温泉クンの旅日記

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新潟、特上寿しとイタリアン(1)

2013-05-22 | 食べある記
  <新潟、特上寿しとイタリアン(1)>

 最近、東海道線の一部の吊り広告が「新潟」を特集しているようで、朝夕の通勤時にちょっと眼を奪われる。
 蕎麦だったり、地酒だったり、いくつかを期間を置いてやっているようだが、寿司のときにハタと気がついたのだが、新潟であまり寿司を食べた記憶がない。

 ひょっとしたら一度もないかもしれない。寺泊や新潟で食べた魚介はいずれもたしか丼ものだった。もっとも寿司の記憶がないのは、昼メシにあまり金をかけないせいもある。
 新潟は、米、酒、魚が旨い。その三つを同時に味わうのに寿司ほどのメニューはないではないか。

 ひさしぶりの新潟駅である。



 頭に覚えこませた地図をたよりに歩き回り、なんとか「富寿し」探しあてた。



 この店は創業五十年余りで、寿司・和食のほか、ダイニングバーをなどを新潟、長野で多店舗を展開している。



 入り口に置かれた紙に名前を書き、待つほどもなく案内される。

 昼時のピークが過ぎたようで、カウンターでもボックス席でもかまわないというので、ボックス席を選ぶ。荷物もあるし、上着も脱ぎたい。それにカウンターだと目の前の職人が気になって撮影がしにくいのである。



 近所のサラリーマンの昼食に対応しているのだろう、メニューは多彩で、「本物をお気軽に」のうたい文句どおりに料金設定の幅も広く手軽な七百円からある。
 一応ざっと眼を通してから、「特上寿し」を頼む。寿司屋では必ず「特上」一本と決めていて寸毫も迷うことはないのだ。

 新潟県が推奨する「極みのにぎり」は、高いし、このあとの予定に響く。寿司と一緒に味わいたい日本酒も同じ理由で断念した。
「特上寿し」だが、消費税込みで二千百円はかなり安いと思う。東京ではこの値段では食べられない。
 運ばれたお茶で渇いた喉を湿らせる。寿司屋のお茶はなんでどこもこんなにも旨いのだろう。不思議である。

 運ばれてきた鮨を、好きなもの順にいつものように手を使っていただく。



 まず、米が旨いのに驚く。さすが新潟だ。そして酢飯の按配が抜群である。



 ネタも新鮮で、ひとつひとつがかなりの技や手間がかかっているのがわかる。二、三個ほど追加したいが、ここはぐっと堪えるしかない。
 鉄火巻の鮪も、剥き身を使ってありなかなかに贅沢なものだ。

 この特上寿し、大満足した。さすがに、名門の新潟ホテルオークラに最近店を構えた寿司屋である。時間をかけて調べた甲斐があったというものだ。
 それにしても旅番組でいろいろ紹介されて思わずメモをとった、何軒かの寿司屋を選ばなくて正解だった。


  ― 続く ―


  →「禁断のドンブリ」の記事はこちら
  →「魚のアメヨコ―寺泊」の記事はこちら

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