Mars&Jupiter

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カレヴィ・アホの交響曲第5番を聴く

2022-08-13 11:30:20 | 古典~現代音楽フィンランド編
今日は一日台風の影響で風雨と雷が激しく家にいるしかありません。
今回は1849年生まれのフィンランドの作曲家カレヴィ・アホが、
1975年から76年にかけて作曲した交響曲第5番を取り上げる。
この作品の演奏には2つのオーケストラが必要であり、
今回聴いたCDの演奏は、ヤーン・オツが第二指揮をし、
ディーマ・スロボデニュークが第一指揮、
オーケストラはラハティ交響楽団となっている。
この作品はフィンランド放送交響楽団の委嘱を受け作曲され、
1977年4月19日ヘルシンキでオッコ・カムの指揮、
フィンランド放送交響楽団により初演された。
作品は単一楽章制の交響曲となっている。
カレヴィ・アホ、この世界や自分たちの生活には、
完全とか明確なものはない。
喜びには悲しみが、悲嘆には滑稽さが、
愛には憎しみが混ざり合っている。
人々の互いの関心はぶつかりあい、
コミュニケーション問題と理解の欠如を生み出し、
国家間の関係は矛盾に溢れ、
違った社会的なイデオロギーや宗教は戦いあい、
しばしば戦争という結果として現れる。
といったようなことをCDの解説書で書いている。

曲は鋭い感じの弦楽器の音型で始まり、
木管楽器や金管楽器が絡んでいく。
奏でられる音楽には不安さと緊張感がみられ、
木管楽器の音には北欧的な部分を表現し、
金管楽器と打楽器の音は戦争などを表現しているのだろうか。
色々な楽器の音が混ざり合い、まさに混沌とした音楽である。
絶えず変化をしていき、アイヴスを思わせるようで、
それぞれの主張が対立しあうような感じである。
そして弦楽器中心の穏やかな部分になり、木管楽器が絡み、
やがて徐々に統制不能な様々な音が混ざり合う音楽になる。
そして、ポコ・メノ・モッソの部分に入り、
室内楽的な音楽になり弦楽器と木管楽器中心に進行し、
再び金管楽器によりその静かな感じは打ち破られる。
何が何だか分からない大音響の音楽となったあと、
レントの部分に入り、ホルンの吹奏がみられる。
そのあとは室内楽風の音楽になり、
弦楽器や木管楽器中心に進むが、
徐々に繰り返す音型が音を増していき、
金管楽器中心に息詰まるような音楽になり、
盛り上がったところで最後終わる。
この交響曲は世界のあるゆるものは混沌の中にあり、
常に矛盾が存在するということ、
そしてその中には絶えず闘争と平安があること、
そんなことを表現しているみたいでもある。
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エリク・ベルイマンのドリームズを聴く

2017-08-14 20:59:56 | 古典~現代音楽フィンランド編
今回とりあげるのは1911年生まれのベルイマンが、
1977年に作曲したドリームズである。
今回聴いたCDは、カタリナ・ブローのソプラノ、
エリク=オロフ・ショーデルストレム指揮、
フィンランド室内合唱団の演奏による。
第1曲こだまは、タイトル通りに声がこだまのように、
互いの声が呼応しながら、進行していく。
歌詞はないのだが、声が創り出す不思議な音体験である。
第2曲孤独は、ソプラノの独唱で始まる。
もちろん歌詞はないので、合唱が加わって、
その重なりが神秘的な感じを醸し出していく。
第3曲不安は、それぞれの声の絡み合いが、
不安な心情を表しているし、各声部が歌う部分が、
独特な音の世界を創り出している。
なかなか興味深い音楽を生み出している。
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カレヴィ・アホの室内交響曲第2番を聴く

2017-08-13 15:13:44 | 古典~現代音楽フィンランド編
今回とりあげるのは1949年生まれのアホが、
1991年から1992年にかけて作曲した室内交響曲第2番である。
今回聴いたCDは、ステファン・アスバリー指揮、
タピオラ・シンフォニエッタの演奏による。
第一楽章は、弦楽器の吊り上がるような音で始まる。
荒々しい緊張した部分と静寂な部分が交互に現れ、
最後は重々しい音の中で、次の楽章にそのまま続く。
第二楽章は、穏やかな感じの旋律が奏でられ、
それが繰り返されたあと、低弦が荒々しい音を立て、
リズミックな動きをみせ、徐々に荒々しさをみせていく。
そのまま第三楽章フィリオーソ(熱狂的に)に入り、
堂々とした感じの旋律を奏でていき、やがて絡み合い、
盛り上がったあと、いったん静かになり、
ゆったりとしたテンポで弦楽器が旋律を奏で、
最後は静かに消え入るようにして終わる。
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ヨウニ・カイパイネンの夜明けの3つの小品作品15を聴く

2017-08-11 11:20:33 | 古典~現代音楽フィンランド編
今回とりあげるのは1956年生まれのカイパイネンが、
1980年から1981年にかけて作曲した夜明けの3つの小品作品15である。
今回聴いたCDは、アンッシ・カルットゥネンのチェロ、
トゥイヤ・ハッキラのピアノの演奏による。
第1曲「真夜中過ぎ」は、チェロの奏でる旋律に始まる。
ピアノも入り、それぞれのモダンな演奏技巧が披露される。
リズミカルに展開されながら、マーラーやワグナーの音楽からの、
引用がみられるようだが、マーラーについては一部分った。
第2曲「蜃気楼」は、チェロとピアノで重々しく始まる。
硬質的なピアノの音型と、チェロが繰り返す音型が、
絡み合いながら、幻想的な音楽を創り出している。
最後は二つの楽器で盛り上がりをみせたところで終わる。
第3曲「正午前」は、ピアノの音から始まり、
チェロも続いて入り、それぞれの音がぶつかり合っていく。
ミニマリズム的な音楽の要素もみせながら終わる。
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アーッレ・メリカントのラルゴ・ミステリオーソを聴く

2017-08-10 20:32:10 | 古典~現代音楽フィンランド編
今回とりあげるのは1893年生まれのメリカントが、
1930年に作曲したラルゴ・ミステリオーソである。
今回聴いたCDは、レイフ・セーゲルスタム指揮、
フィンランド放送交響楽団の演奏による。
ピアノの奏でる神秘的な音型が繰り返されて始まり、
不協和音の管弦楽が絡み、弦楽器が抒情的な旋律を奏でていく。
幻想的な美しさを示しつつ、冒頭のピアノの音型が再び現れ、
繰り返されていく中で、最後穏やかに終わる。
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