<伊東温泉、湯三昧(2)>
たしかこのセブンイレブンの裏あたりだったはずだ・・・。
あ、ここだ。
住宅街にひっそりとある地元客用の共同浴場、「岡布袋の湯」。
番台のおばさんに料金を払い、鍵を受取った。
前回、伊東に来たときに初めて外湯の家族風呂に入ってみて、料金をはるかに上回る満足感を得たので今回もまた入ることにしたのだ。
ここの湯は独自源泉である。なんともいいお湯で、温泉好きにはたまらない。
さて、さっぱりしたところで、それではこの足で呑みにいくとするか。
(まずは餃子で一杯からスタートしようかな・・・)
「素晴らしい! ホント理想的な血圧ですねぇ」
若い看護婦に褒められてしまった。いい歳をしていても頬が自然にゆるみ、思わず頭をポリポリ掻くほど嬉しいものである。
正味な話が一夜漬けで百点とったようなもの、二十九日間の禁酒のおかげだった。
それに、珍しく腹具合が悪かったので今回はバリウム検査をパスしたので、初めて地獄を味わわずに済む。ということは、旨酒を心から楽しめるというわけだ。
よっしゃあ、昼のビールはこの際なかったことにして解禁の今日は三軒くらいいてもうたるぞ。
一軒目は餃子だ。
どうしようか。焼き餃子が旨いのはわかっているが、ランチタイムでないから三個のヤツがない。三個だとどれも熱々の状態で食べられるのがたまらなく嬉しいのだ。普通メニューの七個だとそうはいかない。
よし、水餃子を注文してみるか。飲み物は芋焼酎の水割りだ。
熱いスープにニラが浮いていて、なんともニンニクパンチが効いている餃子である。
二軒目は居酒屋、いつもの海鮮だ。
予約必至の店だが今夜も飛び込みで幸運にもセーフだ。
ふむ、相変わらずの無敵の刺身盛り合わせである。
いつものように店長が今宵の刺身の品揃えを端からいちいち説明してくれるが、いつものようにわたしは頷くだけで食欲に負けてメモをとるなんてことができず、無念だが書けない。
入れない客と店長との応酬もいつもの通りである。
「この店の常連の息子に『ぜひに』と勧められて来たんですけど、なんとかなりませんか」
「まことに申し訳ありませんが、今日はもう予約でいっぱいです」
初老の夫婦が、肩をがっくり落として出ていく。
そのあとも同じような応酬が繰り返され、なんとも居づらくなってきたので早々と勘定してもらうか。
手をあげて店員を呼び「チーズの味噌漬けと芋焼酎のお代りを」と思わずいってしまうわたしを責める酒呑みは、まさかいないよね。
― 続く ―
→「伊東温泉、湯三昧(1)」の記事はこちら
→「伊東温泉、会心の一日(1)」の記事はこちら
→「伊東温泉、会心の一日(2)」の記事はこちら
→「伊東温泉、会心の一日(3)」の記事はこちら
たしかこのセブンイレブンの裏あたりだったはずだ・・・。
あ、ここだ。
住宅街にひっそりとある地元客用の共同浴場、「岡布袋の湯」。
番台のおばさんに料金を払い、鍵を受取った。
前回、伊東に来たときに初めて外湯の家族風呂に入ってみて、料金をはるかに上回る満足感を得たので今回もまた入ることにしたのだ。
ここの湯は独自源泉である。なんともいいお湯で、温泉好きにはたまらない。
さて、さっぱりしたところで、それではこの足で呑みにいくとするか。
(まずは餃子で一杯からスタートしようかな・・・)
「素晴らしい! ホント理想的な血圧ですねぇ」
若い看護婦に褒められてしまった。いい歳をしていても頬が自然にゆるみ、思わず頭をポリポリ掻くほど嬉しいものである。
正味な話が一夜漬けで百点とったようなもの、二十九日間の禁酒のおかげだった。
それに、珍しく腹具合が悪かったので今回はバリウム検査をパスしたので、初めて地獄を味わわずに済む。ということは、旨酒を心から楽しめるというわけだ。
よっしゃあ、昼のビールはこの際なかったことにして解禁の今日は三軒くらいいてもうたるぞ。
一軒目は餃子だ。
どうしようか。焼き餃子が旨いのはわかっているが、ランチタイムでないから三個のヤツがない。三個だとどれも熱々の状態で食べられるのがたまらなく嬉しいのだ。普通メニューの七個だとそうはいかない。
よし、水餃子を注文してみるか。飲み物は芋焼酎の水割りだ。
熱いスープにニラが浮いていて、なんともニンニクパンチが効いている餃子である。
二軒目は居酒屋、いつもの海鮮だ。
予約必至の店だが今夜も飛び込みで幸運にもセーフだ。
ふむ、相変わらずの無敵の刺身盛り合わせである。
いつものように店長が今宵の刺身の品揃えを端からいちいち説明してくれるが、いつものようにわたしは頷くだけで食欲に負けてメモをとるなんてことができず、無念だが書けない。
入れない客と店長との応酬もいつもの通りである。
「この店の常連の息子に『ぜひに』と勧められて来たんですけど、なんとかなりませんか」
「まことに申し訳ありませんが、今日はもう予約でいっぱいです」
初老の夫婦が、肩をがっくり落として出ていく。
そのあとも同じような応酬が繰り返され、なんとも居づらくなってきたので早々と勘定してもらうか。
手をあげて店員を呼び「チーズの味噌漬けと芋焼酎のお代りを」と思わずいってしまうわたしを責める酒呑みは、まさかいないよね。
― 続く ―
→「伊東温泉、湯三昧(1)」の記事はこちら
→「伊東温泉、会心の一日(1)」の記事はこちら
→「伊東温泉、会心の一日(2)」の記事はこちら
→「伊東温泉、会心の一日(3)」の記事はこちら
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