市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

タゴ51億円事件の刑事判決から20年・・・迫る公訴時効20年を前に安中市長に緊急要請

2016-04-05 23:30:00 | 土地開発公社51億円横領事件
■4月3日の道普請のあとの花見会で雑談していたら、我らが地元自治体が全国に“誇る”、タゴ51億円巨額詐欺横領事件で、単独犯とされた安中市土地開発公社元職員・タゴの刑事判決が20年前の1996年4月8日に前橋地裁で出され、未決拘留200日を含む懲役14年の実刑が確定したことを思い出しました。当会は「これは重大なことを忘れていた」とばかりに、さっそく安中市長あてに、次の内容の緊急要請書を作成し、4月5日付で提出しました。

**********PDF → 20160405sv.pdf
                         2016年4月5日
〒379-0192 群馬県安中市安中1-23-13
安中市長  茂 木 英 子 様
                     〒379-0114安中市野殿980
                     小 川   賢
緊急要請書
 背景 平素より安中市の運営に尽力賜り厚く御礼申し上げます。
 さて、20年前の1996年4月8日、安中市土地開発公社を舞台とした51億円余りの巨額詐欺横領事件で、詐欺横領等の容疑で起訴された元職員多胡邦夫の刑事公判が前橋地裁で開催され、裁判長は元職員に未決拘留200日を含む懲役14年の実刑判決を下しました。
 あれから歳月が経過し、今週金曜日の4月8日をもって、20年が経過しようとしています。この事件では、元職員多胡邦夫の単独犯とされましたが、実際には元職員を取り巻く上司、同僚、政治家、事業者、金融機関など幅広い分野の関係者が共犯として、捜査線上に浮上しましたが、政治圧力によってことごとく不問にされ、元職員以外にこの事件の責任を取った者は皆無という異常な結果となってしまいました。
 不法行為に基づく民事の損害賠償請求権の時効消滅期間は、被害者などが、損害および加害者を知ったときから3年、あるいは、不法行為時から20 年となっています。民法第724 条に定めるこの条項によれば、今週金曜日には、この忌まわしい事件の公訴時効が成立してしまうことになります。
 一方で、安中市は元職員が起こしたこの詐欺横領事件により、群馬銀行から1995年10月19日に「貸金・保証債務履行請求」の訴状が届き、1995年12月22日から合計21階の口頭弁論が行われ、その結果1998年12月9日に和解が成立し、24億5000万円の債務を背負わされており、その後、毎年12月25日に群銀に2000万円ずつ支払いが行われ、あと87年間の返済を続けることになっています。
 他方、元職員に対する安中市と土地開発公社の債務については、未だに1500万円未満の少額回収に留まっています。このような状況のもとで、今週末に公訴時効が迫っていることは、安中市民・納税者のひとりとして誠に忸怩たる思いがいたします。
 そこで、緊急に次のお願いがあります。
「公訴時効前に、前橋地方検察庁に対して、同庁が保管している、元職員が起こしたこの巨額詐欺横領事件に関する刑事確定記録を全部謄写したものを一式、入手して、安中市として今後、末永く保管すること」
 このことにより、忌まわしい本事件を安中市の負の遺産として子々孫々にわたり、語り継げるようにする必要があるからです。安中市長のみが、刑事確定記録をすべて閲覧・謄写することができるのです。一般市民の立場では、検察は閲覧さえ許してくれません。どうか、速やかにご対処いただけますよう伏してお願い申し上げます。また、本要請に対する貴殿の考え方を折り返しご通知ください。
                  敬具
**********

■このように、今週末で、安中市の名前を全国にとどろかせた、地方自治体レベルでは史上最大級の巨額横領事件は、いよいよ20年の公訴時効の節目を迎えることになります。この日の来るのを懸念していた当会は、思い余って上記の内容の緊急要請書を安中市長に提出せずにはいられませんでした。

 なぜなら書面にも記したとおり、積み上げると人の背丈を超えるほどの大量の刑事確定記録の保管期限が到来するからです。この貴重な捜査資料は、前橋地方検察庁で保管されているはずですが、今週末をもって、保管義務がなくなってしまうからです。

 この貴重な資料は、ぜひ、安中市で全部引き取って、安中市の負の「市民遺産」として永久保存されなければならない、というのが当会の持論でもあります。

 安中市及び安中市土地開発公社では、1995年5月18日にこの前代未聞、空前絶後の大事件が発覚後、群馬銀行との訴訟を通じて、被告として、元職員にかかる刑事事件の確定記録の写しを入手しているはずです。また、原告の群馬銀行も同様にこの忌まわしい刑事事件の確定記録を一式保有しているはずです。

 当会も、苦労の末、全体のほぼ4分の3の刑事確定記録を入手しましたが、それは安中市・公社と群馬銀行の間の民事訴訟が終了した1998年12月以降でした。

 だから、安中市長が前橋地検にタゴ事件の刑事確定記録の開示を求めた際、もし地検側が開示を拒否しても、安中市と公社は当時入手した刑事確定記録を持っているはずなのです。

■安中市と公社は、あと最大87年間、タゴ事件の尻拭いのための群銀への和解金支払いローンの可能性を残しています。少なくとも現時点は群銀も安中市・公社も、このようなバカげた和解金の支払いをやめようという動きを見せていません。

 だからこそ、なんとか、安中市の負の文化歴史遺産として、タゴ事件の刑事記録を子々孫々に分かるように、後世に伝えて残せる手立てをしていただきたいと真に念じる次第です。

【ひらく会事務局】
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大同有毒スラグ?を斬る!・・・シリーズ赤い水②「大同様の周りは赤い水で満ち溢れている!」の巻

2016-04-05 00:36:00 | スラグ不法投棄問題





安中の赤い水をまのあたりにしたとき、2014年9月当時、大同特殊鋼渋川工場・従業員駐車場の水たまりが赤かったのを思い出しました。そうです。スラグは錆びるのです。

 駐車場の様子についてはこちらをご覧ください。
〇2014年9月11日:大同有毒スラグ不法投棄調査レポート・・・不法投棄現場(その3)“灯台もと暗し”大同特殊鋼渋川工場付近
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1392.html

*****リットン調査団の現況レポート*****

 リットン調査団集合(^^)/。

 安中の謎の赤い水があまりにも凄かったので、赤い水調査を集中して行います。


↑たしか、大同様渋川工場の従業員駐車場の水たまりが赤かったはずだよね。有害危険スラグの置き場を見に行きましょう。今さら中に入れてくれそうもないので、安物カメラの望遠でズームアップ。しかしあれだけの事件を起こしておきながら、未だにスラグを雨ざらしにしておくとは、どうしたことでしょうか?雨水がスラグを濡らしますよね。↑

 スラグ置き場はこちらです。↓
<script type="'text/javascript'" charset="'UTF-8'" src="'http://map.yahooapis.jp/MapsService/embedmap/V2/?zoom=18&lat=36.48235493598726&lon=139.0081354865751&cond=&pluginid=place&z=17&mode=map&active=true&layer=place&home=on&hlat=36.48157533583158&hlon=139.00802286388523&pointer=off&pan=off&ei=utf8&v=3&datum=wgs&width=480&height=360&device=pc&isleft='"></script>


スラグ置き場に入れそうもないので、反対側に回ってみました。お城のように土塁が築かれています。さながら、城下町・渋川に君臨する「大同丸」といったところでしょうか。


「関係者以外立ち入りを禁止します。」・・・有害危険スラグを盛り土という土壌に混ぜて不法投棄してしまったブラック佐藤建設工業と異なり、「はい」と礼儀正しく従う徘徊老人グループ・リットン調査団なのだった。


あれっ?草が赤茶色に染まっています。もしや!


側溝のつなぎ目から赤い水が染み出している。いや、全体に赤サビ水が流れた跡が~、とその時「お~い、こっちは真っ赤だぞ~」の声が上がる。


赤い水がしみ出して流れた跡だ。「うっ」、思わず息が止まる団員C。倒れても人工呼吸はしてあげられないよ。共倒れになるからね。


側溝が真っ赤に染まっています。どれだけのサビ水がスラグ置き場から流れ出たのであろうか?
**********続く**********

■環境基準4000mg/kgを超える40000ppmまでのフッ素がスラグ混合砕石に含まれていることが、大同スラグマニュアルには記されていました。今現在、大同の渋川工場から排出されたスラグから、スラグ混合砕石は製造されておらず、スラグは全て遮断型最終処分場に搬出されているはずです。

 「どうせ最終処分するのだから」と言わんばかりに、大同としては、今のスラグに有毒物質低減化のための処理を施すことなど、関心を持つはずがありません。となると、きっと今のスラグには、更に多くの有害物質が含まれていることでしょう。しかし、その超有毒のスラグが雨ざらしにされて置いてあるのが現状なのです。

 こうした実態を見る限り、事件を反省する気のない超ブラック大企業ならではの為せる業とも言えましょう。大同様から見れば、地域住民など虫けら同然のごとく、踏みつぶしても“我関せず”なのでしょうか?

 渋川工場の周りで暮らす人間の生活や営農の環境や、川の水を飲料水にしている下流住民の健康と安全・安心のことについて、少しでも配慮をする気持ちが大同様にあったならば、こうした酷い不法投棄は起こり得なかったでしょう。

【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】
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