iPS移植手術1年「経過は良好」 理研「予想通り」
臨床 2015年10月2日 (金)配信朝日新聞
iPS細胞からつくった目の組織を移植する世界初の手術から1年が過ぎ、手術を実施した理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーらは2日、患者の経過は良好で、がん化などの問題は起きていないと発表した。高橋さんらは今後、2例目の手術にも取り組むとしている。
手術は昨年9月12日に実施され、失明の恐れのある難病「加齢黄斑変性」の70代女性に、自身の細胞からつくったiPS細胞を網膜の組織にして右目に移植した。その後、移植した組織の様子や視力の変化などを定期的に調べていた。
今回は、移植手術の安全性を調べるのが第一の目的。網膜の組織は移植した場所に定着して機能しており、今のところ、拒絶反応やがん化などの異常は起きていないという。
手術の効果については、手術前は低下しつつあった視力が維持できていた。有効性の評価は「現時点では難しい」とする一方、患者に術後の変化を尋ねたところ、生活の質が向上したと回答したという。
高橋さんは「絶対に失敗できないのであらゆるリスクを排除し、全て予想通りだった。2、3例目も同じ状況でいくことができると考えている」と話した。
手術で執刀し、会見した先端医療センター病院の栗本康夫・眼科統括部長は「特筆すべき有害事象を認めなかった。有効かどうかは今後検討していく必要がある」と話した。
臨床 2015年10月2日 (金)配信朝日新聞
iPS細胞からつくった目の組織を移植する世界初の手術から1年が過ぎ、手術を実施した理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーらは2日、患者の経過は良好で、がん化などの問題は起きていないと発表した。高橋さんらは今後、2例目の手術にも取り組むとしている。
手術は昨年9月12日に実施され、失明の恐れのある難病「加齢黄斑変性」の70代女性に、自身の細胞からつくったiPS細胞を網膜の組織にして右目に移植した。その後、移植した組織の様子や視力の変化などを定期的に調べていた。
今回は、移植手術の安全性を調べるのが第一の目的。網膜の組織は移植した場所に定着して機能しており、今のところ、拒絶反応やがん化などの異常は起きていないという。
手術の効果については、手術前は低下しつつあった視力が維持できていた。有効性の評価は「現時点では難しい」とする一方、患者に術後の変化を尋ねたところ、生活の質が向上したと回答したという。
高橋さんは「絶対に失敗できないのであらゆるリスクを排除し、全て予想通りだった。2、3例目も同じ状況でいくことができると考えている」と話した。
手術で執刀し、会見した先端医療センター病院の栗本康夫・眼科統括部長は「特筆すべき有害事象を認めなかった。有効かどうかは今後検討していく必要がある」と話した。