Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

アガーテ・バッケル・グロンダールの幻想的小品集 作品45より「夏の歌」を聴く

2022-08-08 16:57:03 | 古典~現代音楽ノルウェー編
8月6日まで佐賀県の鹿島市に行っていたのだが、
祐徳神社に一度も行ったことがなかった。
今回8月4日に行ったので、その時の写真をアップしておく。

さて、今回は1847年生まれのノルウェーの作曲家、
アガーテ・バッケル・グロンダールが1897年に作曲した、
幻想的小品集 作品45より「夏の歌」を取り上げる。
今回聴いたCDは、ビャーテ・エンゲセット指揮、
アイスランド交響楽団の演奏のものである。
アガーテ・バッケル・グロンダールは、
オスロに近い南のホルメストランで生まれた。
ハルフダン・シェルルフなどに師事し、
ベルリンでも学んだあと、ピアニストとして活躍し、
グリーグとも交友関係があったが、後年聴力を失い、
音楽活動を続けることができなくなった。
ピアノ曲や歌曲などの作品を多く残している。
今回聴いた「夏の歌」も原曲はピアノ作品である。
素朴で抒情的な旋律であり、淡い感じの音楽で、
短い北欧の夏を感じさせる作品である。
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ヒューゴ・アルヴェーンの交響曲第2番ニ長調作品11を聴く

2022-08-07 20:52:28 | 古典~現代音楽スウェーデン編
昨日まで3日間佐賀・長崎に行き、
先祖の墓参りと周辺観光をしました。
8月5日には長崎市の出島に行き、
復元された建物などを見学したあと、
長崎原爆資料館にも行った。
なのでしばらくブログもお休みしました。

さて、今回は1872年生まれのスウェーデンの作曲家、
ヒューゴ・アルヴェーンが1897年から98年にかけて、
作曲した交響曲第2番ニ長調作品11を取り上げる。
今回聴いたCDの演奏は、ネーメ・ヤルヴィ指揮、
ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団のものである。
第一楽章モデラートは、クラリネットのほのぼのとした音、
弦楽器が優しく旋律を奏で、金管楽器が鳴り響いて始まる。
楽章がどんな構造なのかを考えるのではなく、
ここは何も考えずに、北欧の自然の風景を想像し、
旋律の美しさに身をゆだねたい感じである。
北欧の自然の美しさとともに厳しさが描かれていく。
金管楽器は雄大な自然と荒々しい部分を表現していく。
ブラームスの音楽のような部分も感じさせる。
明るくのどかな感じで最後は穏やかに終わる。
第二楽章アンダンテは、重々しい感じで始まる。
深い悲しみに包まれた感じで旋律も感傷的である。
徐々にその感情は激しくなり、絶望的でもあるが、
その気持ちを慰めるかのような優しい旋律も現れる。
最後はそれまでの悲しい感情が消え、静かに穏やかに終わる。

第三楽章アレグロは、軽快でリズミックで舞踏的な旋律で始まる。
金管楽器を伴い、暗く嵐のような荒々しい感じである。
中間部は対照的に明るく流れるような旋律が弦楽器に奏でられる。
冒頭の荒々しい旋律が再び現れて、力強く終わる。
第四楽章前奏曲(アダージョ)は、
ヴァイオリンによる抒情的な旋律で始まる。
他の弦楽器もそれを引き継ぎ、弦楽器中心に進行していく。
やがて木管楽器のみで奏でる部分があり、
そのあとは弦楽器の旋律に金管楽器や木管楽器も絡んでいく。
いったん静まって、フーガ(アレグロ・エネルジコ)の部分に入り、
弦楽器が奏でる主題がフーガにより展開されていく。
様々な楽器が絡んでいきながら、壮大な感じになり、
金管楽器がコラール風の旋律を何度か奏でる。
このあたりはブルックナー風でもある。
その後もフーガによる展開が行われ、
弦楽器の奏でる旋律とともに金管楽器も鳴り響き、
盛り上がったところで最後力強く終わる。
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ハーラル・セーヴェルーの「抵抗のバラード」作品22を聴く

2022-08-03 12:10:34 | 古典~現代音楽ノルウェー編
今回は1897年生まれのノルウェーの作曲家、
セーヴェルーが1943年に作曲した、
「抵抗のバラード」作品22を取り上げる。
この作品はピアノ作品として作曲されたが、
管弦楽としても編曲され、今回はこちらを聴いた。
この作品が書かれた1943年はドイツ軍が、
ノルウェーに侵攻した時期にあたる。
CDの解説書によると、この時彼はオスロを訪れていたが、
ベルゲンに戻るにあたってドイツ兵の乗る列車を避け、
ソグネフィヨルド行きのバスに乗った。
この時、レールダルの丘の中腹にドイツ兵舎があるのを見た。
彼の中ではドイツに占領されていることへの怒りがこみ上げ、
抵抗の気持ちを音楽にしようとする考えが生まれたようだ。
聴いたCDはビャーテ・エンゲセット指揮、
アイスランド交響楽団の演奏である。
低弦の上でトランペットの奏でる旋律に始まり、
ホルンがそれを引き継ぎ、重々しい低弦の音が続く。
木管楽器や弦楽器の奏でる旋律は苦痛さや暗さを感じさる。
しかし、打楽器の音でそれが新しい段階にいくことを感じさせる。
ヴァイオリンの独奏が奏でる旋律は勇気を与え、
その旋律は繰り返されていき、木管楽器に引き継がれていく。
この北欧的な旋律は弦楽器に引き継がれ、力強さを持っていく。
管弦楽全体に広がり抵抗への強い意志へと変わっていく。
ドイツ軍の占領に対する負けない抵抗の気持ちが、
管弦楽全体で示され、盛り上がったところで終わる。
当時のノルウェーの人々に抵抗することへの勇気を、
この作品が与えたんだろうなと思うのである。
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ハーラル・セーヴェルーの交響曲第4番作品11を聴く

2022-08-02 09:49:32 | 古典~現代音楽ノルウェー編
8月に入ったので南北のアメリカ編を終わりにし、
久しぶりに北欧編に入り、交響曲・管弦楽曲中心に触れていきたい。
今回は1897年生まれのノルウェーの作曲家、
セーヴェルーが1937年に作曲した、
交響曲第4番作品11を取り上げる。
この作品を1937年11月9日に初演した指揮者
ハラルド・ハイデに献呈されている。
聴いたCDはウーレ・クリスチャン・ルード指揮、
スタヴァンゲル交響楽団の演奏である。
この交響曲は単一楽章制の作品で、
最初のモデラートは弦楽器でゆるやかに始まり、
木管楽器や金管楽器が絡んでいく。
やがて生き生きとした軽快な旋律が、
様々な楽器で奏でられていく。
アレグロの部分ではフーガ風の展開もみられ、
弦楽器中心に室内楽的な緻密で繊細な部分と、
金管楽器が中心にダイナミックに盛り上がる部分が、
交互に現れて、その対比も興味深く、聴きやすい作品である。
弦楽器が奏でる旋律の中には北欧的な部分も見られるが、
ショスタコーヴィチに似たところもある。
終わりの方で弦楽器中心に旋律が奏でられ、
そこに金管楽器が加わり盛り上がるが、最後は静かに終わる。
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