温泉クンの旅日記

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戸倉上山田温泉(2) 長野・千曲

2012-04-22 | 温泉エッセイ
  <戸倉上山田温泉(2)>

 まだ明るいが薄めの焼酎水割りを舐めながら、何枚かもらった周辺の店の案内図を検討する。
 B&Bなので、今宵の酒場探しである。
 蕎麦屋と焼鳥屋が多い。蕎麦屋は煙草が吸えない店が多いし、焼き鳥はわたしの基準が意外と高い。

 一時間ほど検討したが、これといった店が決まらない。
 どうせ、それほど広くない温泉町だ。歩いて探すことにした。できれば観光客目当てではなく、地元客が集まるような店がいい。
 そうと決まればもうひと風呂浴びることにしよう。

 十軒ほど廻ったが、これはという店がみつからない。
 夜風が冷たい。店選びの基準を思い切り下げようかと悩む。
 裏道の遠くに酒場らしい明かりがみえた。
「やまよし」という店の佇まいに、ぴんと感じるものがあり、ここに決めた。



 間口が広く、引き戸をあけてみると料亭のようで驚く。眼の前の大広間のようなところは照明が消えている。どうやら靴をぬいであがり左手の小部屋が居酒屋のスペースのようだ。
 入ると四人掛けテーブル席が五、六卓とカウンターが五席ほど、入り口の左側が座敷だった。
 焼酎は珍しく鹿児島の「財寶」が置いてある。
 冷えたので熱燗と、焼鳥はやめて、葱焼きとつくねの串焼きを頼む。



 熱燗を呑み切ると財寶の水割りに切り替えた。つくねはちょっと甘めだが、まあまあの味。
 途中で、お代わりを頼む時に鯵フライが食べたくなって注文する。



 財寶温泉にいったときのあれこれを肴に、財寶の焼酎を呑む。まさか長野で財寶に出逢うとは思わなかった。

 しこたま呑んでお勘定を払うと、店主がわざわざ見送りに出てくれる。常連ばかりが来る店なので、見慣れないひとり旅のわたしが目立ったのかもしれない。
 訊けば店の建物は置屋だったそうで、納得した。この温泉地には最盛期には三百人以上の芸妓が在籍していたのである。いまも百人以上いるし、数多くのスナックには外国人女性が多いという。

 ここのご主人は蕎麦屋も経営しているようで、もし良かったらそちらの店にもぜひ来て欲しいと言われる。名刺の裏に店の名と営業時間書いてくれ、道順まで教えてくれた。営業時間は昼どきの二時間半ほどだという。昼どきだけの営業といっても仕込みもあるだろうし、夜も居酒屋の厨房を切り盛りするのは大変だろう。

 朝、一階の露天風呂に入り酔いを醒ます。





 昨夜は居酒屋を出てから軽く食べようと、ホテルの前の蕎麦屋に寄った。そこからが記憶が曖昧である。



 店の中が立ち食い蕎麦屋のようで、カウンター席ばかりだった。若者がひとりできびきびと切り盛りしていた。
 熱燗を懲りずに頼むと、ちろりでコップに注いでくれた。



 これをお代わりしたところから記憶が消えた。たしか帰りがけに蕎麦を食べたような気がするのだが思いだせない。明るいうちから呑み始め、熱燗で締めたのがいけなかったようだ。酒呑みはとにかく学習能力がなさすぎる。

 外を散歩し、昨夜の蕎麦屋を確認する。だが、記憶は甦らない。



 その横の公園にいくと、足湯を発見した。



 誰もいないので、珍しくやろうかと思ったが時計をみるとチェックアウト時間が迫っている。ちぇっ。舌うちしてホテルに戻った。
 戸倉上山田温泉に宿泊するのはこれが二度目だが、新たな面が見られてなかなかに面白かった。


  →「戸倉上山田温泉(1)」の記事はこちら
  →「財寶温泉へ(1)」の記事はこちら
  →「財寶温泉へ(2)」の記事はこちら

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