Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

アウリス・サッリネンの荘厳序曲「リア王」作品75を聴く

2022-08-16 08:35:29 | 古典~現代音楽フィンランド編
今回は1935年生まれのフィンランドの作曲家サッリネンが、
1997年に作曲した荘厳序曲「リア王」作品75を取り上げる。
今回聴いたCDの演奏は、アリ・ラシライネン指揮、
ラインラント=プファルツ州立フィルハーモニー管弦楽団である。
この序曲は「リア王」という名称がついているので、
次の作品番号の歌劇「リア王」作品76との関連性が、
あるようにも思わせるのだが、どうやらそれは薄いようだ。
ティンパニの音に始まり、弦楽器が旋律を奏でていく。
力強さや重々しい雰囲気は、悲劇の王のイメージを持たせる。
金管楽器によるファンファーレ風の音楽が現れ、
弦楽器中心の抒情的な音楽が交互に現れる。
ドラマティックな展開をみせ、映画音楽のようでもある。
最後も金管楽器によるファンファーレ風の音楽が現れ、
その音が徐々に小さくなっていき、弦楽器の音が残って終わる。
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アウリス・サッリネンの交響曲第7番作品71「ガンダルフの夢」を聴く

2022-08-15 09:37:51 | 古典~現代音楽フィンランド編
昨日はテレビで今年のヴァルトビューネを聴きました。
ゲルシュタインのピアノによるラフマニノフの、
ピアノ協奏曲第2番ももちろん良かったのですが、
ペトレンコの指揮によるムソルグスキー作曲、
ラヴェル編曲の組曲「展覧会の絵」は特に良かったです。
今のウクライナ情勢と重ね合わせて聴いてしまうからか、
不思議で新鮮な感覚で聴くことができ、
この作品の良さを十分に引き立たせる演奏でした。
特に「ブイドロ」のところの盛り上がりの部分や
「サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ」の
二つの旋律の掛け合いのところが素晴らしかった。

さて、今回は1935年生まれのフィンランドの作曲家、
サッリネンが1995年から1996年にかけて作曲した、
交響曲第7番作品71「ガンダルフの夢」を取り上げる。
今回聴いたCDの演奏は、アリ・ラシライネン指揮、
ラインラント=プファルツ州立フィルハーモニー管弦楽団である。
この作品はロード・オブ・ザ・リングとの関連性があるようだ。
作曲家はこの小説に基づくバレエ作品の構想をもっていたようだ。
その作品の実現はされなかったようだが、
交響曲第7番の副題が「ガンダルフの夢」であるように、
この小説の中の出来事をもとに描写した交響曲であるようだ。
金管楽器と打楽器により重々しく始まる。
弦楽器はせわしないような音型の旋律を奏でていき、
冒頭から不安な感じが続いていく。
そのあと金管楽器によるファンファーレ風の音楽が現れ、
弦楽器による静かな音楽になり、神秘的な雰囲気にもなる。
小太鼓など打楽器と金管楽器の強烈なリズムなどにより、
音楽は徐々に荒々しくなり、木管楽器を中心とした旋律や、
弦楽器の奏でる旋律はファンタジーの世界へと誘う。
その後はフルートの印象ある音型や、北欧らしい音楽、
ブルックナーを思わせる金管楽器のファンファーレ的な音楽が続く。
そして打楽器と金管楽器による力強い音楽となり、
強烈なリズムが刻まれていき、ドラマティックである。
そのあと弦楽器中心の音楽になり、打楽器やチェレスタとの絡んでいき、
最後はチェレスタの音が残り神秘的な感じで終わる。
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カレヴィ・アホの交響曲第5番を聴く

2022-08-13 11:30:20 | 古典~現代音楽フィンランド編
今日は一日台風の影響で風雨と雷が激しく家にいるしかありません。
今回は1849年生まれのフィンランドの作曲家カレヴィ・アホが、
1975年から76年にかけて作曲した交響曲第5番を取り上げる。
この作品の演奏には2つのオーケストラが必要であり、
今回聴いたCDの演奏は、ヤーン・オツが第二指揮をし、
ディーマ・スロボデニュークが第一指揮、
オーケストラはラハティ交響楽団となっている。
この作品はフィンランド放送交響楽団の委嘱を受け作曲され、
1977年4月19日ヘルシンキでオッコ・カムの指揮、
フィンランド放送交響楽団により初演された。
作品は単一楽章制の交響曲となっている。
カレヴィ・アホ、この世界や自分たちの生活には、
完全とか明確なものはない。
喜びには悲しみが、悲嘆には滑稽さが、
愛には憎しみが混ざり合っている。
人々の互いの関心はぶつかりあい、
コミュニケーション問題と理解の欠如を生み出し、
国家間の関係は矛盾に溢れ、
違った社会的なイデオロギーや宗教は戦いあい、
しばしば戦争という結果として現れる。
といったようなことをCDの解説書で書いている。

曲は鋭い感じの弦楽器の音型で始まり、
木管楽器や金管楽器が絡んでいく。
奏でられる音楽には不安さと緊張感がみられ、
木管楽器の音には北欧的な部分を表現し、
金管楽器と打楽器の音は戦争などを表現しているのだろうか。
色々な楽器の音が混ざり合い、まさに混沌とした音楽である。
絶えず変化をしていき、アイヴスを思わせるようで、
それぞれの主張が対立しあうような感じである。
そして弦楽器中心の穏やかな部分になり、木管楽器が絡み、
やがて徐々に統制不能な様々な音が混ざり合う音楽になる。
そして、ポコ・メノ・モッソの部分に入り、
室内楽的な音楽になり弦楽器と木管楽器中心に進行し、
再び金管楽器によりその静かな感じは打ち破られる。
何が何だか分からない大音響の音楽となったあと、
レントの部分に入り、ホルンの吹奏がみられる。
そのあとは室内楽風の音楽になり、
弦楽器や木管楽器中心に進むが、
徐々に繰り返す音型が音を増していき、
金管楽器中心に息詰まるような音楽になり、
盛り上がったところで最後終わる。
この交響曲は世界のあるゆるものは混沌の中にあり、
常に矛盾が存在するということ、
そしてその中には絶えず闘争と平安があること、
そんなことを表現しているみたいでもある。
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アスガー・ハンメリク(ハメリク)の交響曲第3番ホ長調「抒情的交響曲」作品33を聴く

2022-08-12 12:00:37 | 古典~現代音楽デンマーク編
今回は1843年生まれのデンマークの作曲家、
アスガー・ハンメリク(ハメリク)が、
1883年から84年にかけて作曲した曲、
交響曲第3番ホ長調「抒情的交響曲」作品33を取り上げる。
今回聴いたCDは、トマス・ダウスゴー指揮、
ヘルシンボリ交響楽団の演奏のものである。
第一楽章ラルゴ-アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェは、
序奏は弦楽器と木管楽器の緩やかな旋律で始まり、
金管楽器が力強い音でそれを打ち壊すが、
それは一瞬で最初の緩やかな旋律になる。
主部のアレグロ・モルト・ヴィヴァーチェに入り、
弦楽器が明るく生き生きとした主題を奏でていく。
金管楽器もそれにダイナミックな部分を加えていく。
もう一つの主題は対照的でタイトルの如く抒情的である。
それぞれの主題は変形され、短い展開部を経て、
再び二つの主題が奏でられ、最後は穏やかに終わる。
第二楽章アレグロ・グラツィオーソは、
スケルツォにあたる部分であり、
優雅な感じの舞踏的な旋律が奏でられる。
北欧的な部分を感じさせるところがある。

第三楽章アンダンテ・ソステヌートは、
やや感傷的な旋律が行進曲風に奏でられていく。
オーボエの奏でる旋律も悲しげで、
他の木管楽器などに引き継がれていく。
弦楽器中心に旋律が奏でられていき、
それに木管楽器や金管楽器が絡んでいく。
曲調は葬送行進曲のような感じでもある。
後半になるとドラマティックに盛り上がり、
最後は静かに終わる。
第四楽章アレグレット・コン・スピリートは、
ティンパニの音に続き、弦楽器が軽やかな旋律を奏でて始まる。
明るく楽しそうな音楽で、木管楽器も絡み行進曲風でもある。
主題は様々な楽器に引き継がれながら、徐々に盛り上がっていく。
ホルンのソロが奏でる部分を経て、ティンパニの音に続き、
主題は金管楽器中心に奏でられ盛り上がったりもして、
金管楽器の鳴り響くところは、
ブルックナーを感じさせるところもある。
金管楽器とティンパニが鳴り響き、最後は力強く終わる。
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ヨハネス・ハンセンのヴァルドレス行進曲を聴く

2022-08-09 21:07:23 | 古典~現代音楽ノルウェー編
今回は1874年生まれのノルウェーの作曲家、
ヨハネス・ハンセンが1904年に作曲した、
ヴァルドレス行進曲を取り上げる。
今回聴いたCDは、ビャーテ・エンゲセット指揮、
アイスランド交響楽団の演奏のものである。
ヨハネス・ハンセンは、1926年から1934年にかけ、
オスロ陸軍軍楽隊の楽団指揮者を務め、
作曲者、教育者としても活躍した人物である。
ヴァルドレスはノルウェー南部の、
インランデット州に属する一地方の名称のようである。
クラリネットの奏でる旋律がのどかな感じでいい。
この旋律が他の楽器にも引き継がれていく。
行進曲であるから元気良く、軽快な曲である。
北欧の雄大な自然を感じさせつつも、
堂々とした力強い印象を与える作品である。
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