Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

カール・ツェルニーの交響曲第5番変ホ長調を聴く

2022-03-06 09:21:03 | 古典~現代音楽オーストリア編
今回取り上げるのは1791年生まれのツェルニーが、
1845年に作曲した交響曲第5番変ホ長調である。
聴いたCDの演奏はニコス・アティネオス指揮、
フランクフルト・ブランデンブルク州立管弦楽団のものである。
第一楽章アンダンテは、壮大さを感じる序奏で始まる。
それはハイドンの交響曲第104番の第一楽章を思わせる感じである。
やがて力強く推進力のある主題が奏でられるが、
それはベートーヴェンの交響曲第3番の第一楽章の主題を想起させる。
もう一つの主題は穏やかな感じの対照的な旋律である。
主題は展開されていき、そこでもベートーヴェンの影響を感じる。
まあ、ベートーヴェンの弟子であればそれは当然のことである。
ホルンの吹奏や木管楽器の奏でる旋律は心地よい。
盛り上がりをみせて、ティンパニが叩く中、最後は力強く終わる。
第二楽章アンダンテ・ソステヌートは、弦楽器中心に緩やかに始まる。
木管楽器も加わり、牧歌的な感じになり、平和な感じである。
その後は弦楽器と木管楽器中心に進行し、時々金管楽器が加わる。
盛り上がりをみせていく部分も時々みられるが、それは長く続かない。
その盛り上がっていくところはベートーヴェン風なところを感じさせる。
最後は穏やかに終わるかと思ったら、いったん盛り上がって終わる。
第三楽章スケルツォは、軽快で明るい旋律で始まる。
弦楽器と木管楽器中心に旋律は奏でられていく。
中間部は牧歌的であり、木管楽器中心に活躍する。
再び冒頭の旋律が奏でられていくが、
盛り上がり方はベートーヴェンであり、最後力強く終わる。
第四楽章フィナーレは、力強く生き生きとした旋律で始まる。
それはまるで歌劇の序曲の主題のようでもある。
といえばベートーヴェンの序曲かと思い、
その影響もあるかと改めて感じてしまう。
その旋律を中心に音楽はドラマティックに展開されていく
弦楽器に金管楽器が絡んで鳴り響き、盛り上がったところで終わる。
ベートーヴェンの弟子であるリースやツェルニーの交響曲を聴くと、
いかにベートーヴェンという人物の存在が大きいのかが、
改めて実感させられてしまうのである。
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カール・ツェルニーの交響曲第1番ハ短調作品780を聴く

2022-03-05 15:16:23 | 古典~現代音楽オーストリア編
今回取り上げるのは1791年生まれのツェルニーが、
作曲した交響曲第1番ハ短調作品780である。
作曲年は不詳であるが、1847年に出版したようである。
カール・ツェルニーはオーストリアでピアノ教師として活躍し、
数多くのピアノ練習曲を残したことで有名である。
ベートーヴェンやフンメルなどに師事したようである。
交響曲を6曲作曲していることは知らなかった。
聴いたCDの演奏はニコス・アティネオス指揮、
フランクフルト・ブランデンブルク州立管弦楽団のものである。
第一楽章アレグロは、激しい感情がほとばしるように
弦楽器中心に力強く暗い主題で始まり、
その主題はクラリネットに引き継がれていく。
そして他の楽器に引き継がれ盛り上がりもみせていくが、
そこにはベートーヴェンの影響が感じられ、
なかなか聴いていて聴きごたえはある感じである。
もう一つの主題は対照的な穏やかで明るい旋律である。
提示部は主題が繰り返され、そのあと展開部に入り、
各主題が展開されていくが、何しろ50代の頃の作品である。
だからといっていいか、円熟した作曲技法を感じる。
再現部に入り、各主題が繰り返され盛り上がり、
メンデルスゾーンのような部分も見せながら、最後力強く終わる。
第二楽章アンダンテ・ソステヌートは、
弦楽器と木管楽器で穏やかで平和な感じの旋律を奏でて始まる。
ティンパニが叩かれ荒々しい部分や、盛り上がる部分もあるが、
全体的には穏やかさと牧歌的な明るさが支配するが、最後は力強く終わる。
第三楽章スケルツォは、力強く情熱的な主題が奏でられるが、
何となくメンデルスゾーンを思わせるところがある。
中間部は牧歌的な感じで、再び冒頭の主題が現れる。
華やかさがあり、とてもロマンティックであり、最後は力強く終わる。
第四楽章フィナーレは、やや悲しげな感じの主題で始まる。
金管楽器も加わり激しくなり、これまた情熱的である。
もう一つの主題は対照的にのどかな旋律で木管楽器が活躍する。
最初の主題が中心となって音楽は進行していく。
金管楽器が鳴り響き盛り上がりをみせるところがいい。
最後は、ティンパニが鳴り響く中、力強く終わる。
あのピアノ練習曲作曲家だと思って聞いてみると意外なところが多い。
とても情熱的で、魅力のある交響曲であり、知られていないのが残念だ。
なかなかあなどれない作曲家であり、この交響曲はなかなかいい。
ベートーヴェンやメンデルスゾーンが好きであれば気に入るかもしれない。
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アントン・ウェーベルンの変奏曲作品30を聴く

2017-10-24 06:37:38 | 古典~現代音楽オーストリア編
なかなかブログを毎日書くことは大変です。
無理のない中、できる日に書いていこうと思います。
今回取り上げるのは、1883年生まれのウェーベルンが、
1940年に作曲した変奏曲作品30である。
今回聴いたCDはクリストフ・フォン・ドホナーニ指揮、
クリーヴランド管弦楽団の演奏による。
起伏や変化に富んだ20小節の主題部が終わると、
それをもとにした六つの変奏が展開される。
テンポも変化し、凝縮された音楽が展開され、
最後は前触れもなく突然終わる。
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フランツ・シュレーカーの白鳥の歌作品11を聴く

2017-10-08 12:39:08 | 古典~現代音楽オーストリア編
今回取り上げるのは、1878年生まれのシュレーカーが、
1902年に作曲した白鳥の歌作品11である。
管弦楽伴奏つき合唱曲である。
今回聴いたCDはペーター・ギュルケ指揮、
ケルン放送管弦楽団および合唱団の演奏による。
弦楽器の叙情的な旋律に始まり、混声合唱が入る。
徐々に盛り上がっていったあと、いったん穏やかになり、
冒頭の部分が現れ、ハープと弦楽器による部分となり、
そのあと合唱が力強く歌いだしていく。
そのあといったん静まり、合唱がそっと歌い出し、
再び力強い歌となり、盛り上がりをみせていく。
そしてまた静かになったあと合唱中心となり、
ハープなどが絡んでいき、最後は管弦楽のみとなり、
ティンパニとトランペットの音が響く中、穏やかに終わる。
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ミヒャエル・ハイドンの交響曲第1番ハ長調P.35を聴く

2017-09-29 06:41:24 | 古典~現代音楽オーストリア編
今回取り上げるのは、1737年生まれのミヒャエル・ハイドンが、
1758年頃作曲した交響曲第1番ハ長調P.35である。
今回聴いたCDはボーダン・ワルチャル指揮、
スロヴァキア室内管弦楽団の演奏による。
第一楽章アレグロは、明るく生き生きとした旋律で始まる。
その旋律を奏でる旋律に木管楽器や金管楽器が絡み、
さらに打楽器で荘厳さが加わり、最後力強く終わる。
第二楽章アンダンテは、ゆったりとした旋律を奏でて始まる。
弦楽器のみの楽章で前楽章とは対照的である。
第三楽章メヌエットは、弦楽器が奏でる舞曲風の旋律に、
金管楽器と打楽器が加わり、華やかさがみられる。
中間のトリオは弦楽器中心に流れるような旋律が奏でられ、
再び冒頭のメヌエット主題が繰り返されて堂々と終わる。
第四楽章プレストは、弦楽器の軽やかな旋律で始まる。
打楽器も加わり壮麗な感じで、金管楽器とともに、
盛り上がりをみせ、最後力強く終わる。
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