<読んだ本 2019年1月>
今月は、どちらかというと苦手な立ち飲み屋に三軒もいってしまった。もちろん訳がある。
師走に、呑み仲間の「いつでも熱い心を持っている」大先輩の訃報連絡をもらって、松の内が明けてから、図書館派読書術をわたしに伝授してくれた先輩と待ち合わせて焼香に伺った帰りである。その進取の精神を持つ先輩だが、メールなんかよりもオマエ電話のほうがなんぼか早いぞ、という行動派(?)でもある。
「上大岡で降りるの? もちろん軽くだよね!」
昼過ぎの精進落としなので、店選びはなかなかに難しい。昼飲みできても中休みがある飲食店はダメだし、座れるとシツコクなる。個人的には好きでないがこの際だ、あえて立ち飲み屋を選択した。遠い道中の先輩も早く切りあげられて安心である。
駅前の交差点を渡り、そのまま進む。
「あそこの『五郎ちゃん』はいいとこ十名くらいと狭くて寒かったので、もうすこし先の曲がったところにある三十人は入れそうな『じぃえんとるまん』に決めました」
先輩に比べれば、年齢的にパシリなので事前に下調べはしてあった。先輩が落胆するようなところへ連れていきたくはない。そういうところは周到な性格なのだ。
店は暖かく、丁度いい混み具合だった。
先輩は日本酒に〆鯖、わたしは芋焼酎と上鮪で一杯目の献杯を始める。
もう一杯だけいくか、と思ったとおりの進行になり、同じ飲み物とわたしは懐かしい鯨ベーコンを注文する。
「ここって、東京にもあるの?」
お気に召したらしく先輩が訊くと、東京にはなくて神奈川だけ、桜木町・二俣川・戸塚などにあるという。えっ、戸塚に! そんなのぜんぜん知らない。
「戸塚の店って、いったいどこにあるの?」
よく知っている駅前のビルの名前を言った。
酒場の聖地「立石」での再会を約し本の話や四方山話をきっちり二杯で切りあげ、二時間電車に乗るのかと肩を落とす先輩を京急改札口まで送ると、帰りに戸塚の「国民酒場」を確かめにいった。あ、そうそう勘定だが先輩が九百円、わたしが千百円と懐に優しかった。
あった。
たしかここは、飲食店がオープンしては潰れていった場所だ。オープンしてまだ三カ月みたいで、知らなかったのも無理はない。
外に出ているメニューをみると焼きそばを発見、ハシゴになるなとチラリとだけ考えたが吸い込まれるように入った。
昼メシを食いそこねたのだ。待ち合わせ場所に余裕をみて一時間前にいったら、すでに昼食を済ませたばかりの先輩がもうそこにいたのだった。(早すぎだろう!)
一刻者と焼きそばを注文すると、追加注文用なのだろう、お釣りを小さな木皿に入れて返してくれる。
(なかなかいい店だが、近所の人にみつかるのも格好悪いしな・・・)
月に一度か、四半期に一度がいいか。またこの店が潰れないうちに、ゆっくり考えるとしよう。こちらの勘定だが、一刻者二杯と焼きそばで八百円也。
さて、年明けの1月に読んだ本ですが、まずまずの7冊でスタートです。
1. ○桜(はな)吹雪 新・よいどれ小籐次三 佐伯泰英 文春文庫
2. ○姉と弟 新・よいどれ小籐次四 佐伯泰英 文春文庫
3. ○柳に風 新・よいどれ小籐次五 佐伯泰英 文春文庫
4. ○らくだ 新・よいどれ小籐次六 佐伯泰英 文春文庫
5. ○マスター・スナイパー スティーブン・ハンター 扶桑社ミステリー
6. ○贋世捨人 車谷長吉 新潮社
7. ○燃える部屋 上 マイクル・コナリー 講談社文庫
最近、グッとくる文章の本になぜか出逢わない。
そこで今月はガラリと目先を変えて、DlifeのTVドラマ「NCIS ネイビー犯罪捜査班」のシーンでグッときたやつを。
ある日、NCIS捜査官のギブスのチームは全員が強制的に精神科のカウンセリングを受ける。
カウンセリングの最後に女医師レイチェルはリーダーのギブスに質問する。
レイチェル「男がバーに来て水を一杯くれと言った。
バーテンは銃をとりだし男に向けて発砲した。
弾は男をすれすれで逸れた
男は礼を言ってチップを置き出て行った。
なぜだと思うか?」
ギブス「シャックリが止まったから」
わたしなら、「いやあ降参。教えてえーな」というところだが、さすがはギブスである。シブい。
→「読んだ本 2018年11月と12月」の記事はこちら
→「酒場の聖地、京成立石」の記事はこちら
今月は、どちらかというと苦手な立ち飲み屋に三軒もいってしまった。もちろん訳がある。
師走に、呑み仲間の「いつでも熱い心を持っている」大先輩の訃報連絡をもらって、松の内が明けてから、図書館派読書術をわたしに伝授してくれた先輩と待ち合わせて焼香に伺った帰りである。その進取の精神を持つ先輩だが、メールなんかよりもオマエ電話のほうがなんぼか早いぞ、という行動派(?)でもある。
「上大岡で降りるの? もちろん軽くだよね!」
昼過ぎの精進落としなので、店選びはなかなかに難しい。昼飲みできても中休みがある飲食店はダメだし、座れるとシツコクなる。個人的には好きでないがこの際だ、あえて立ち飲み屋を選択した。遠い道中の先輩も早く切りあげられて安心である。
駅前の交差点を渡り、そのまま進む。
「あそこの『五郎ちゃん』はいいとこ十名くらいと狭くて寒かったので、もうすこし先の曲がったところにある三十人は入れそうな『じぃえんとるまん』に決めました」
先輩に比べれば、年齢的にパシリなので事前に下調べはしてあった。先輩が落胆するようなところへ連れていきたくはない。そういうところは周到な性格なのだ。
店は暖かく、丁度いい混み具合だった。
先輩は日本酒に〆鯖、わたしは芋焼酎と上鮪で一杯目の献杯を始める。
もう一杯だけいくか、と思ったとおりの進行になり、同じ飲み物とわたしは懐かしい鯨ベーコンを注文する。
「ここって、東京にもあるの?」
お気に召したらしく先輩が訊くと、東京にはなくて神奈川だけ、桜木町・二俣川・戸塚などにあるという。えっ、戸塚に! そんなのぜんぜん知らない。
「戸塚の店って、いったいどこにあるの?」
よく知っている駅前のビルの名前を言った。
酒場の聖地「立石」での再会を約し本の話や四方山話をきっちり二杯で切りあげ、二時間電車に乗るのかと肩を落とす先輩を京急改札口まで送ると、帰りに戸塚の「国民酒場」を確かめにいった。あ、そうそう勘定だが先輩が九百円、わたしが千百円と懐に優しかった。
あった。
たしかここは、飲食店がオープンしては潰れていった場所だ。オープンしてまだ三カ月みたいで、知らなかったのも無理はない。
外に出ているメニューをみると焼きそばを発見、ハシゴになるなとチラリとだけ考えたが吸い込まれるように入った。
昼メシを食いそこねたのだ。待ち合わせ場所に余裕をみて一時間前にいったら、すでに昼食を済ませたばかりの先輩がもうそこにいたのだった。(早すぎだろう!)
一刻者と焼きそばを注文すると、追加注文用なのだろう、お釣りを小さな木皿に入れて返してくれる。
(なかなかいい店だが、近所の人にみつかるのも格好悪いしな・・・)
月に一度か、四半期に一度がいいか。またこの店が潰れないうちに、ゆっくり考えるとしよう。こちらの勘定だが、一刻者二杯と焼きそばで八百円也。
さて、年明けの1月に読んだ本ですが、まずまずの7冊でスタートです。
1. ○桜(はな)吹雪 新・よいどれ小籐次三 佐伯泰英 文春文庫
2. ○姉と弟 新・よいどれ小籐次四 佐伯泰英 文春文庫
3. ○柳に風 新・よいどれ小籐次五 佐伯泰英 文春文庫
4. ○らくだ 新・よいどれ小籐次六 佐伯泰英 文春文庫
5. ○マスター・スナイパー スティーブン・ハンター 扶桑社ミステリー
6. ○贋世捨人 車谷長吉 新潮社
7. ○燃える部屋 上 マイクル・コナリー 講談社文庫
最近、グッとくる文章の本になぜか出逢わない。
そこで今月はガラリと目先を変えて、DlifeのTVドラマ「NCIS ネイビー犯罪捜査班」のシーンでグッときたやつを。
ある日、NCIS捜査官のギブスのチームは全員が強制的に精神科のカウンセリングを受ける。
カウンセリングの最後に女医師レイチェルはリーダーのギブスに質問する。
レイチェル「男がバーに来て水を一杯くれと言った。
バーテンは銃をとりだし男に向けて発砲した。
弾は男をすれすれで逸れた
男は礼を言ってチップを置き出て行った。
なぜだと思うか?」
ギブス「シャックリが止まったから」
わたしなら、「いやあ降参。教えてえーな」というところだが、さすがはギブスである。シブい。
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→「酒場の聖地、京成立石」の記事はこちら
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