<静岡割りで、静岡おでん(2)>
静岡おでんには「五箇条」というものがあるそうだ。
1)黒はんぺんが入っている
2)黒いスープ(牛すじだし)である
3)串に刺してある
4)青のり・だし粉をかける
5)駄菓子屋にある
ということでまずは、ド定番の黒はんぺん、それに大根、牛スジを頼む。牛スジがまだ頃あいではないということで代わりに玉子に変更する。
黒はんぺんに、だし粉と青海苔をかけてすこしカラシをつけてかぶりつく。串だから食べやすい。沈んだ抹茶をマドラー代わりの箸でかき混ぜ、呑む。
おでんもそろって、ようやく、静岡の地で呑んでいるのを実感する。
この店のおでんの出汁は鶏ガラベースだそうだ。牛スジと魚のすり身のネタからにじみ出る出汁も加わって味が玄妙なものになり深みを増す。
その出汁がよく沁みた大根も口中でほどよく溶けるように旨い。
黒くて見た目が悪いが、糸こんにゃくもとてもおいしい。
牛スジができたそうで、静岡では珍しい「ちくわぶ」とともに皿にもらった。わたしはちくわぶと魚のスジが一番好きで、それに絶妙の煮えぐあいの巾着の「餅」が続く。安いネタが好きなのだ。
横丁を、観光客がぞろぞろと店のなかを覗きこみながら歩いていく。
おでん鍋の撮影も、許可が出たので一枚撮らせてもらう。
さきほど撮ろうとしたら、鍋のなかが寂しいのでもうすこし待ってほしいと言われたのだった。
わたしに続けというように、愛知のカップルと韓国のイケメンもカメラをおでん鍋に向けた。
愛知の彼氏は呑めないぶん、次から次へとおでんを注文する。わたしのちくわぶにも興味をしめして頼み、フライも数種類注文した。
わたしは静岡割りもすっかり気にいってしまい、呑みの態勢にはいってきた。だんだんと打ち解けた雰囲気に変わった店の客たちの会話を黙って聞きながら、次々とお代わりをしてしまう。
「すみません。おいくらでしょうか」
イケメン達が、日韓会話の本を片手に女将に訊いた。
女将が、イケメンの前にある食べ終わった串入れの串を数えたりしてかなりの時間をかけて、数字を書き込んだ小さな紙片をイケメンに渡した。
(スナックの勘定みたいだな・・・いくら払うんだろうか)
おでん屋は概してふっかけたりして、いい加減な勘定でボる店が多い。ちょっと気になる。渡した札の枚数を横目でみて、すこし安心する。
常連客が立ちあがり、一番奥のトイレを目指して蟹歩きで移動を始めた。
なにしろ狭い店で壁には冬のコートが架かっているものだから、辿り着くまでが容易ではない。狭い店では、トイレは一大事業となるのだ。
あと一杯頼むか。これで五、六杯くらいになるな。そろそろわたしも切り上げたほうがよさそうである。
勘定してコートを着ていると、本名で女将に呼ばれ吃驚して振り返る。
「もう一本先の路で、イルミネーションやっているから綺麗だからぜひ見ていってみて。また来てね」
そうか、予約したときに名前をいったからだ。勘定のほうだが、ありがたいことにすこしオマケしてくれた。
「はい、ではまたいずれ来ます」
入り口近くの客たちに挨拶して店を出ると、速足で歩く。
イルミネーションをやっている路にコンビニを見つけ、トイレに駆け込んだのであった。
→「静岡割りで、静岡おでん(1)」の記事はこちら
静岡おでんには「五箇条」というものがあるそうだ。
1)黒はんぺんが入っている
2)黒いスープ(牛すじだし)である
3)串に刺してある
4)青のり・だし粉をかける
5)駄菓子屋にある
ということでまずは、ド定番の黒はんぺん、それに大根、牛スジを頼む。牛スジがまだ頃あいではないということで代わりに玉子に変更する。
黒はんぺんに、だし粉と青海苔をかけてすこしカラシをつけてかぶりつく。串だから食べやすい。沈んだ抹茶をマドラー代わりの箸でかき混ぜ、呑む。
おでんもそろって、ようやく、静岡の地で呑んでいるのを実感する。
この店のおでんの出汁は鶏ガラベースだそうだ。牛スジと魚のすり身のネタからにじみ出る出汁も加わって味が玄妙なものになり深みを増す。
その出汁がよく沁みた大根も口中でほどよく溶けるように旨い。
黒くて見た目が悪いが、糸こんにゃくもとてもおいしい。
牛スジができたそうで、静岡では珍しい「ちくわぶ」とともに皿にもらった。わたしはちくわぶと魚のスジが一番好きで、それに絶妙の煮えぐあいの巾着の「餅」が続く。安いネタが好きなのだ。
横丁を、観光客がぞろぞろと店のなかを覗きこみながら歩いていく。
おでん鍋の撮影も、許可が出たので一枚撮らせてもらう。
さきほど撮ろうとしたら、鍋のなかが寂しいのでもうすこし待ってほしいと言われたのだった。
わたしに続けというように、愛知のカップルと韓国のイケメンもカメラをおでん鍋に向けた。
愛知の彼氏は呑めないぶん、次から次へとおでんを注文する。わたしのちくわぶにも興味をしめして頼み、フライも数種類注文した。
わたしは静岡割りもすっかり気にいってしまい、呑みの態勢にはいってきた。だんだんと打ち解けた雰囲気に変わった店の客たちの会話を黙って聞きながら、次々とお代わりをしてしまう。
「すみません。おいくらでしょうか」
イケメン達が、日韓会話の本を片手に女将に訊いた。
女将が、イケメンの前にある食べ終わった串入れの串を数えたりしてかなりの時間をかけて、数字を書き込んだ小さな紙片をイケメンに渡した。
(スナックの勘定みたいだな・・・いくら払うんだろうか)
おでん屋は概してふっかけたりして、いい加減な勘定でボる店が多い。ちょっと気になる。渡した札の枚数を横目でみて、すこし安心する。
常連客が立ちあがり、一番奥のトイレを目指して蟹歩きで移動を始めた。
なにしろ狭い店で壁には冬のコートが架かっているものだから、辿り着くまでが容易ではない。狭い店では、トイレは一大事業となるのだ。
あと一杯頼むか。これで五、六杯くらいになるな。そろそろわたしも切り上げたほうがよさそうである。
勘定してコートを着ていると、本名で女将に呼ばれ吃驚して振り返る。
「もう一本先の路で、イルミネーションやっているから綺麗だからぜひ見ていってみて。また来てね」
そうか、予約したときに名前をいったからだ。勘定のほうだが、ありがたいことにすこしオマケしてくれた。
「はい、ではまたいずれ来ます」
入り口近くの客たちに挨拶して店を出ると、速足で歩く。
イルミネーションをやっている路にコンビニを見つけ、トイレに駆け込んだのであった。
→「静岡割りで、静岡おでん(1)」の記事はこちら
温泉様!
来て頂けましたか、静岡市へ!
「おでんや横丁」に行かれたみたいで・・・。
ここ、マスコミに取り上げられてから、さらに高くなりまして、残念地帯です。
さて、最後の写真にある壷・・・
昼間にご覧いただけましたでしょうか?
この壷、昼間は回りから水が噴射され、
一杯になると転倒し、
中の水がこぼれると、また自立する仕組みになっています。
必ず給水地点に立ち直るように、
壷に刻まれた横溝は、
地面に埋め込まれた、まさに「レール」となる
石にかみ合う設計となっています。
にゃぁ・・・でした。
いつもコメントありがとうございます。
お元気でしたでしょうか。
おでん屋では、ボられることもなくリーズナブルな請求だったです。
壺の情報ありがとうございます。
暗くてひとも多くまったく気が付きませんでした。
来年、機会をつくって確認にいってみますね。