温泉クンの旅日記

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笊蕎麦 小邨 静岡・松崎

2009-03-18 | 食べある記
  <笊蕎麦 小邨 静岡・松崎>

 西伊豆からの富士山は何十回も見ているのだが、南アルプスの雪を頂いた山並み
まで見えるのは生まれて初めてであった。今日はよほど空気が澄んでいるのであろ
う。



 静岡県、とくに伊豆ではあまりおいしい蕎麦にめぐりあわない。
 この「小邨(こむら)」に来るまでは、伊豆でまあまあの蕎麦といったら下田の
「いし塚」ぐらいかなあと思っていた。



「あのォ・・・すみません」
 小邨の駐車場のど真ん中に車をとめて、開店を待っていると女将さんが飛んで
きた。
(ま、まさか・・・・せっかく楽しみに飛んできたのに今日は「本日貸切」とか
って言うんではないだろうか)

「はい?」
 ウィンドを降ろしながら答えると、
「申し訳ないんですけど、車の向きをあちらのほうに向けて駐車してくださいませ
んか」
「あ、はいはい、すぐに」
「すみませんねぇ。すぐに店あけますので」
 貸切とかでなかったので、ほっと、安堵する。

 天井が高く板敷きの静かな室内に。余分な装飾がない空間で四人掛けのテーブル
が6卓に奥に座敷2卓である。



「ざる、と田舎を一枚づつ。ざるのほうを先に」
 テーブルについてお茶がくると、すぐに注文した。いつもはどちらかを一枚だ
が、今日はひさしぶりだから二枚頼むことにしたのだ。



 次々と客が駐車場にはいってくる。
 わたしの後ろのテーブルの客も、わたしと同じく、ざると田舎を注文している。

 蕎麦については、前回の記事を引用しておこう。

  『ほどなく、膳が運ばれる。蕎麦つゆの入った小ぶりな広口徳利、真っ白な
   蕎麦猪口、薬味(大根おろし、葱、わさび)、箸置きに乗った割り箸。
   膳がきても蕎麦はまだ、もうしばらくかかる。いつものように、つゆをすこ
   しだけくちに含み、味わう。(旨い・・・)舌先を茶で洗う。
   すこし太めで色の濃い<田舎>を今回試した。



   ここへ来るまで我慢してなにも食べなくて本当によかった。そう、思える味
   だ。山形の蕎麦の歯ごたえが、すこしある。
   前回は<もり>を食べたが甲乙つけがたい。



   上品な<もり>と、すこし野性味のある<田舎>、どちらも香り高い奥深い
   味わいで満足できる。切りにも職人の真剣さがある。蕎麦も絶品だが、つゆ
   がやたら旨い。だしが効いて風味があり、変な甘みがない。蕎麦湯を注ぎ、
   残さず呑みきる。』

 繰り返して書く。
『とにかく蕎麦好きであれば、辿りつくまで空腹を我慢していただくだけの価値
ある蕎麦がこの店では食える。』


   →前回の「笊蕎麦 小邨」の記事はこちら 


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