘のあった会社も、えー、確かに、あのう、大きく名前が書いてあるところが、こうシートで隠れていたというようなことがあって・・・あったんですけれど、それ、隠しているわけじゃなくてですね、ちゃんとした会社でありました。それも、ちょっと私、すぐ即答できないんで、キャリアの方を通して確認したんですけれど、ちゃんちお有資格の輸送会社だということで、あります。で、えー、一番のもとについては「工業製品」ということで認められてきたと、今までですね、という見解であります。

※感想:当会は、深アオリのダンプトラックに、東邦亜鉛が自称「工業製品」とよぶ貨物を過積載しているのではないかという疑惑をもたれないようにしたほうがいいのではないか、という意味で質問をしているのに、運ぶ荷物が合法的だというふうに必死で弁解する東邦亜鉛の態度が余計怪しいと感じた。それにしても、「鉱石」や「鉱滓」が、「工業製品」として、あたかも別の物質になったかのような論理が果たして通用するのだろうか。

参加者A:スラグの件は?

副所長:えっ?

参加者A:要するに、今、あそこで、えー、年間ね、えー、(スラグが)7万トンくらい出るんですか?えー、それをあのう、どういうふうに運び出しているんですかね。どういう車で。安中運輸じゃないですよね?あれもね。

副所長:安中運輸じゃないです。

参加者A:あれもね、東邦キャリアですか?

副所長:東邦キャリアじゃなくってですね、えーまあ、あれはお客さんの方で用意したり、いろいろありますけれども、えー、一部ですね、今あのう・・・まあこれ、ちょっと小川さん非常に詳しいんですけれども、えー・・・。

参加者A:いや、いいですよ、言わなくても。私わかっているんですけれども、おぼろげに。もし、会社の機密であるならばね。

副所長:機密ではありません。あのう、要は、あのう、鉄原料で、鉄が40%、亜鉛が3%くらいのもので、今までもずっーとやっていたんですけれども、セメント屋さんの方でですね。鉄、まあ鉄原料としても、鉄原料が暴落をしておりまして、なかなか、えー、有価で、いわゆる運賃・・・運賃よりも高い値段でですね、売ることが難しくなっていることはひとつの背景にあります。これは認められる範囲のことなんですけれども。で、セメント向けについてはですね。えー、もう、当面、無理だということで、えー、これはあのう、逆有償の、一般廃棄物、法律上ですね、一般廃棄物の取扱にして、これは3年前から、えー、そういうことにしてます。これについては輸送から全部、あのう、マニフェストを書く必要がありますので、輸送から最終確認、安全なものになるまでの確認は、うちの義務でやっていると、いうことで、えー、一応そういうふうにしています。ただ、全て、だからケイ滓がすべて廃棄物ということではなくて、有価の部分があれば、それは、あのう、そういう形で評価してもらえば売るという・・・そういった、まあ中途半端な状況になっていることも事実です。まあ、ちょっとこの辺ですね、小川さん、話がものすごく難しくなると思うんで、できれば・・

参加者A:うん、また、あとでやりますけれどね。

副所長:できれば、この会の外でやってもらいたいんですけれど。

参加者A:まあ、今のスラグ問題があったから、まあ、これをね、ちょうど出したんですけれどもね。じゃあ・・・。

弁護団司会:よろしいですか?

参加者A:えーとね、もう1点あるんですけれど、他のかたで。もう時間があと15分しか無いんでね。もう1点、ちょっとね、うんと気になることがあるんですけど・・・。

弁護団司会:ちょっとそれでは、他のかたで。あれば。

副会長、意見は?

会長:意見ね。うん、おらあ、今、黙って聞いていたんだけどさぁ、藤巻さんと会社側の対応はどうなるんだろうと、私も判断はつかないけれども、納得のいく線にしたいので、私は進んでもらいたいと思います。藤巻さんのいうとおりと、会社の話し合いがうまくいかないんだよと、こういう会があって、そういうことのないように、話し合っていくのが、この会の目的なんで、だから悪い所は直して、嫌なことはよして、私も質問はなくはないけど、製錬工場に対して朝晩見ているけれど、曇って、ばかにボロの会社になったなあと思うと、雨が降るときれいになっている。そういうのは、どういうわけか聞きたかった。今のこの、藤巻さんの言うのと、会社の言うのは、よく話し合ってしなければダメだと思うんだ。私は口をつぐめば、すむことではないんだから。私は、それで会社のことも、今更通るか通らないか、とことんまで話して、した方がいいと思うんだ。やはり会社の言っていることは、とことんまで、納得できるまで、話し合うのが、ひとつこの会の意義があると思うんだ。だから、私の言うのは、今、あそこに新工場ができて、目の前でいい天気が続きゃあ、まあ、失礼だけども、あまりいい会社じゃあねぇえと思ってみていると、雨が降るときれいな新しい良い会社に移るんだが、それはどういうんかって聞きたかったなんだ。だから、今質問したように、藤巻さんと会社の話し合いは、とことんまでやって、納得できるまで話してさ、で、やってくんない。おれが今質問すべぇと思ったのは、古い硫酸工場と、それはしょうがないからやっているのか、それとも、常に直しているんかというんです。その新しい会社が、会社のあれは、雨が降るときれいな会社になって、天気になってくると、どうもあんまりよくねぇから、それ、きくべぇと思っている。それには粉塵が飛んでいるんかなぁと、俺は考えている。それだけ回答願います。

副所長:まぁあのう、粉塵、あのう、さっきのですね、あのう、藤巻岩男さんの件については、さっき言ったとおり、説明責任をちゃんと果たしてですね、で、あのう、みんなから理解してもらえるまでやっていきたいと思いますんで、それは事務局長さんを通して、また、やらしてもらいます。で、あのう、埃っぽいという話なんですけど、まあ、非常に残念なんですけど、ただですね、あのう、ここは、あのう、まあ、昔からそういうことが有ったので、群馬県の方で、降下煤塵というのを、あのう、ずっと、あのう、見て、そういうことがないかどうか、調べています。で、まあ、うちも調べているんですけど、県の方は県のデータで、あのう、環境白書ということで、毎年9月に県議会に報告があって、あのう、一般にも、報告なんですけど、この数値はですね、あのう、決して埃っぽいということじゃなくて、あのう、そんなに、あのう、増えてないよと。むしろ落ち着いているよと。で、まあ、その中に含まれるカドミウムの濃度はどうなっているということも、それも、年々下がっているという評価をいただいております。そういう、あのう、数字的にはそうなんですけど、ただ、まあ、そうに思われるのは、まだちょっと残念だなあと思っているんですけれどもね。まあ、25年やっているから、もうそうとう信用してもらっているかなと思ったら、まだ、ちょっとそういう見方があるのかなあと思っている。

会長:そういうふうに、飛んでいるとさ、付近の農家の畑に入ったりなりしてさ、ヒ素とかさ、溜まると困るからさ。気を付けてくんない。

副所長:そういうことで、降下煤塵の削減というのも、あのう、大きな目標としてですね、会社全体でやっています。

会長:はい、わかりました。んで、あと、くどくなるけれども、私が申し上げたいのは、今現在、あの、吉澤さんと藤巻さんが申し上げたことは、完全にとことんまで話して、解決つけて下さい。会社としても私どもも、いい加減にする訳にはいかないんで、ひとつ、ぜひ、皆さんも考えて、東邦亜鉛側も考えて、こちらの皆さん、納得のいく線でやってください。ひとつお願いします。

弁護団司会:じゃあ、あのう、最後の質問でなにかあれば。はい、どうぞ。

参加者A:いいですか、すいません、あの、実はですね、あのう、えー、これも去年の会議の後ね、いろいろ吉澤さんのほうから教えてもらったんですけれども、あのう、おそらく、端的に言いますと、御社の産業廃棄物を受入れて、処分しているということなんですよね。で、それについてはホームページのほうで、毎年掲載しているからそれを見てくれと言うことで、私、過去5年間載っていましたから見ました。で、昨年を見ますと、木くずがですね、あのう、80トンだったかな。18トンだったかな。要するに木くずを燃やしているんですよ。えー、要するにあのう、御社が、その製錬工場という名前を掲げているんですけれども実際には、あのう、昨年の場合はですね、木くずを燃やしていらっしゃいますね。えー、それから、これ1.6㎥か、あ、1.6トンですね、えー、去年の4月。それからさらにさかのぼりますと、あのう、その前は、えー、木くずが80トンですね、平成25年の4月から6月にかけて、あ、違うわ、秋まで。ほぼ年周だ。その後さらに見ますと汚泥とかですね、金属くずとか、こう、いっぱい書いてあるんですけれども、で、汚泥と言うのはどういうモノかと、皆さんの作る汚泥をそのまま、焼却しているのかと言うと、そうでもなさそうですね。皆さんがやっているやつは、まだ亜鉛とかそういう金属リッチですから、みんなロータリーキルンにぶっこむと。だけど汚泥とかですね、金属くずをこれだけ処理したというのがよく分からないんですよ。で、えー、それはどこで燃やしたかと。群馬県のほうに聞きますと、皆さんが焼却施設を複数持っていらっしゃる、あのロータリーキルンとそれから鉱石を焼く焙焼炉ですよね。で、例えば、えー、犯罪の摘発で、あのう、灯油からディーゼルオイルを作るときのあの硫酸ピッチ。えー、それは処理するときには御社に頼んで、そのために中間処理施設の許可を得ているというような話もね、県の方の当局から聞きました。だけど、この汚泥を、しかも年間18万とかですね、24万トン、つまり、御社が、製品として亜鉛を作る製品の量よりも倍以上ですね、年間にこれを受け入れて、どこでどうやって燃やしてね、あるいはそれをどういうふうに受け入れたのかと。これは、4年くらい前の、だから平成24年頃は、18万トンですね、その前の年は20数万トン、皆さん、受け入れているんですけれども、これ、何をどういう目的でこれを受け入れたのか?ちょっと聞かせてください。環境への負荷も心配なのでね。また、今後、そういうことをおやりになるのかと。

会社司会:えーと、私の方から回答させていただきたいと思います。まず、汚泥金属くずについてですけども、これについては、廃乾電池の処理でございます。えー、自治体さんから発生する・・。

参加者A:金属くずはね。

会社司会:汚泥もそうです。えー、乾電池の外側が金属くずでして、その中身に関しては、亜鉛がかなり含まれていると。

参加者A:ああそういう意味なの。

会社司会:その、乾電池の中身については汚泥と言うことで取り扱いになるというふうに行政から言われていまして。で、えー、外側が金属くず、中は汚泥という形で、この金属くずの原因については、すべて乾電池の、まあ、リサイクルに関わるものでございます。

参加者A:えーと、プロセスの中に突っ込んだんですか。

会社司会:えー・・・

参加者A:焙焼炉で燃やしたわけね?

会社司会:はい。まず、選別をして粉砕をしたのちにですね、金属くずと汚泥に分けました。で、処分すると、原料として処理をするということです。

参加者B:水銀はでないんですか?

参加者A:いま、水銀という声もあるんですけれども、今、水銀は製品は電池に代わっていますがそういったそうのいわゆるあそこの焙焼炉、つまり御社で、えー、重金属類に対応するような公害防止のあれでない、例えば水銀なんかも、まあ重金属の一つなのかもしれないけれども、そういった心配、えー、公害防止機器に対する負荷がね、大丈夫なのかどうかということも心配で、まあ、それが周辺の降下ばいじんにどう反映されたかというのも、ちょっと比較してみたけれども、ちょっとわからないんですけどもね。じゃあ、もう事業を止めたから今後はないという意味ですね?

会社司会:そうですね、もう今、現在は扱っていない、処理していないということ。それともう一つ、木くずということだと思うんですが、これについてはですね、この所内で発生した木くずでございます。えー・・・。

副所長:あのですね、あのう、木くず、パレットとか、あのう、木くずについては、あのう、処理場にいって、炭とかにするんですけれど、うちのですね、硫酸工場は硫酸亜鉛溶液でSが入っているので、そういうところで燃すと、亜硫酸ガスが出てしまうんですよ。ということで、うちの中にも、あのう、ちゃんと法的な、ダイオキシンの、想定とかした焼却炉も小さいのもありますし、チップ状にして、それを焙焼炉に入れて、あのう、硫酸を脱硫装置を通して、無害化して、入れるというようなことをせざるを得ないと、いうことで、それをして、その報告をしております。全部うちから生産したもの、電解工場からの亜鉛電解もありますし、カドミウム電解もあるんですけど、酸が出てしまうとダメなんですよね。亜硫酸ガスが出ちゃうと。

参加者A:しかし、あのう、あれですね、例えば木くずなんかのね、炭素が入っているやつを、SOXをそのあと取って硫酸作るプロセスにたとえ80トンというね、年間80トンという少量でも、あのう、品質に問題ないんですか?

副所長:問題ないです。

参加者A:問題ないの?

副所長:問題ないです。ましてコークスとかを入れたりするし、電池の中のあのう心棒もそういう面で、あのう、ありますし、あのうマンガン分もですね、製錬溶剤で使ってますので、非常に、大事につかっている。まあ、仮にですね、水銀の問題、さっきから心配されていますけど、鉱石中にも、あのう、水銀は入っている。これはあのう、焙焼工程でですね、きちっと取れるシステムになってます。亜鉛精錬における。で、ということはその負荷が余計係るということはないと。ま、当然その、あのう、バランスを崩さないような、あのう、投入量を当然やっています。ということです。

参加者A:えー、ちょっと時間がない。もうちょっとで、もう一つだけ。

弁護団司会:かなり専門的なことなので。

参加者A:もう一つ重大な問題があるんです。たとえば、今乾電池の汚泥を、プロセスの中に入れたというんだけれど、つまり燃焼させたというんですけれども、それだけ年間24万トンもね、あのう、乾電池の中身を燃やす能力が、焙焼炉にあるわけね?とうことは、増産も簡単なわけね?ま、わかりました。有るということは分かりました。そんな膨大なやつをね、あそこに突っ込んで、そういうことは、そういう可能性は大いにあるということね。

副所長:24万トンというのはちょっとピンと来ないです。

参加者A:だって、平成24年度の、これ、年間18万1820トン、汚泥って書いてあるでしょ?産業廃棄物。28万。

副所長:ちょっとそれ・・・。

会社司会:数字が間違っているかもしれないですね。

参加者A:4月は1万300トン、5月は1万トン、6月は2万トン、7月、8月はゼロで、お休みだったのね。

副所長:そんなに、ちょっと。

参加者A:だからね。あとで、教えてください。時間がもうないから、あとで教えて。

副所長:そんなに処理できないあから、それがトンだとしたらちょっと間違いだと思います。

参加者A:いやいや御社が掲示している奴をそのままコピーをして見てるだけなんです。あと、あとで、すいません。時間がないから。

※事後報告:工場視察会のあと、東邦亜鉛の環境管理担当者らと当会との協議で、東邦亜鉛側から「当社のホームページにおいて、汚泥と金属くずの単位がキログラムだった。本来はピリオドとすべきろことを、カンマで表示してしまった。訂正したい」という説明があった。当会からは「直ちに修正が必要ではないか」とコメントをした。東邦亜鉛が指摘されたマチガイを修正したかどうかは、次の同社のHPでご確認ください。ちなみに4月23日現在、未修正です。
「廃棄物処理施設の維持管理に関する情報」⇒http://www.toho-zinc.co.jp/csr/attempt/maintenance.html


弁護団司会:じゃああのう、えー、質疑応答はこれで閉めさせていただきます。で、また(マイクを)お返しします。

会社司会:えー、高坂先生、どうもありがとうございました。えー、ではあのう、視察会の終了に当たりましてですね。代表の挨拶を頂戴したいと思います。安中緑の大地を守る会の副会長でございます、えー、藤巻岩男様、よろしくお願いをいたします。

副会長:えー、本日は長い間、非常によく説明してもらいました。ありがとうございます。まあ、会社と地域との間というのは、やはり、えー、会っていろいろ話をすることによって、えー、うまくいくのではないかと思います。えー、それについては、今日は、あのう、いつもの年に比べて、やり取りが激しかったかもしれませんけども、これは、結果としては、よいものになるのではないと、私は信じています。これからも、こういう機会があったら、お互いに腹を割って、いろいろのことを話し合って、えー、お互いが、共存していくようにしていけたらいいなぁと思っているところです。本日は誠にありがとうございました。

会社司会:どうもありがとうございました。えー、それでは、私ども、会社のほうから、えー、全社の環境関係の責任者であります乙葉取締役より、ご挨拶を申し上げます。

本社取締役:えー、本社の乙葉でございます。あのう、日頃からですね。安中製錬所およびその社員ですね、家族ともども、皆様には大変お世話になっておりますので、誠にありがとうございます。またあのう、本日はですね。貴重なご意見、ご指摘をいただきましてですね。重ねて御礼を申し上げます。えー、日頃ですね、大変お世話になっている地元の皆様にはですね、本日は直接安中製錬所をご覧いただき、それによって、まああのう、忌憚のないご意見も頂戴をするというようなことで、この場はひじょうに貴重な場であるというふうに私どもも考えております。えー、そういうことで、まあ、今後も、どうかよろしくお願いをしたいと思っております。で、ちょっとですね。まあ、弊社の現状について、えー、簡単に申し上げますと、弊社はこの安中製錬所を中心としてですね、展開をしております亜鉛事業については、えー、昨年夏以降ですね、亜鉛価格が、まあ、急落・・・急激に下落したようなこと。それから、亜鉛メッキ鋼板を中心とするですね、えー、亜鉛事業、それが、非常に減少をしていると。さらにはですね、亜鉛製錬のコストの中で、まあ、非常に大きな比重を占めております、えー、電気料金がですね、えー、値上がりをしておりますので・・ああ、して、高止まりをしておりますので、まあ状況としては大変厳しいものになっていると、いうふうな状況にございます。そのため、この平成28年3月期においてはですね。えー、弊社創業以来、まあ、最悪と申し上げていいと思いますが、えー、百数十億円の赤字を計上するというような見込みとなっております。えー、弊社といたしましてもですね、えー、この創業の地、安中において、えー、この製錬業を続けるべくですね、必死の努力を続けております。えー、この地でですね、えー、ただ製錬業を続けてまいりますには、やはり、地元の皆様方との共存共栄、これなくしては為し得ないことと考えておりますので、是非とも、今後とも忌憚のないご指摘、また、えー、ご支援も賜りますよう、ここで重ねてお願いを申し上げます。最後になりまして、大変恐縮でございますけれども、えー、ここにご列席の皆様方、及びその皆様方のご家族様等の、いやさかとご健勝を祈念してですね、本日の挨拶とさせていただきたいと思います。えー、本日はどうも誠にありがとうございます。

(正午のチャイムがちょうど鳴りだす)

会社司会:それでは、以上をもちまして第25回工場視察会を終了させていただきます。どうも大変ありがとうございました(場内から「ありがとうございました」)。えー、なお、本日はお弁当とお茶菓子を用意させていただきました。えー、忘れずにお持ち帰りいただきたいと思います。それでですね。お帰りになる前に正面玄関のところで、花の苗を手渡したいと思います。ひとりずつ、お持ち帰り頂きたいと思います。えー、お帰りの際は気を付けてお帰り頂きたいということで、どうもありがとうございました(場内から「どうもありがとうございました」と拍手有り)。
**********


視察会前後に安中緑の大地を守る会と東邦亜鉛との間で行われた協議が開かれた事務棟。

■東邦亜鉛という企業は、これほどまでにあっさりと、過去の忌まわしい所業を忘れることができる体質を現在も維持しているようです。

 今回、第25回工場視察会で初めて明らかになった、超高圧用変電所跡地へのケイ滓置き場の新設計画は、東邦亜鉛が過去にしでかした忌まわしい所業を決して忘れない地元住民の怒りを買ったのです。

 この超高圧変電所の設置は、昭和42年7月、東邦亜鉛が生産力を3倍に引き上げる計画に基づき、安中製錬所の大拡張計画を図ったことによるものでした。この大幅な生産力の増強計画に伴う有名な事件として、東電による強引な超高圧送電線設置が知られています。昭和63年1月30日平凡社刊の「安中 大地のいのちをいつくしんできた人びと・・・・安中の農民、50年の証言」に、当時の経緯が記載されています。

**********「あんなか」68ページ
送電線下に身をさらし
 昭和四二年七月、東邦亜鉛は生産三倍化を目ざし、安中製錬所の大拡張計画を図った。このために必要な電力は二七万五〇〇〇ボルト。「今までが六万ボルト。これ以上、稼働すれば生きてられねえってわけだ」(加部昇平さん)
●東邦亜鉛世界一へ
 東邦亜鉛は、鉱毒被害を与えながら、その防止設備に投資することを拒絶しつつ、昭和五〇年をめどに安中製錬所の生産三倍化の実効を図り、世界一へと発展しようとしていた。会社側の計画とは、資本金七五億(当時五〇億)電気亜鉛月産四万トン(当時一一、六〇〇トン)亜鉛華四、四〇〇トン(当時一、五七五トン)必要電力量二七万五〇〇〇ボルト、名実ともに安中製錬所を世界一位の電気亜鉛製錬所に発展させることであった。
 こうした安中製錬所の大拡張計画にもとづき、東邦亜鉛は、その第一歩として、必要電力量を確保するため、昭和四二年七月、従来の六万ボルトの高圧送電線に替えて、二七万五〇〇〇ボルトの超高圧送電線(単独の製錬所としては、日本でははじめての心美といわれている)の設置工事に着手した。これまで安中製錬所は、主として中部電力から電力の供給を受けていたが、今回の二七万五〇〇〇ボルトの超高圧送電線は、東京電力の手によって設置しようというものであった。その送電線は高崎市乗附(観音山の近く)から鼻高、安中市の岩井を通り、安中製錬所に至る約三、〇〇〇メートルの大規模なものであった。
 昭和四二年何月、この工事を請負った東京電力は、麦の収穫、田植えに多忙を極めている地元農民の目をかすめて、鉄塔建設用地の測量を行ない、岩井の農民の所有であるいうぃ地区の山林、桑樹を無断で伐採し、鉄塔予定敷地を確保し、鉄塔設置の工事を強行しようとした。この事実を目撃した岩井地区の農民は、山林、桑樹の無断伐採も許せないが、それ以上にこの送電線鉄塔建設が、工場の大拡張につらなる二七万五〇〇〇ボルトの超高圧送電線の設置にあることを知り、これ以上工場が拡張されることは「自分たちの死を意味する」として、反対への決意を固める。
 この超高圧送電線の岩井地区鉄塔敷地の所有農民は、七名(八本の鉄塔が岩井村落に建てられる)、その線下の土地所有農民は、五三名、計六〇名であった。
 これらの土地所有者は早速集会を開き、二七万五〇〇〇ボルトの貯高圧送電線設置に反対しようとの意向を確認した。
 こうして岩井地区農民が、超高圧送電線設置反対の決意を固め、その反対運動に立ち上がるなかで、農民の期待をになって藤巻卓次さん(当会注:現会長の父親)は、再び委員長に選任される。
 昭和二五年、東邦亜鉛公害対策連合会長として、一市三町五ケ村をあげての工場拡張反対運動に活躍し、ついに敗れ、「敗軍の将、兵を語らず」との言葉を残して、運動から去っていった藤巻卓次さんであった。その藤巻さんが、一七年ぶりに再び公害反対運動のリーダーに選ばれたのである。(以下、略)

**********

■タテの沢というのは、筆者もかつて5、6歳当時、北野殿から中宿の蓮華寺幼稚園に歩いて通っていたころ、いつも沢伝いにあった山道を通っていました。とくに冬場、北西の風が吹くと、すぐわきの東邦亜鉛安中製錬所の旧焙焼炉から垂れ流された黄色い亜硫酸ガスを大量に含む煙に山全体が覆われ、ガスを吸わないように地面に顔を付けるようにして呼吸しながら、速足で登下校をした記憶があります。

 その道の脇に、筆者の親が所有する畑がありましたが、まともに桑も生えず、せいぜい芋類ぐらいしか植え付けてなかったことを覚えています。やがて、養蚕業が苦しくなり、数年後には親はその畑を手放さざるを得ませんでした。そして、東邦亜鉛の所有になっていったのです。

 こうして、公害を周囲に撒き散らして、地元農家の経営を壊滅させて、地所を手放さざるを得なくさせることにより、東邦亜鉛は工場の敷地を拡大し続けて、現在は55ヘクタールという広大な敷地を所有するまでに膨れ上がったのです。

 今回、新しく画策していることが判明したスラグ置き場は、生産力三倍化による超高圧送電線の受電設備として、昭和40年代前半に、これ以上、東邦亜鉛に東側に出てもらってきては困るという、主に岩井地区の農民を、高崎信用金庫とグルになって騙し、ただ同然で獲得した土地です。それから半世紀を経過しただけなのに、もう忘れたふりができるのは、同社が公害企業としての特異体質を依然として維持していることの証左です。

■先週の日曜日(4月17日)午後、北野殿の西殿地区の畑で農作業をしていたら、前線の通過のせいか、北風に変わりました。すると、子どものころから嗅がされてきたあの特有な亜硫酸ガスの匂いが鼻を突きました。さっそく午後2時25分に東邦亜鉛に電話(0273821551)をしましたが、誰も出ませんでした。

 また、同社の子会社の安中運輸㈱が経営するジャンボゴルフセンターを時々利用する客からも、「最近変なにおいがする」という声がきかれます。

 東邦亜鉛安中製錬所に「亜硫酸ガスの匂いがする」と通報すると、かならず同社の環境担当者は「うちのではなく、隣のアスファルト工場(旧・井上舗装。現・NIPPO)からの匂いではないか」と言って、認めようとしません。亜硫酸ガスとアスファルトの匂いの違いは、子どものころから亜硫酸ガスを嗅がされてきた筆者には、歴然と区別ができます。しかし、東邦亜鉛は基本的に自分の非は認めないのです。

 そうした体質は、半世紀前に最悪の時期を迎えた安中公害で如何なく発揮されたのでした。既に、東邦亜鉛はその当時の悪事を忘れてしまったようですので、当会としては、あらためて当時の様子を皆様にお伝えてしていく必要があると思っています。

【ひらく会情報部・この項終わり】

※第25回工場視察会の席上、当会が準備して持参した資料
<安中製錬所廃棄物処理施設の維持管理に関する計画>
①2011年 PDF⇒2011_annakapv.pdf
②2012年 PDF⇒2012_annakapv.pdf
③2013年 PDF⇒2013_annakapv.pdf
④2014年 PDF⇒2014_annakapv20150414.pdf
⑤2015年 PDF⇒
2015_annakapv20160302.pdf
<土砂禁ダンプ>
PDF⇒20160409my_v.pdf
<安中製錬所環境方針>
PDF⇒20131030mbj.pdf

※どんどん進む新しいスラグ置き場予定地の整地作業(4月13日現在)


スラグ置き場入口のバリケードは湯川工務店のもの。

結局一度も使われなかった超高圧変電所。

超高圧変電所の建物内にある変圧器にはPCBが入っているはず。


PCBの関係からか、変電所建物の周りに弊を設けて、変電所建物はこのままおくつもりらしい。

鉄骨や碍子などは撤去するものと思われる。

整地用の小型ブルとローラー。

奥の竹藪は地元住民N氏とS氏の畑。その隣に、巨大なケイ滓=スラグ置場ができることになる。

まもなく解体される建物。

古くなって使えない工場施設が多数あるのだから、なぜスクラップ・アンド・ビルドをして、工場を拡大しないようにできないのだろうか。

新電解工場の横から進入路を設置し、スラグ運搬のための大型トラックの搬出入を容易にする計画だという。


解体作業中の重機。



かなりひろい面積がスラグ置場になる計画だ。

コメント
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近年になく紛糾した東邦亜鉛安中製錬所における4.9第25回工場視察会の参加報告(その1)

2016-04-23 21:30:00 | 東邦亜鉛カドミウム公害問題
■今年も恒例の東邦亜鉛安中製錬所の視察会が4月9日(土)午前9時半から正午にかけて実施されたので、昨年に引き続き当会も参加しました。

毎年4月上旬に開催される工場視察会。悲惨な安中公害を語り継ぐためにも重要なイベントだ。


気温の低い日が続いたので構内の桜はまだ見ごろを保っていた。

<第25回東邦亜鉛安中製錬所視察会>
日時:2016年4月9日(土)09:30-
参加者(敬称略)
 東邦亜鉛:中島正志、吉澤勇夫、秋山武郎、音羽俊夫、眞田淡史、石井光
 弁護団:4名(弁護士)
 緑の大地を守る会:20名程度(高橋由信、櫻井ひろ江、金井久男ら3市議含む)。

**********


会社側の紹介と挨拶。

会社司会:皆さん、おはようございます。(場内一同:おはようございます)環境管理室を担当しています中島でございます。本日の工場視察会におきまして、会社側の司会を担当させていただきますので、よろしくお願いいたします。それではまず会社側の出席メンバーの紹介をさせていただきます。まず、本社から総務本部長の乙葉取締役でございます。

会社取締役:乙葉でございます。どうぞよろしく。

会社司会:隣が、当社の顧問弁護であります眞田弁護士でございます。

会社弁護士:どうも、よろしくお願いします

会社司会:次に本社環境管理部の石井部長でございます。

会社環境管理部長:よろしくお願い申し上げます。

会社司会:続きまして、安中製錬所のメンバーでありますが、所を代表します秋山常務執行役員・所長でございます。

会社所長:よろしくお願いします。

会社司会:次に副所長の吉澤でございます。

会社副所長:よろしくお願いします。

会社司会:それと、環境管理室を担当しております、私、中島の6名で本日の工場視察会を担当させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。では、続きまして朝の代表挨拶を頂戴したいと思います。安中緑の大地を守る会会長、藤巻千浪様、よろしくお願いをいたします。

会長:私はあのう、声がでけえから、マイクは使わずにやります。皆さん、ご苦労さまでございます。本日は、忙しいところを、弁護士の先生の方々、また、市会の議員さんの方々、団員の皆様、会社の皆さん、大変ご苦労様でございます。第20何回という、会でございましてご苦労様です。まあ、サクラも咲くしいい陽気になりまして、また、そのような下で出来るということは本当に喜ばしいことです。どうか、この会を通じて、またいろいろな意見を出したり、また出して、会を進展させていきたいと思っております。同か皆さまもご協力をお願い致します。大変言葉は尽くせませんが、大変おせわになりました。よろしくお願い致します。最後に皆々様の益々のご繁栄をお祈り申し上げまして、私の簡単ではございますが、ご挨拶とさせていただきます。大変ありがとうございました。

会社司会:ありがとうございました。続きまして、会社を代表いたしまして、所長の秋山よりご挨拶を申し上げます。

会社所長:えー、皆さん、おはようございます。(場内から「おはようございます」)所長の秋山でございます。視察会に当たりひとことご挨拶を申し上げます。この視察会は平成4年から始まりまして、安中緑を守る会と東邦亜鉛が協議会、それから視察会を通じて、皆さんと信頼関係の維持拡大、それから公害防止に関する相互理解、などを目的に今回で4半世紀の25年と、いう長い年月を迎えております。長きに亘り大変ありがとうございます。さて会社の操業面につきましては、順調に推移しておりますが、ただ、残念なのは収支面におきまして、亜鉛価格の大幅な下落によりまして、保有するオーストラリアの鉱山ですね。この運営が大変厳しく大きな損失を計上しております。まあ、一方、環境面につきましては、順調で関連する法規制も問題なく遵守しております。視察会を通じ、引き続き、これまで同様に皆様がたのご指導、ご協力を頂けますよう、お願いいたしまして、私のご挨拶とさせていただきます。以上です、

会社司会:続きまして、本日の視察コースや日程につきまして、副所長の吉澤より説明をさせていただきます。

会社副所長:おはようございます。(場内一同「おはようございます」)管理監理室長を兼務しております吉澤です。よろしくお願いします。えー、レジメがありますけれども、まあ、昨年とですね、同様に製錬所内の精鉱工程の流れにそって、公害防止設備を中心にこれからご案内をさせていただきます。いま、所長からありましたように、昨年はですね、大きな天災、大雪だとか大雨だとか、そういうのも無くて、操業も順調に推移をしてきましたので、昨年と比べて大きな変化はないんですけれども、ぜひ安定して操業している状況をご視察をチアだきまして、安心を、お持ち帰りをいただきたいと思っております。コースについては、このようにありますけれども、今年もマイクロバス2台を用意させていただきまして、健脚コースについては、各視察場所でですね、バスから降りてのご案内となりますので、ヘルメットの着用をよろしくお願いをいたします。案内は、環境管理室の中島課長がご案内をします。ゆったりコースの2班については、バスの中からの視察ということにあります。視察中はバスを降りないので、まあ、乗り降りがつらくなられるかたにはご乗車をお勧めします。ヘルメットも被らずですね、気楽に行けると思います。案内は私が担当させていただきます。注意事項としてまず1点目のお願いですけれど、場内での写真撮影はご遠慮いただきたいということで、カメラ等は場内には絶対持ち込まないようにお願いをしたいと思います。塀の外では構わないんですけれど、中のほうは勘弁してほしいと。それから健脚コースのかたはバスを降りて工場内を歩いていただきますけれども、安全確保を大前提に、足元にご注意いただくとともに、設備や製品にですね、絶対に手を触れないようにお願いをしたいと思います。では、これから視察に入りますけれども、その前にせっかく桜も満開に咲いていますので、記念撮影をしてからバスにご案内したいと思います。撮影についてはですね、玄関で撮影したいというふうに考えていますので、これから誘導をよろしくお願いしたいと思います。以上です。

会社司会:えー、では、ただいまより工場視察に出発したいと思います。今、副所長の方からご案内がありましたとおり、出発前に玄関前で写真を撮影したいと思いますので、玄関前に集合をお願いいたします。なお、その前にトイレ等行かれる方については、トイレ等済ませて、玄関前に集合をお願いします。では、よろしくお願いいたします。


事務棟2階の大会議室の隅に置かれてあった安中製錬所のジオラマ。

<記念撮影後、工場視察に出発する>

会社司会:私ですね、場内視察を担当します環境管理室の中島でございます。えー、よろしくお願いをいたします。(車内から、「よろしくお願いします」)えー、先ほど、吉澤のほうからですね、レジメのほうにコースがあるというふうにご説明ありましたですけれども、このバスはですね、第1班、健脚コースということでですね、会場を出まして、この後ですね、工場の一番最上部、一番上へ上がってですね、それから下に降りながら、順次、視察をしていただきますのでよろしくお願いをいたします。視察する場所としましてはですね、一番工場の上に最終処分場がございますので、こちらをまず最初にご視察いただきます。そのあとですね、排煙脱硫工程を見ていただきまして、その後、ロータリーキルン、を見ていただきます。そのあと、新電解工場を見ていただきます。その後、8号のバグフィルター、これは集塵設備になります、そのあと第2鋳造工場、浄水の展望台、こちらでは排水処理の工程を見ていただきたい。その後、硫酸工場を最後に見ていただいて会場へ戻ると、いうような視察ルートになります。当社はですね、主に、亜鉛、鉛の地金を生産しております。その他には、電子部品材料ですとか、粉末冶金部品、こういったものを生産しております。当安中製錬所では亜鉛地金と亜鉛合金地金、硫酸、粉末冶金による焼結部品などを製造しております。亜鉛につきましては、年間12万トン、月に1万トンを生産しております。国内では20%強のシェアを持っているということになります。生産した亜鉛の65%くらいが自動車などに使用されます薄板鋼鈑メッキに使われております。

<坂を上りスラグ置き場の脇を通って最上部に向かい、3分ほどで到着する>


東邦学園の前の建物は撤去され、その後グラウンドだったが、平成23年の鉱山法改正を機に、経産省と結託して東邦亜鉛がここを掘って、安定型産業廃棄物最終処分場を作った。同法改正による特例期間中は、群馬県への設置手続が不要ということで、将来を見越して強引にサンパイ場を作ったのである。これが東邦亜鉛の常套手段だ。

昭和40年代には北野殿北浦に同社の従業員家族の社宅があった。

会社司会:えー、こちらが最終処分場になります。ここではちょっとバスを降りずに、バスの中からご覧いただきたいと思います、この最終処分場、安定型になっていますが、そこには遮水シートが貼ってあります。この遮水シートで、ですね、浸透水を回収して排水処理工程で排水を処理すると、いう構造になっております。埋立面積は2083㎡、容積としては1万2700㎥ほどございます。まあ、見てのとおり、最終処分場としては非常に小規模なものとなっております。平成25年の1月に、ですね、使用開始と、いうことになっていますが、実際のところですね、「まだ全く埋め立てをしておりません、まだ未使用と言う状態でございます。最終処分場については異常でございます。

参加者A:あの、右側の堆積物は、あれは雑草ですか。
会社司会:あれはこの葉っぱです。松の葉っぱ。
参加者A:うーん、あれも一応(処分場の中に)入っちゃっているから・・・天然のものかもしれないけれど、それも容積になっちゃうんじゃないですか。
会社司会:そうですね・・・、まあ、通常は時々は(掃除)しているんですけどね。
参加者A:まあ、気になるところですよね。

<バスはバックしてから、再び上ってきた道を下り始め、30秒もしないうちに停車する>


主排気塔と排煙脱硫装置及びその周辺施設。

会社司会:えー、こちらがですね、排煙脱硫工程になります。ロータリーキルンで発生します排ガス、こちらはですね、ガスクーラーで冷却して、バグフィルターで粗酸化亜鉛、を、回収をしております。で、その後のですね、ガス、については、こちらの排煙脱硫工程に送られて、処理をされております。えー、こちらに来る排ガスですね、亜硫酸ガスを含有しておりますので、こちらを亜鉛華TCA、亜鉛華TCAと申します。それと、苛性のTCA・・・苛性ソーダのTCA、それと水のTCA。この3つのTCAで脱硫、水洗をしてですね。その後、排ガスを排気塔から大気中に排気をしているという工程です。この、3つのですね、亜鉛華TCAがこの後ろの方にある、あの塔でございます。で、このですね、苛性のTCA、それが、この正面にある、向かって左側にある塔がこちらの苛性の、苛性ソーダのTCAです。その隣がですね、右隣りが、水のTCA、洗浄塔になっています。で、その奥ですね、水色の、あの、排気塔が、まあ、上から蒸気が出ていますが、こちらが排気塔。こちらから排ガスをしていく、ということになります。えー、まず亜鉛華TCAですけれども、ロータリーキルンで回収した粗酸化亜鉛、こちらを水で乳化をしたものを、吸収材として、あの塔のですね、上から、まあ、乳化した粗酸化亜鉛を降らせると。で、ガスをですね、下から入れて、で、この粗酸化亜鉛をですね、シャワー状で降らせまして、ガスと接触をさせて、脱硫をしていると、いうものでございます。で、あの塔の中にはですね、こういったピンポン玉くらいの大きさのボールがたくさん、3段、入っております。で、こちらをですね、ガスを下から入れることによって、これがこう動くんですね。で、液体は上から降ってきますので、ここで水と液体がよく接触するように、というような構造になっております。で、亜鉛華のTCAを通ったあと、その次の苛性ソーダのTCA、こちらも構造的には全く同じものでございます。ただ、吸収材として使っているのが、亜鉛華ではなくて、ここでは苛性ソーダを使っています。苛性ソーダはですね亜硫酸ガスと良く反応して亜硫酸ソーダとして脱硫をしているというものです。で、そのあとですね、水TCAにガスを送りまして、水で、さらに洗浄をして排気等から排気と、いうことになっております。こちらでは以上のようになります。では、引き続きまして、バスに戻りまして次の視察場所に向かいます。

参加者A:苛性ソーダのタンクはあれですか?苛性ソーダのタンク。
会社司会:えー、そうですね。
参加者A:ね。あの一番手前の奴ですね?
会社司会:いや、FRPの。
参加者A:あの、デカイやつ?
会社司会:あの、シールを貼ってあるタンク。
参加者A:ああ、あれね。わかりました。鉄だと錆びるからね。

<バスに乗り、更に坂を下る>

参加者A:(道路の)右の側溝の上にホースを配置しているのは?
会社司会:それはですね、雪が降った時に温水を流す・・・、融雪装置というんですね。
参加者A:なるほど。
会社司会:結構、雪が降っちゃうと、もう、流水が止まっちゃうものですから、溝の中の。
参加者A:そのためにだけに、あそこで、そうやっているわけ?
会社司会:はい。年に何回も有ることではないんですけれども・・・。
参加者A:ふーん。

<やがて3分ほどで、スラグ堆積場の脇から山の斜面の中腹にある昔の焙焼施設脇の通路を抜けてロータリーキルンの現場に向かう。途中、古びて今は使っていない焙焼炉の並ぶ場所だが、今回はなぜか、目隠しをするように、通路の左側をブルーシートで覆ってあった>


ロータリーキルンとドライヤー施設。

参加者A:あのう、このブルーシートは、何か(古い焙焼炉の)撤去工事かなんかの準備をされるんですか?そういう計画があるんですか?
会社司会:いや、そんなことはないですね。それとは・・そんなことはできないと思います。

※感想:公害問題の元凶の一つだった古い焙焼炉を撤去すれば、スペースが空き、スラグ置き場にすることも可能なのに、スクラップアンドビルドさえせずに、あらたに工場の東端の旧変電所施設に、スラグ置き場を新設しようという。公害対策の投資を渋る東邦亜鉛の体質を如実に示す一例と言える。

<すぐにロータリーキルンの現場に着く>

会社司会:えー、ではこちらで降りていただいてですね、ロータリーキルンの視察をしていただきます(と言ってバスを降りる)。えー、こちらが、これがロータリーキルンですね。この正面の上の、回転しているものがロータリーキルンでございます。こちらはですね、まず、ドライヤーというもので一次鉱滓、まあ、乾燥機になるんですけれども、まずこれで、乾燥をします。で、その乾燥をしたものにですね、コークスを混ぜて、このドライヤーに給鉱をします・・・あ、すいません、ロータリーキルンに給鉱します。ロータリーキルンはこちらです。で、このロータリーキルンですね、えー、まあ一次鉱滓とコークスを入れるんですけれども、ここに入れた後ですね、重油を燃焼させて、このロータリーキルン、1300度から1350度くらいで、燃焼させてですね、一次鉱滓中の亜鉛、こちらを、揮発をさせております。で、揮発させた亜鉛をですね、空気を接触させまして、酸化物として、ガスクーラーですとかバグフィルター・・・ガスクーラーとかバグフィルター。こういったもので粗酸化亜鉛を、捕集をするという工程になります。で、この粗酸化亜鉛につきましてはですね、亜鉛の原料として使用をしております。で、えー、こちらから、入れてですね、こちらからモノが出てくるんですけれども、出て来るモノについては、鉄分を多く含むクリンカーというモノが出てきます。こちらは冷却をしてですね、砕いた後、粒度を揃えてですね、鉄源として販売をしております。ロータリーキルンは以上でございます。では、次の視察場所へ移動したいと思います、バスへお戻りください。

参加者A:バーナーはそこで吹き込むんですか?逆サイド?
会社司会:バーナーは向こうです。モノが向こうから来て、バーナーはこっちです。モノはこっちから入って、バーナー(の炎)はこっちから入る。
参加者A:ああ、尻の方からね。

※感想:バーナーは向かって右手の奥のロータリーキルン(RC)の終端に設置してあるのだという。最終的に投入側から次第に温度を上昇させ、反応を進めていき、最終的に温度を上昇させきってから、スラグ(=クリンカー)として取り出すために、バーナーを終端に設置しているのだという。ただし、このバーナー側がどうなっているが、これまでの工場視察会では一切、近付かせてもらえない。会社の説明ではRCのバーナーの燃料は重油だというが、当会に寄せられた告発情報では、東邦亜鉛では廃油やピッチ類などのサンパイをRCの熱源として使っているという。この疑惑について昨年同社に確認したところ、そんなことは絶対にない、と直ちに否定されたが、実際の稼働状況は未だに謎のままだ。

<スラグ置き場を右手に見ながら、再び坂を下り、工場の東の方に向かう。新電解工場前に近付くと、右手の山林との間を流れる沢に沿って、道脇に不審な木の杭が並んで打たれているのが見えた。2分余りで新電解工場前に到着する。>


木の杭の正体は、視察会のあとの協議の場で明らかになった。上のジオラマ写真は、東邦亜鉛が高崎信金との裏取引で農民からぶんどった土地。高圧変電所を建設するはずだった。今回、なんとここをスラグ置き場にすることが発覚。↑


かつて鉱滓を埋め立てた土地の上に、4年前に建てられた業界でも最新鋭と言われる新電解工場。

会社司会:えー、では、こちらでですね、新電解工場をご覧いただきます。
まずですね、工場の中を見ていただく前に、亜鉛電解について少しご説明をさせていただきます。えー、槽の中にですね、こちらが亜鉛の・・硫酸亜鉛の溶液、まあ、電解液というふうに申していますけれども、硫酸亜鉛の溶液を、槽の中に入れています。その中にですね、えーとまず、プラス極、陽極板と言いますけれども、鉛の板ですね、一番向こうの端、あれが陽極板と申しましてプラス極ですので、そちらを入れてあります。その隣がですね、陰極板、まあ、カソード板とも呼びますけれどもアルミ製の板、こちらです。ですので、鉛の板とアルミの板。こちらを、硫酸亜鉛の溶液を張った槽の中に、交互に入れてあります。プラス、マイナス、プラスというふうに。で、この陽極板、陰極板にですね、直流の電気を掛けます。そうしますと、亜鉛はですね、プラスなものですから、マイナス極、アルミ板の方に、表面にですね、析出をします。まあこれ、電気分解ですね。真ん中にございますのがアルミの板、陰極板に亜鉛が付いた状態です。こちらですね。このアルミ板、表面に付いているのが、亜鉛です。こういったことで亜鉛の電気分解をしている工場でございます。えー、まあ弊社でですね、海外から原料を購入してますけれども、まあ、鉱石という形で購入しております。そのあと、溶液に溶かしてですね、ここで初めて亜鉛の形になるという工程でございます。では工場に入ってですね、電解工程を実際に見たいと思います。

参加者A:アノードは減耗しないですか?ずっと大丈夫?
会社司会:減らないです。
参加者A:(鉛に)銀を入れてるのは?
会社司会:強度を持たせためです。鉛はちょっと柔らかいですから。
参加者A:どのくらい入れていますか。ちなみに。
会社司会:そこまでちょっと。私はそこまで細かいことまでは。
参加者A:企業秘密?
会社司会:いや、そうではなく、微量ですよ。高いですから。

<タラップを上り、電解工場内へ>

会社司会:こちらが電解工場になります。先ほどご説明をさせていただいたようにですね、これが亜鉛の電解液を入れています槽です。この内側にですね、先ほど説明した硫酸亜鉛の溶液になります。ここに亜鉛が溶け込んでいるということです。いま見えます右側の板がですね、さきほど申し上げた鉛の陽極板でございます。その隣りにネズミの濃いのが・・・板が入っていますけれども、こちらがアルミのマイナス極、陰極板になります、この表面に、アルミ(亜鉛の間違い)が今、少しずつ、析出、電着をしているところです。ですので、この鼠色の板をですね、この後、引き揚げまして、ここからアルミの板をはぎ取ってそれを我々は生産しているということになります。ここ電解工場では以上でございます。次へ移動したいと思います。

参加者A:あれ、ショートする時はあります?例えばネズミとか何かが出て来て。
会社司会:ネズミはないですね。
参加者A:では、何か針金が落ちたとか?
会社司会:針金もないですね。あのう、異常成長があって、というのはあります。
参加者A:ああ、局部的に析出が多くなって。
会社司会:そうです。
参加者A:そういうことがあるんだ、ね。
会社司会:まあ、めったにある事ではないですけど。まあ、そうなっちゃうと効率が悪くなっちゃうんですよね。常時点検をして、そういうことのないようにしてますけれども。
参加者A:なるほど。やっぱり電流に偏差があるんですかね。よう、わからんですけど。
会社司会:・・ですかねえ。

<再びタラップを降り、車に乗り次の8号バグフィルターの場所へ>

会社司会:ここにはですね、4基のバグフィルターが設置をしてあります。このバグフィルターは、8号炉用の集塵機になっております。さきほど電解でみていただいたカソード亜鉛、それを溶解をします。その時に、酸化物が発生をします。これを集塵するための装置でございます。えー、バグフィルターは、ここにございますようなバグチューブ、こちらにですね、煤塵を含むガスを通過させて、煤塵を、捕集をいたします。除塵率としては99.5%以上。非常に高い集塵率をもっております。煤塵を含むガスをですね、こちらのバグフィルターの下からガスを入れまして、えー、まあ、こういうところからガスが抜けてくるわけですね。で煤塵はこの中に捕集されます。このバグチューブですね、万が一破損した場合はですね、スモークディテクターという煙を関知する装置で、検知ができるようになっています。スモークディテクターですけれども、こちらにちょっと図がございます。こちらがですね、ガスが通る煙道、ダクトですね、こちらをガスが通るんですけれども、投光器と受光器というのがございまして、こちらから光を出します。で、こちらの受光器でその光を受ける、で、ここをガスが通っていますのでもしここのガスにですね、煤塵が多く混じりますと、一刈を遮るということで、受光器の受光量が減ると。これによってバグフィルターの異常を検知しております。ちょっと模型がございますので、こちらでやってみます。こちらで光を出して反射をして、受光しています。えーと、ここに、例えばですね、こんな粉をこぼします。粉がこぼれると・・・(ピーッ、ピーッという音が発生する)警報が出る。これで異常を検知というふうな構造になっております。ここでは以上です、次に調合亜鉛のほうに移りたいと思います。

<徒歩で30mほど歩いた溶解工場に移動する>

会社司会:えー、こちらはですね、調合亜鉛を製造しています工程でございます。調合亜鉛についてはですね、高炉メーカーへ納入をしております。こちらにあるのが調合亜鉛になります。えー、高炉メーカーではですね、薄板鋼鈑メッキ、まあ、自動車等に使われるものですね。こちらのメッキに使用をされております。調合亜鉛につきましてはですね、他の金属、まあ、亜鉛だけのもの、純亜鉛という、この純亜鉛の、ジャンボインゴット、この少し虹色がかっているところ、これが実際のジャンボインゴットとでございます。で、あちらがですね。アルミニウムが添加された、まあ、調合亜鉛でございます。えー、で、先ほど、あの、電解工場で見ていただいたカソード亜鉛をですね、えー、一番上にあります溶解炉で、えー、溶解をしてます。こちらは亜鉛の溶解、温度は500度Cほどになります。で、ちょっと見ずらいんですけれども、さっき左側にですね、重油バーナーでアルミニウムを溶かす炉がございます。えー、まあ、最終は誘導炉で溶かした亜鉛と、石油バーナーで溶かしたアルミニウムを混ぜ、調合してですね、で、まあ、こちらにありますような調合亜鉛、まあ、こちら側から見ますと、左側にオレンジ色、真ん中にはピンク、右側には黄色のケース、ジャンボインゴットケースというのがありますけれども、あちらの金型に流し込んでですね、冷却をして凝固をさせて、抜き出すと、まあこういった調合亜鉛、ジャンボインゴットを製造している工程でございます。えー、では、次にですね、電気亜鉛の工程に移動したいと思います。

参加者B:冷却には水を使っているわけですか。
会社司会:えーと、ジャケットで冷却をしています。金型の外側です。直接じゃなくて、はい。
参加者A:今から10数年前に爆発事故をこの辺で起こしています。水が原因でした。
※参考⇒http://www.jpubb.com/press/34069/
参加者B:えっ、そうなんですか。

<すぐ隣りの電気亜鉛溶解工場まで歩いて20mほど移動する>

会社司会:えー、こちらがですね、電気亜鉛を製造している工程です。電気亜鉛についてはですね、メッキですとか、伸銅とか、真鍮、そういったものに使用されております。調合亜鉛と同様ですね、あの、一番上の方にグレーの塔がございますけれども、あそこの下に低周波誘導炉がございます。こちらで500度Cほどの熱をかけて溶解をしております。えー、うしろのほうにあるのが完成品になります。1枚が20キロございます。50枚積み、一山で1トンの量です。この製造の方法としては、調合亜鉛と同様ですね。溶解をした後、金型に流し込む。で、冷却をして金型から取り外す。えー、離型をして、積み込む、というような工知になってございます。積み込みについてはご覧のとおりロボットにより積み込んでいます。電気亜鉛の工程については以上でございます。えー、次の場所に移動したいと思います。バスにご乗車ください。

参加者A:すいません、重油加熱と誘導加熱で使い分けているのはなんでしたっけ?理由は?
会社司会:温度が違うんです。アルミは融点が高いので。低周波誘導路だと持たない。温度的に。
参加者A:しかし、誘導加熱の場合は1000度以上も可能ですよね。物理的にはね。温度コントロールするという問題ですか?
会社司会:モノ自体が持たない。設備自体が熱に。
参加者A:ああ、そういう材料を使っているだけね。
会社司会:ええ、耐熱性がないから。
参加者A:なるほどね。
会社司会:そこまで温度を上げるのは低周波じゃなくて高周波になる。
参加者A:ああそうか、低周波をつかってらっしゃるわけね。なるほど。ところで粉末冶金は藤岡でやっているんですか?
会社司会:ここでやっています。
参加者B:まだやっているんですか?
会社司会:はい。

<バスは構内を西へ移動し、2分ほどで排水処理施設前に着く>

会社司会:こちらで排水処理工程をご覧いただきます。


中央手前やや右が水処理施設。その右側が硫酸工場。

<タラップを上り排水処理施設が見渡せる展望台に出る>

会社司会:えー、こちらがですね、排水処理工程になります。えー、まずですね、この排水処理工程ですけれども製錬工程で発生します雑排水、こちらをですね、こういった排水ですとか、雨水、こういったものを集水池に集めております。集水池につきましては、第1集水池、第2集水池、第3集水地、第4集水地とございます。えー、こちらからですとね、向こうの遠くの方に見える池が集水池になってます。ですので、あそこに汚水が入っていると、いうことになります。で、集水地に集めた汚水を、ですね。まずですね、えー、中和槽、こちらに送ります。こちらではですね、えー、苛性ソーダを添加しまして、えー、pHをアルカリ性に調整をしてます。苛性ソーダを添加してpH調整をしています。で、苛性ソーダを添加することでですね、排水中の金属イオン、これが、水酸化物となって沈殿をします。えー、で、中和した液をですね、今度はシックナーに送ります。で、こちらでは、沈降剤を添加しながら、まあ、先ほど出た水酸化物を、沈殿をさせます。えー、固液分離ですね。えー、澄んだ水、きれいな水はオーバーフローに。出た沈殿物は、下から・・・沈みますので下から、スラッジとして抜き出します。で、こちらのスラッジはですね。フィルタープレスで水を抜いてですね、そのあと、溶解槽に送って、まあ、金属ですんで、もう一度、亜鉛の製錬工程に送って、原料としております。えー、一方ですね、オーバーフローした水の方はですね、えー、沈殿池に送られます。で、ここでもう一度ですね、固液分離、要は、まあ、僅かに残った固体については、下へ沈むようなことになりますけれども、オーバーフローのきれいな水を、今度は砂ろ過機に送ります。で、こちらで更に濾過をしてですね、えー、固形物をとって、最後にですね、もう一度ペーハー調整、pH調整を、硫酸を添加しまして、中性にしまして、えー、延長放流路を通って、弊社の排水はですね、ここから5キロほど下流にあります、えー、(高崎市)乗附になるんですけれども、ここで排水を、碓氷川にしております。えー、ここでは、汚水を一度まず中和して・・、えー、中和することで、えーと、そうですね、アルカリ側に中和することで金属が析出・・、水酸化物として析出をして、その析出した金属に関してはスラッジという形で、回収して、亜鉛の原料として使うと。で、水については、一度、固液分離をして、さらに固液分離、えー、精密ろ過をして、最終pH調整をしたのちに、排水と、いうような処理工程で、排水については処理をしております。

参加者B:中和剤、前は石灰を使ってましたよね?
会社司会:はい。
参加者B:石灰と苛性ソーダとは、どのようにちがうんですか?
会社司会:苛性ソーダのほうが高いことは高いと思います。すいません、金額まではちょっと自信がないです。ただ、こちらのほうが、中和した後の、まあ水酸化物の除去率が全然いいものですから、まあ、おカネには替えられないという、こちらの方が間違いなく効率・精度がいいものですから、はい。こちらを使わせていただいております。
参加者A:雨水由来の集水池って、どこですか?
会社司会:えーと、みんな一緒です。あの、4つとも基本的には・・・。
参加者A:なんだ、みんな混ぜちゃうのね。もったいないな。
会社司会:では、次の硫酸工場へ移動したいと思います。バスにご乗車ください。
参加者A:なんだ、大雨が降ったら、そのまま流すんですかね。
参加者B:あのう、すいません。雨水と排水は区別が無いんですか?
会社司会:ないです。ないです。
参加者B:基本的には。
会社司会:ただ、どちらかと言うと、4とか3は雨水が多い。1と2は工場排水が多い。
参加者B:海抜が低いということ。
会社司会:ではないんです。位置関係です。排水ルート関係でそういうふうになっていると、いうことです。特別、そのう、碓氷しか入っていないというのはないですね。
参加者B:ああそう。
参加者A:なんか、それちょっと誤解を招くね。排水図をみると。
参加者B:なんかね、2つあるような気がする。
参加者A:ああ、完全に分かれているなあ、これはいいコンセプトだなあと思ったんだけど。なんのことはない、みんなまぜているとは。
参加者B:私もそう思った。
参加者A:私も、あの絵を見て、これは(雨水と排水を)分けているからこれはいいなと思ったのに。

※感想:排水処理施設の説明用の図は、誤解を招きやすいので、直ちに修正の必要があると感じた。

<再びバスに乗り、さらに1分ほど下って、一番安中駅側に近い場所にある硫酸工場に移動する>


硫酸工場。

会社司会:えー、こちらが硫酸工場になります。えー、まず、焙焼炉というところでですね、鉱石を焼いております。で、焼いた時にですね、亜硫酸ガスが発生をします。えー、この亜硫酸ガスのですね、温度を下げてから、塩ビ製のパイプラインでこの工場へ送っております。で、そのダクトがですね、ちょっと見ずらいんですが、あちらのグレーのダクトですね、こちらにも見えますけれども、このグレーのダクトでこちらまで排ガスを、燃焼ガスを送っていると、いうことでですね。こちらで一番最初の工程が、この1とあるミストコットレルになります。このミストコットレルはですね、ガス中の水分を除去することを目的として設置がされています。えー、高電圧をかけた、まあ、部屋にですね、湿気を帯びましたガスを通しまして、集塵極で、ミストとかダスト、これを集めて除去する装置となっています。で、ミストコットレルの次がですね、この2と書いてある乾燥塔になっています。えー、こちらではですねミストコットレルで除去しきれなかった成分を更に除去をするということで、設置がされております。この乾燥塔ではですね、95%の硫酸をですね、降らせて、ガスと接触させまして、水分をですね、硫酸で吸収をしております。乾燥塔を通ったですね、ガスが、今度は熱交換器に・・・熱交換器はですね、えーと、この4と書いてある3つと、6とある、合計5基ございます。えー、で、この熱交換器はですね。次の転化器で、転化をさせるんですけれども、そのための温度調節をしているものでございます。まあ、440度くらいまで温度を上昇させています。で、熱交換器で温度調節をしたガスはですね、今度は5と書いてある転化器という装置に送られます。転化器はですね、えー、440度CにされたSO2のガス、焙焼炉からきたSO2のガスをSO3に転嫁をしております。SO2のガスのままではですね、なかなか硫酸にできないので、一度SO3のガスに転化する必要があると、酸化する必要があるということです。えーと、この転化には五酸化バナジウムの触媒を使って、まあ、反応を助長させて、促進させてあります。えー、転化器でですね、SO3となったガスを、今度は、吸収塔、ここで言いますと7と8ですけれども、こちらの吸収塔でですね、えー、SO3ガスを水と接触させて、えー、反応させます。それで、硫酸を、製造をしております。98%の硫酸にSO3ガスを接触させて、硫酸中の残りの2%の水分。こちらと反応させて、濃硫酸というふうに反応させて、硫酸を製造しております。で、反応した後のガスですけれども、こちらですね、乾燥ガスが出ます。えー、この、亜硫酸が抜けた後のガスについては、えー、9と書いてある調質塔、cちらに送られます。えー、この調質塔はですね、そのあとに、あの、ミストコットレルを通るんですけれども、ミストコットレルで除塵をするために、調質、要は水分を少し加えるということですね、ということと、もう一つは、排ガス中に残っていますSO2ガス、まあ微量で残ってますんで、こちらで苛性ソーダを使ってますので、ま、吸収をしていると、いう、この2つ、調質をすることと、残ったSO2ガスを苛性ソーダで吸収していると、いう2つの役目を持っております。で、調質塔を経たですね、ガスについては、最後の除外ミストコットレルで水分を最後、水分を除去しまして、最終排気塔から、まあ、排気をすると、いう工程になっております。えー、硫酸工場については以上でございます。以上で視察場所、終わりとなります。バスに乗っていただいてですね。会場に戻りたいと思います。よろしくお願いをいたします。

参加者A:そこの矢印が往来しているところは
会社司会:ガスが行ったり来たりしている。
参加者A:最終的に8から9の大きな矢印の方に持っていくわけでね。
そうです。そちらが排ガスのルートですね。
参加者A:じゃあ、循環させて、既定のSO3というか、濃度になったというのを選択的に送っているわけですか?バッチ式でやっているわけではないですよね?
会社司会:バッチ式ではありません。連続式です
参加者A:計器を見ながらね。
会社司会:はい、そうです。
参加者A:バルブを開けながらやるんでしょう?
会社司会:そうです。
**********

【ひらく会情報部・この項続く】

※参考資料「工場視察会 会社側配布資料」
①ようこそ安中製錬所へ 
20160409mb.pdf
②安中製錬所カタログ
20160409mbjop1.pdf
20160409mbjop2.pdf
20160409mbjop2p5.pdf
20160409mbjop3p4.pdf
20160409mbjop6.pdf
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