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妊娠性鼻炎、病因の一端を解明か

2023年02月20日 23時31分51秒 | 健康の保持増進

妊娠性鼻炎、病因の一端を解明か

大阪医科薬科大学病院・菊岡祐介

 

対象の論文

原文 Role of VPAC1 and VPAC2 receptors in the etiology of pregnancy rhinitis: an experimental study in rats

この論文に着目した理由

 妊娠に関連してアレルギー性鼻炎様の症状を来すことはよく知られており、「妊娠性鼻炎」と呼ばれる。症状では特に鼻閉を来しやすいため、睡眠の質の低下などにより精神的ストレスの増加に悩まされることもある。このほか、妊娠中には投薬の制限も多いことも精神的ストレスの増加につながると考えられている。しかし、多くは出産を経ると、症状が改善するとされる。

 妊娠に関連する鼻炎症状の病態は、いまだ不明確な部分も多い。この論文は、そのメカニズムを理解するのに役立つと思われたことから、着目した。

私の見解

 血管作動性腸管ペプチド(VIP)の受容体、VPAC-1やVPAC-2は、アレルギー性鼻炎患者の鼻腔内で増加することが知られている。

 この論文では、ラットを妊娠群と対照群の2群に分けて鼻粘膜組織を観察したところ、妊娠群ではVPAC-1およびVPAC-2の発現が有意に増加していることが示された。このことから、妊娠により、アレルギー性鼻炎で証明されている2つの受容体の発現増加と同様の反応が引き起こされていることが明らかになった。

 論文でも述べられているように、この実験結果は、妊娠性鼻炎は、妊娠前から存在する不顕性アレルギーの活性化により引き起こされるという仮説を裏付けるものである。

日常臨床への生かし方

 妊娠期間中の薬剤使用には制限があり、妊娠性鼻炎の症状を緩和することは、この研究をもってしても容易なことではない。しかし、妊娠に付随する症状として鼻炎のメカニズムを理解し、説明できるようになれば、患者の精神的ストレスの軽減に役立てられるのではないかと期待される。

 

菊岡 祐介(きくおか・ゆうすけ)

大阪医科薬科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科助教。2015年、川崎医科大学医学部卒。大阪医科大学附属病院にて初期研修。その後、同院耳鼻咽喉科・頭頸部外科レジデント、市立ひらかた病院での勤務を経て、2020年より現職。2021年より大阪医科薬科大学病院アレルギーセンター兼任。専門は鼻副鼻腔疾患およびアレルギー。スポーツ医学(特にサッカー)や旅行医学に関しても研鑽を積んでいる。

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コロナ診療、一般病院で 5類移行後1・5倍に拡大 検査、解熱剤は自己負担

2023年02月20日 23時14分10秒 | ウイルス

コロナ診療、一般病院で 5類移行後1・5倍に拡大 検査、解熱剤は自己負担

 2023年2月20日 (月)配信共同通信社
 

 新型コロナウイルスの5類移行後の医療体制を巡り、政府が数カ月~1年程度の移行期間を設けた上で、内科・小児科など季節性インフルエンザを診療する約6万4千の一般の医療機関でコロナ患者を診る体制への移行を目指していることが17日、分かった。公費負担の対象となっているコロナの医療費のうち、検査や解熱剤については移行日の5月8日から自己負担を求める方向で検討している。

 コロナ感染が疑われた際に受診する発熱外来は現在全国で約4万2千施設あり、診療体制が約1・5倍になる計算だ。移行期間中に施設数の拡大を図る。

 入院は現在、全国に約2千施設ある重点医療機関で主に受け入れているが、移行期間を経て、幅広い医療機関で受け入れる体制を目指す。仮に精神科病院(約千施設)を含む全国の約8200病院が受け皿になれば、入院できる施設は4倍超に増える。

 移行期間中には、患者を受け入れる際の診療報酬の特例や病床確保料を徐々に縮小する方向。個室単位での柔軟な患者の受け入れを呼びかける院内感染対策ガイドラインの周知や、設備整備の支援も検討している。

 医療費は現在、医師が必要と判断した検査の費用や入院費、コロナ診断後から療養期間終了までの治療費などが公費で負担されている。5月8日からはインフルエンザと同様に検査費用や解熱剤などの薬は自己負担を求める案を検討している。

 治療薬の中には、1人の治療にかかる薬価が10万円を超える高額なものがある。こうした薬については当面、公費負担を続ける必要があるとの意見が政府内にある。

 現在行政が担っているコロナ患者の入院調整は、5類移行後も当面、感染拡大時のほか、重症者や妊婦などに対しては続ける方向で検討している。将来的には原則医療機関の間で調整する体制への移行を目指す。

 政府はこれらの5類移行後の医療費公費負担や医療提供体制について関係者とさらに調整し、3月上旬をめどに具体策を示す方針。

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バレエ 冬の旅

2023年02月20日 01時33分07秒 | アート美術演劇等

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