<読んだ本 2017年10月>
10月4日、夜空を見あげてあきらめずにずっと待っていると、やがて雲が切れて月が顔を出した。
中秋の名月である。
わりと真面目にわたしは選挙投票している。
今月の総選挙の投票日(22日)が台風21号の影響で全国的に大雨になりそうなことから、初めて期日前投票をしてみようと思った。
ところが会場に行ってみると、同じ考えを持った人が大勢いて行列をなしており、まるでディズニーランドのように何重にも折り曲げられた列は人で溢れていた。
渋滞嫌いのわたしはその時はあきらめたが、改めて別の日に行っても同じで、結局いつものように投票日になってしまう。予想通りに大雨で、会場は空いていたがずぶ濡れになってしまったのである。
波乱の総選挙のはずが、野党が分裂・失速したおかげで与党の圧勝に終わった。
秋晴れの日が少なかった、雨ばかりの一カ月であった。街歩きをしていると、突然、冷たい雨に襲われ眼についた蕎麦屋で雨宿りすることにした。
灰皿が置いてあり、呑んでいる先客もいたのでこれ幸いと右に倣う。蕎麦前に蕎麦湯割とキスの天ぷらを頼む。
見た目はいかにも旨そうな小ぶりなキス天だが、食べてみるまでわからない。いざ食べたら、まあ、五十点といったところ。天ぷらは簡単にみえてジツに奥が深い。
さて、10月に読んだ本ですが先月に引き続きの5冊、年間累計で68冊でした。
1. ○大諜報 上 クライブ・カッスラー 扶桑社ミステリー
2. ○大諜報 下 クライブ・カッスラー 扶桑社ミステリー
3.○風雲 交代寄合伊奈衆異聞三 佐伯泰英 講談社
4. ○真田太平記 (1) 天魔の夏 池波正太郎 新潮文庫
5. ○真田太平記 (2) 秘密 池波正太郎 新潮文庫
この一、二カ月あまりこれはという面白い本を読んでいない。図書館読みだから目当ての本も順番待ちが長い。
そこで約十年前に読了した「真田太平記」を再読することにした。
安定した簡潔な文章は、つっかかることもなくすらすら読めて心地よい。
『岩壁に穿たれた穴から湧きだしている温泉は、板と丸太を組み合わせた四坪ほどの浴槽から惜しげもなくあふれていた。
ふとい柱にささえられた板屋根の浴舎は、まことに素朴なものだが、この温泉のゆたかさ、すばらしさは向井佐平次にとって、
瞠目すべきものであった。
はなしには聞いていても、温泉に身をひたしたことは、かつて一度もない。
(これが、地から湧き出る温泉というものか・・・・・・)
日に二度ほど、温泉に身を沈めるたびに、感嘆せずにはいられない。
(いで湯とは、まことにぜいたくきわまるものだ)
であった。
戦陣の間はむろんのこと、古府中城下の足軽長屋に住み暮らしていたときでも、湯をわかして入浴するのは月のうちに
三度か四度で、夏になれば、川での水浴が当然だったのに、ここでは昼も夜も、とめどなく温泉が湧き、あふれ出ている。
湯浴みする人のあるなしにかかわらずである。
浴舎には、温泉の硫黄の匂いが湯けむりと共にたちこめていた。』
新潮文庫 池波正太郎著「真田太平記 (1)天魔の夏」より
この文章を読んでいるうちにたまらなく別所温泉に行きたくなってきてしまった。
→「別所温泉(1)」の記事はこちら
→「別所温泉(2)」の記事はこちら
→「読んだ本 2017年9月」の記事はこちら
10月4日、夜空を見あげてあきらめずにずっと待っていると、やがて雲が切れて月が顔を出した。
中秋の名月である。
わりと真面目にわたしは選挙投票している。
今月の総選挙の投票日(22日)が台風21号の影響で全国的に大雨になりそうなことから、初めて期日前投票をしてみようと思った。
ところが会場に行ってみると、同じ考えを持った人が大勢いて行列をなしており、まるでディズニーランドのように何重にも折り曲げられた列は人で溢れていた。
渋滞嫌いのわたしはその時はあきらめたが、改めて別の日に行っても同じで、結局いつものように投票日になってしまう。予想通りに大雨で、会場は空いていたがずぶ濡れになってしまったのである。
波乱の総選挙のはずが、野党が分裂・失速したおかげで与党の圧勝に終わった。
秋晴れの日が少なかった、雨ばかりの一カ月であった。街歩きをしていると、突然、冷たい雨に襲われ眼についた蕎麦屋で雨宿りすることにした。
灰皿が置いてあり、呑んでいる先客もいたのでこれ幸いと右に倣う。蕎麦前に蕎麦湯割とキスの天ぷらを頼む。
見た目はいかにも旨そうな小ぶりなキス天だが、食べてみるまでわからない。いざ食べたら、まあ、五十点といったところ。天ぷらは簡単にみえてジツに奥が深い。
さて、10月に読んだ本ですが先月に引き続きの5冊、年間累計で68冊でした。
1. ○大諜報 上 クライブ・カッスラー 扶桑社ミステリー
2. ○大諜報 下 クライブ・カッスラー 扶桑社ミステリー
3.○風雲 交代寄合伊奈衆異聞三 佐伯泰英 講談社
4. ○真田太平記 (1) 天魔の夏 池波正太郎 新潮文庫
5. ○真田太平記 (2) 秘密 池波正太郎 新潮文庫
この一、二カ月あまりこれはという面白い本を読んでいない。図書館読みだから目当ての本も順番待ちが長い。
そこで約十年前に読了した「真田太平記」を再読することにした。
安定した簡潔な文章は、つっかかることもなくすらすら読めて心地よい。
『岩壁に穿たれた穴から湧きだしている温泉は、板と丸太を組み合わせた四坪ほどの浴槽から惜しげもなくあふれていた。
ふとい柱にささえられた板屋根の浴舎は、まことに素朴なものだが、この温泉のゆたかさ、すばらしさは向井佐平次にとって、
瞠目すべきものであった。
はなしには聞いていても、温泉に身をひたしたことは、かつて一度もない。
(これが、地から湧き出る温泉というものか・・・・・・)
日に二度ほど、温泉に身を沈めるたびに、感嘆せずにはいられない。
(いで湯とは、まことにぜいたくきわまるものだ)
であった。
戦陣の間はむろんのこと、古府中城下の足軽長屋に住み暮らしていたときでも、湯をわかして入浴するのは月のうちに
三度か四度で、夏になれば、川での水浴が当然だったのに、ここでは昼も夜も、とめどなく温泉が湧き、あふれ出ている。
湯浴みする人のあるなしにかかわらずである。
浴舎には、温泉の硫黄の匂いが湯けむりと共にたちこめていた。』
新潮文庫 池波正太郎著「真田太平記 (1)天魔の夏」より
この文章を読んでいるうちにたまらなく別所温泉に行きたくなってきてしまった。
→「別所温泉(1)」の記事はこちら
→「別所温泉(2)」の記事はこちら
→「読んだ本 2017年9月」の記事はこちら
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