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(患者を生きる:2910)がん 舌を残したい:4 触診でわからないほどに

2015年10月26日 14時00分26秒 | 医療情報
(患者を生きる:2910)がん 舌を残したい:4 触診でわからないほどに

その他 2015年10月23日 (金)配信朝日新聞

 舌を切らずにがんを治療するため、東京都の主婦(47)は2014年4月上旬、南東北がん陽子線治療センター(福島県郡山市)に入院した。そして、4月中旬から「動注化学放射線療法」の治療が始まった。

 動注化学放射線療法は主として(1)舌動脈から舌に抗がん剤を送り込む(2)舌を含む頸部(けいぶ)全体にX線を当てる(3)舌のがん細胞に陽子線を当てる、という三つの治療からなる。陽子線はX線に比べて、照射する範囲を限定することができ、あごの骨がもろくなるなどの後遺症が出にくいと期待されている。

 まず週末に1回、抗がん剤を約5時間かけて舌に注入した。そして、月曜日から金曜日までX線を照射した。その繰り返しが4月中旬から5月中旬まで続いた。その後、より集中的にがん細胞を攻めるため、抗がん剤による治療と並行して陽子線の照射を5月下旬まで受けた。照射回数はX線が20回、陽子線が13回だった。

 治療開始前に5センチだった舌の腫瘍(しゅよう)は、治療後のMRIやPETの検査では検出できないほど縮小していた。触診でもわからないほどの回復ぶりだった。

 約2カ月の入院で、もともと56キロあった体重は48キロに減ったが、6月10日に治療を終えて退院することができた。

 現在は3カ月に一度のペースで、南東北がん陽子線治療センターに通院して検査を受けている。

 心配していた副作用による抜け毛は、頭の上のほうがわずかに薄くなっただけで済んだ。ただ、自宅に戻った直後は舌全体に口内炎ができている状態だった。唾液(だえき)も出にくく、食事をしても、まるで粘土を食べているようだった。

 それでも失われた味覚は、徐々に回復した。以前に味わったことのある食べ物の味が、少しずつ戻ってくる。

 「古くからの友人に再会するような、わくわく感でした」

 退院から1カ月ほどたった7月上旬、家族で築地本願寺にお参りに行き、築地市場に寄ってマグロの刺し身を食べてみた。

 しょうゆをつけたマグロを、恐る恐る口に運んだ。まだ舌はやけどをしたような状態で、しょうゆはしみたが、治療前に味わったのと同じマグロの味だった。(石川雅彦)

 ■ご意見・体験は、氏名と連絡先を明記のうえ、iryo―k@asahi.comへお寄せください。

 「患者を生きる」は、有料の医療サイト・アピタル(http://apital.asahi.com/)で、まとめて読めます。
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「検診必ず受けて」 肺がんで余命1年の高知市男性、病床から訴え

2015年10月26日 13時54分46秒 | 医療情報
「検診必ず受けて」 肺がんで余命1年の高知市男性、病床から訴え

地域 2015年10月23日 (金)配信高知新聞

 10月は高知県の「がんと向き合う月間」。高知県内で1年間に亡くなる人の4人に1人はがんが原因で、肺がんは特に死亡率が高い。

 高知県内の肺がん検診受診率(40~50代)は52%(2014年度)。5年前より9ポイント近く上がったが、それでも2人に1人は受けていない。2014年度の高知県民世論調査によると、40~50代ががん検診を受けない理由は「忙しくて時間がとれない」41・6%、「受けるのが面倒」30・5%だった。

 9月下旬の昼前、1本の電話が高知新聞の報道部にかかってきた。受話器の向こうの男性は「春野のショウガノ」と名乗った。「僕は肺がんでね。国立病院に入院しちょります。余命1年。年に1度は検診を受けてほしい、と皆に訴えたい。(新聞の投書欄に)書く体力もない。話を聞いてくださるなら、お待ちしよります」

 その日の午後、病院を訪ねた。

 窓の向こうに、低い緑の山並みと住宅街が見える。高知大学朝倉キャンパスの南に位置する国立病院機構高知病院(高知市朝倉西町1丁目)の6階個室。

 「まあまあ、よう来てくれました」

 寝間着姿の男性は私の姿を確認すると、ベッドの上で軽く頭を下げて笑みを浮かべた。

 勝賀野長広さん(66)=高知市春野町弘岡下。この病院に入ったのは、2カ月ほど前だという。

 軽いあいさつが済むと、勝賀野さんは胸にため込んでいた思いを語り始めた。

 「自分がこうなった原因は結局、20年間検診を受けざったこと。もっと早うに検診を受けちょったら…。後悔の念ですわ」

 「健康な時は自分ががんになるとはこれっぽっちも感じちゃあせん。『自分に限って』という過信。悪くなって初めて分かる。僕みたいな人間を出したらいかん。検診だけは受けちょってくれ、それをアピールしたい」

 地元の農業高校を出て、農家を継いだ。以後50年近く、ほぼキュウリのハウス栽培一筋だった。毎年秋ごろに植え付けを始め、9カ月間の長丁場、日曜祝日も関係なく働き通した。

 「百姓は自営業。自分で検診を受けるしかない。市から検診の案内も届いたけど、行く間がなかったですわ。検診やりゆう場所は車で行けば1分もかからん距離やのにね。僕みたいに、『忙しいき』と検診を受けん農家が周りにもおる」

 ■異変

 勝賀野さんが体の異変に気づいたのは、7月下旬だった。

 胸がむかむかする。3日間、食べ物が喉を通らない。便が出ない―。

 かかりつけだった内科クリニックを受診すると、すぐに今の病院を紹介された。超音波検査をした。「心タンポナーデ」と診断された。心臓を包む心膜の間に「心嚢(しんのう)液」が大量にたまる症状だった。心嚢液は心臓がスムーズに拍動するための潤滑油のような役目を果たすが、量が過度に増えると心臓の動きを圧迫し、放っておけば命に関わる。その日のうちに手術が行われた。

 「手術の後、親類に立ち会ってもらって、先生に『原因は何ですか? はっきり言うてください』と聞いた。肺がん。ステージ4の進行がん。『1年ですね』と。肺は手術できんと言われた」

 がん細胞が増殖した末に引き起こした症状だった。がんはリンパにも入っており、どこへ転移するかも分からない。

 ■終活

 抗がん剤治療を始めた。髪の毛は抜け、体重は入院前よりも十数キロ少ない40キロ台半ばまで落ちた。

 「最初に抗がん剤治療をした時は、1カ月くらい生死の境をさまようた。病室でもうろうとしよったら、壁に人の影。ぷっと見たら消える。幻覚。見舞いに来てくれた相手の言葉は分かっても、あー、うーとしか返せんかった」

 勝賀野さんは離婚経験があり、子どもはいない。父は十数年前に亡くなり、家には92歳の母親といた。余命を宣告され、“終活”に入ることにした。

 「家屋敷や田畑をどうしたものかと、気になって…」

 一番信頼できる親類に財産をすべて託すことにし、手続きも済ませた。「墓守だけはしてくれよ」とも言付けた。農機具は、顔なじみの新規就農者に譲るなどした。

 「自宅を掃除して、障子を張り替えて。葬祭業者から見積もりも取って、いつでも葬式できる。葬式のあいさつ文も考えてね。肩の荷が下りて、ようよう夜眠れるようになりましたわ」

 ■心残り

 それでも、胸の内で割り切れない思いが行きつ戻りつする。老いた母のこと、心血を注いできた地域の農業のこと…。

 取材のため、2度目に病院に行った時、勝賀野さんは個室から相部屋に移っていた。

 「個室におる時はおふくろが毎日見舞いに来てくれた。92歳でしんどいろうけど、『一緒におりたいき、長いことないき』って僕が頼んでね。けど、これから寒うなるし、もうえいでと言うた。おふくろは気丈な人やき、あと5年は生きる。本来なら僕が面倒見なあいかんがやけどのう…。いかん、ちっと僕の方が早い」

 「元気な時は、農協の三役とバリバリけんかするばあ意見もしてきた。30代、40代の若い農家にはもっと自分の意見を主張してほしい。とにかく農業がつぶれんように、うちの農協も繁栄して、農家のための農協であってもらいたいがよ」

 強く、元気に勝賀野さんは話した。そして時折、目を潤ませた。

 「人生に悔いはないけんど、年齢には悔いがある。もう5年ばあ生きたかった。けんどしゃあない。検診に行ちょったら…それが一つ抜かっちょった…。悔いが残らあ。それを皆に訴えたい。まあ、そんなことですわ」
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自宅勤務の特権

2015年10月26日 13時34分24秒 | 私自身や健康
陽の当たる庭にいると、暑い、です。
今日も良い天気です。
何日続いているのでしょうか?
この、青空は。

我が家の紅葉(こうよう)は、百日紅(さるすべり)が一番きれいです。
でも、先日、かなり切ったので、少々の葉っぱを眺めています。

この太陽に負けじと咲いているのが、
チェリーセイジ、と、オキザリス。
二つとも見事なピンク赤、
上の方にはセイジ、下の方にオキザリス、近めのフェンスを飾っています。

今日は夜に仕事。
昼はほんとは事務仕事があるのに
庭でサボタージュ。
ま、これも、自宅勤務の特権。

そして、テレビとお友達。

さて、気合いを入れて、今から事務仕事
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マラソンで心肺停止、10万人に1.6人

2015年10月26日 08時14分54秒 | 運動スポーツ
マラソンで心肺停止、10万人に1.6人

臨床 2015年10月23日 (金)配信読売新聞

 「マラソン参加者10万人当たり、心肺停止を起こす人の割合は1・6人」とした分析結果を沖縄県・那覇市立病院の救急医らのグループがまとめた。

 国内有数の参加者があった2010~14年のNAHA(那覇)マラソンで発生した件数から計算した。同病院救急科の中田円仁まろひと医師は「不整脈など心臓に病気がある人は、大会参加の前に主治医に相談してほしい」と注意を促している。

 22日の日本救急医学会で発表した。グループによると、集計した5大会の参加者は12万6325人。このうち体調不良やけがなどで病院などに搬送された件数は123件だった。走行中に心肺停止したのは2人で、割合は10万人中1・6人だった。こうした研究は少ないが、国内外の他の研究でも10万人中1~2人と同様の割合だった。心肺停止した2人は、自動体外式除細動器(AED)などを使った病院搬送前の救命活動で、無事だった。

 日常生活で発生する心肺停止の割合は年間で10万人当たり数十人程度とするデータがあり、2~6時間のマラソンで起こる心肺停止の割合は非常に高い。中田医師は「心臓に病気を抱えていない人でも、脱水などで心肺停止を起こすことがある。こまめに水を飲むことなどを心がけてほしい」と話している。
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シバガスを指定薬物に 年内にも、厚労省

2015年10月26日 08時11分12秒 | 行政
シバガスを指定薬物に 年内にも、厚労省

臨床 2015年10月23日 (金)配信共同通信社

 厚生労働省の部会は22日、インターネット上で自転車タイヤのガス補充用として「シバガス」の名称で販売されている亜酸化窒素を、医薬品医療機器法(旧薬事法)に基づき指定薬物とすることを決めた。一般からの意見公募を経て12月上旬に省令を公布、年内に施行する予定。

 厚労省などによると、亜酸化窒素は麻酔薬などに使われ、陶酔作用があるとされる。危険ドラッグの代替品として広がり、海外では酸欠状態になって死亡した例も報告されているという。厚労省は「中枢神経系に害を及ぼす恐れがあり健康被害を防ぐ必要がある」と判断した。

 厚労省は既に同法違反の疑いがあるとして、ネット上でシバガスを販売している業者の取り締まりを強化。指定薬物になると医療などの目的を除き製造や販売、所持、使用などが禁止される。
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