<鍵曲がり>
ひとは、いろいろな理由で旅をする。
紅葉、名花、名勝地、名物、古刹、想い出、温泉、さまざまなきっかけで旅を
する。
写真だったり、ポスターだったり、テレビの画像だったりを見ていて、ある
風景とかに眼がとまって、そこにどうしても行ってみたい、とわたしは思うこと
がある。
たまに、読んでいる小説の場面描写の文章のこともある。
風景とか建物とか場所、とかが妙に心に残るのだ。
そう思ったら最後、いつまでも胸の中のどこかにその気持ちがずっと占め続け
るのだ。
鹿児島の知覧が、酒田の山居倉庫がそうだった。
幸い、二箇所とも今年訪ねることができた。
萩にも、実はいってみたかったのである。
萩といえば日本海に面したかつての毛利氏三十六万石の城下町、山陰の小京都
である。いまでも江戸時代の城下町の姿をあちこちに残している。
この萩は、明治維新に吉田松陰や高杉普作、木戸孝允、伊藤博文など多くの
偉人を送り出した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/27/a209171f4b1af627bffb3ee3d107469b.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/71/04557c22b3b6a4767a43653da5548275.jpg)
萩にいったら、ぜひとも観てみたい、歩いてみたい風景があった。
それは、「鍵曲がり」と呼ばれる路地だ。「かぎまがり」ではなく「かい
まがり」と読む。
それは、平安古(ひやこ)という、とても読めそうもないところにそれはあ
った。「ひやこのかいまがり」である。とてつもなく難しい読みである。
平安古は、中級武士の屋敷地であった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/cb/e9a619415c4c622bc98273de5b504570.jpg)
両側に高い土塀が続く。
土塀が途中で曲がっているのは、敵の侵入に備えてである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/04/80e8b7161418cf9c9d499d0fe7b7a3c0.jpg)
知覧の武家屋敷の通りと同じように、侵入してきた敵に道がいちどきに見渡せ
ないように鍵状に、現代風にいうとクランク状に曲げられている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/89/4982e5c2741ecaae87799fa0a7785c1a.jpg)
幸い観光客はだれもいない。
きっと萩を訪れても、有名な観光地を巡っているのだろう。萩には萩城跡、
明倫館、川島、萩駅周辺、松下村塾など見どころは多い。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/ee/cfb39aca31ae8b29db04f6d263045d33.jpg)
日差しの強い日であったのだが、この路地を歩いている自分はすっかりそんな
ことも忘れていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/5e/11c898da711e1714ccfd3f6b4ac7e509.jpg)
この静かな雰囲気のなかに身をおいてみたかったのである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/29/817231fbd46afa4af06c587024e9b220.jpg)
かすかに柑橘系の爽やかな匂いが漂うのは、夏蜜柑の木があるからであろう。
路地を抜けたところが、きれいな河原につながっていた。
橋本川である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/13/cd3669045daf22697b0542a7dce340b6.jpg)
路地を抜けるのには、時間にして十分くらいのものだったが、歴史を一歩一歩
踏みしめているような密度の濃いひとときであった。
→「知覧武家屋敷(1)」の記事はこちら
→「山居倉庫」の記事はこちら
ひとは、いろいろな理由で旅をする。
紅葉、名花、名勝地、名物、古刹、想い出、温泉、さまざまなきっかけで旅を
する。
写真だったり、ポスターだったり、テレビの画像だったりを見ていて、ある
風景とかに眼がとまって、そこにどうしても行ってみたい、とわたしは思うこと
がある。
たまに、読んでいる小説の場面描写の文章のこともある。
風景とか建物とか場所、とかが妙に心に残るのだ。
そう思ったら最後、いつまでも胸の中のどこかにその気持ちがずっと占め続け
るのだ。
鹿児島の知覧が、酒田の山居倉庫がそうだった。
幸い、二箇所とも今年訪ねることができた。
萩にも、実はいってみたかったのである。
萩といえば日本海に面したかつての毛利氏三十六万石の城下町、山陰の小京都
である。いまでも江戸時代の城下町の姿をあちこちに残している。
この萩は、明治維新に吉田松陰や高杉普作、木戸孝允、伊藤博文など多くの
偉人を送り出した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/27/a209171f4b1af627bffb3ee3d107469b.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/71/04557c22b3b6a4767a43653da5548275.jpg)
萩にいったら、ぜひとも観てみたい、歩いてみたい風景があった。
それは、「鍵曲がり」と呼ばれる路地だ。「かぎまがり」ではなく「かい
まがり」と読む。
それは、平安古(ひやこ)という、とても読めそうもないところにそれはあ
った。「ひやこのかいまがり」である。とてつもなく難しい読みである。
平安古は、中級武士の屋敷地であった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/cb/e9a619415c4c622bc98273de5b504570.jpg)
両側に高い土塀が続く。
土塀が途中で曲がっているのは、敵の侵入に備えてである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/04/80e8b7161418cf9c9d499d0fe7b7a3c0.jpg)
知覧の武家屋敷の通りと同じように、侵入してきた敵に道がいちどきに見渡せ
ないように鍵状に、現代風にいうとクランク状に曲げられている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/89/4982e5c2741ecaae87799fa0a7785c1a.jpg)
幸い観光客はだれもいない。
きっと萩を訪れても、有名な観光地を巡っているのだろう。萩には萩城跡、
明倫館、川島、萩駅周辺、松下村塾など見どころは多い。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/ee/cfb39aca31ae8b29db04f6d263045d33.jpg)
日差しの強い日であったのだが、この路地を歩いている自分はすっかりそんな
ことも忘れていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/5e/11c898da711e1714ccfd3f6b4ac7e509.jpg)
この静かな雰囲気のなかに身をおいてみたかったのである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/29/817231fbd46afa4af06c587024e9b220.jpg)
かすかに柑橘系の爽やかな匂いが漂うのは、夏蜜柑の木があるからであろう。
路地を抜けたところが、きれいな河原につながっていた。
橋本川である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/13/cd3669045daf22697b0542a7dce340b6.jpg)
路地を抜けるのには、時間にして十分くらいのものだったが、歴史を一歩一歩
踏みしめているような密度の濃いひとときであった。
→「知覧武家屋敷(1)」の記事はこちら
→「山居倉庫」の記事はこちら
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